nonya


青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る

白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく

心は動かない
どこにも行ってくれない
沖へ向かって
投げようとした想いは
いつまでも足元にうずくまる

陽射しが背を向け始めた
季節がゆっくりと伏せられていく
波は押し黙ったまま
反復運動を続ける

限りなく繰り返される
回り舞台の上で
変わっていくのは
自分だけ

潮風は問いかけない
打ち寄せるのは答えではない
波は押し黙ったまま
反復運動を続ける

果てしなく繰り返される
自問自答の末に
錆びついていくのは
自分だけ




自由詩Copyright nonya 2011-08-27 10:18:54
notebook Home 戻る