すべてのおすすめ
おまえらあのときもここにおったんか
公園の遊具や木々に話し掛けそうになる
あの地震のときは震えたりしたんか
そんな不遜な言葉を投げ掛けそうになる
セシウム、テルル、ストロンチウム
キセノン、 ....
とぼとぼと夜をこぼしながら
中途半端に高いビルに挟まれた通りをあるいた
あなたに見つからないように
ぼくだけの空気を吸うために
やさしくなれるような気がしたのは気のせいか
....
彼女は教授になりたくて
地方都市の大学の院に通っていた
そこで英米文学など学んでいた
いつも水いろワンピース
ほかにも付き合っている人がいた
彼女はたしかやっつ年上だった
あの日の彼女よ ....
ぼくらはなにか鎖のようなものと戦っている
怠惰や他責、厭世のとらわれびとであっても
ひきちぎりからめとられ
からめとられひきちぎりしながら
ぼくらはなにか鎖のようなものと戦って ....
みんなごめんね
おれしあわせになる
春の切実
夏の切実
秋の切実
冬の切実
宇宙のものまね
なんのものまね
もの ....
女のからだはうつくしかった
うすあかりに溶けだしたのは?
クリムトよ、あれはいったい?
女はおとこにつらぬかれていた
あえかな声やうすく閉じため
くみ敷かれたまま俯瞰 ....
あなたを応援する言葉のないオレだから
あなたを応援するには別れるしかなかった
応援する言葉のない場所から
あなたを応援しようとするじぶんを
オレはきらいになるいがい・・・・なか ....
うすくつもった無音
じゃれあう轍
だれかオレに
うまい珈琲をいれてくれないか
きょう傷ついたことなども
香ばしくてすっきりとした
あったかな気持ちにかえてくれないか
うすくつもった無音
....
道を白くさせるていどの雪が
ちいさくすうっと落ちてゆく
あれから16年
あの竹の切り口にも落ちてゆく
それはろうそくの火で瞬くまに乾いた
混乱はやんだ
喪失だけはい ....
オーストラリアに遊びに行っていた恋人に会いに大阪にいった。
そこは他人事のように寒かった。紫色の夜だった。
ストックホルム?大連?どこかでこんないろの夜を見た。冬だった?夏?春か?
店は料亭どく ....
のび太くんに会いたい
ぼくはのび太くんに会いたい
漫画の空のしたでやわらかな描線で
10才の小学生のころのじぶんに
ぼくはのび太くんに会いたい
土管の公園にゆけば会え ....
ぜったいそこにある
どこにいたって
ぜったいそこにある
そこで話したり
通り過ぎたり
待ち合わせしたり
ひとりでいったり
四谷の木の近く
象の足のような ....
空に月が照っている
世界はじぶんのこころだ
失意のとき
目に映るものたちが
励ましを感じさせてくれるなら
微笑んでいてくれるなら
きみの町にいま月は燃えているか
....
夢にまたあれがでてきた
あれいらいだ
シンゴが洞窟を持ってしまったのは
女の子との別れならいくつも経験していた
それまで好きで別れたことなどなかった
そんなお人よしではなかった
連絡を ....
カワバタくん、ランチでもどう、
同僚のイガタアヤコがシンゴを誘う
いっしょに働いて10年以上になるのに話すようになったのはこのいちねんのことだ
飲み会で子育ての話になったときなぜかシンゴ ....
シンゴは大型ショッピングセンターの駐車場に車をとめてDVDでオナニーをした
ゴルフの打ちっぱなしにいくと家族には嘘をついて送りだされてここにいた
悲しくもなかった
みじめでもなかった
シンゴ ....
人妻にストーカーまがいのことをしたことがある
あの熱情がもうない
それがじしんの成長なのか
それとも退化なのかわからない
さびしいような気もするし
胸を撫でおろしたくもな ....
わたしにはみずこがいる
それにいつからか名前までつけている
ときどきゆめにそのこがあらわれる
ベランダでげんきよくはねてあそんでいる
あぶないからと注意しても
わたしをなめているのだろう
....
またこの季節がきた
むかしの女から選挙の電話だ
感情が宗教にとりのこされてぽつんとする
勇気、無私、新たな地平、
どんな宇宙のものまねなんだろうか
宗教は、いや、宗教を選ぶということ ....
そんなことしたら
また再会することになっちまうじゃない
愛より弱いこと
ひとりひとり続けようか
大好きだった
いつもそばにいた
いまも影や轍
気にして生き ....
こんな顔をして家には帰れない気がした
ヨシミは自転車で夜を町を走っていた
お母さんをさがしてパチンコ屋さんをわたり歩いていた
カゴのなんでもバッグにケイタイがのぞいていた
目からなみだがあふれていた ....
カワバタとこんなにながく歩いた
ふたりともなにもしゃべらなかった
最愛ってなんだと思った
仕事がらカワバタはホテルに顔がきくようだった
いつも車に乗り込んでから食事かホテルでゆっくりした
....
乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた
いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ
水晶体に光景が////
湿った砂山
ふもとから
少しずつ掘ってゆ ....
タイから帰ってるはずのカワバタから連絡がなかった
カワバタを想うと滝の音と満月が濃くなった
さいきん心癖のように思うことがある
カワバタが独身だったらあたしはユキオと別れているのだろうか
....