すべてのおすすめ
ついこの前
サロンで御一緒したのに
無表情で「こんにちは」をした
人見知りのあっちゅは
比留間さんに
「可愛いこが来てくれた」と
人差し指でおでこをツンと
されて
....
市場の朝は早い
そこには人間の胃袋を満たすという生の根源に直結した欲望の匂いと独特のエネルギーがある
狩人が獲物を担いで去ったあとに残された空間は
歯の抜けた老人の
ように
手持ちぶさたの待ち人顔な ....
今夜は 里芋と蛍イカの含め煮にとか いいながら
包丁をおろされて ちょいとキレテちまって
↑やじるし うしなったけど 気にしない
おいらは ついこのあいだまで
竜宮城にいたんだぜ ....
おまえらあのときもここにおったんか
公園の遊具や木々に話し掛けそうになる
あの地震のときは震えたりしたんか
そんな不遜な言葉を投げ掛けそうになる
セシウム、テルル、ストロンチウム
キセノン、 ....
彼女は教授になりたくて
地方都市の大学の院に通っていた
そこで英米文学など学んでいた
いつも水いろワンピース
ほかにも付き合っている人がいた
彼女はたしかやっつ年上だった
あの日の彼女よ ....
うすくつもった無音
じゃれあう轍
だれかオレに
うまい珈琲をいれてくれないか
きょう傷ついたことなども
香ばしくてすっきりとした
あったかな気持ちにかえてくれないか
うすくつもった無音
....
こんな顔をして家には帰れない気がした
ヨシミは自転車で夜を町を走っていた
お母さんをさがしてパチンコ屋さんをわたり歩いていた
カゴのなんでもバッグにケイタイがのぞいていた
目からなみだがあふれていた ....