桜が大勢で騒いだので
その周りで年寄りがころびました
電車もゆっくりめに走っています
窓の中の人もみています
新入生も新入社員も研修で
桜の中にはいってゆきます
どうしたら花になれるか ....
愛しい人をうしなったとき
海のさざなみをきくと
こころにぽっかりと穴があくような気がするのは
なぜだろう
もう戻らない想い出が
心を駆け抜けるわけでもなくて
愛 ....
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をも ....
ヨシミはカワバタとユキオのどちらが好きなのかを考えたことがない
ユキオとサヤマのときは考えてもいたような気もする
カワバタに借りたプルートウというマンガを読みながらその考えたこともないことをはじめ ....
大きな大きな
それはそれは大きなフルタさん
おじいさんのフルタさん
100年いつも
磨きに磨きぬいてピッカピッカの
黒光りがご自慢のフルタさん
おじいさんが生まれたときに
既 ....
空色が失われた夕暮れ
プラタナスの老樹は幾重もの
たわんだ ながい枝
微風が、
せわしなく滑り抜ける
教会につづく坂の並木は、
夕日に染められ
刈り込まれたばかりの
青い芝生の ....
なんとなく書きたくなったので。ざくっと。軽く。軽く書いたら怒る人は怒りそうだけど。今回は怒られるの覚悟で。ホームレスのことで思い出すこといろいろ。
※
とりあえず、正直なところ、こんな程度 ....
今朝よんだ本にかたいものがはさまっていて
誤ってのんだらしい
私のカラダの中を
ゆっくり ときどき急いで
まわるついでに 観察してるようだ
なんとかとりだそうと本を探してみる
巨大 ....
ぼくのせいで旦那さんが死んだことを
ぼくもそのとき死んだことを
奥さんが33ヶ月投獄されたことを
こどもの成長のためだけに奥さんが死ななかったことを
あなたたちのこころのひかりが
ほんとうに ....
正直しんどいんです
降りられるんなら降りたいんです
今すぐにでも
こう言っちゃ悪いけど
あなたひとりですよ
まだ何とかなるんじゃないかと思ってるのは
何かを成し遂げようとか
もう少し ....
それにぼくはふたをしたのか
みてみぬふりをしたのか
きもちをコントロールしたのか
あきらめたのかわからなかった
でもいまゆめのなかで
あなたのもうひとつのなをよんで
はずかしくて
ホ ....
日本でホームレスであるということ
マズローの欲求でいう生理的欲求を満たし
安全欲求をかろうじて満たしているひと
かろうじてとは
安全欲求を完全に満たしてしまえば承認欲求のステージにいってしまう ....
ヒエラルキーに隠された怪物たちの居所。それらは唐突に王に君臨する。
彼は決して頂点に立ちたかったわけではない。異形なるもの異質なるものは一人ぼっちで頂点に立つしかなかった。キュービックのなかでむ ....
風と風の合間に生き
雲と雲の隙間に
自由への憧れを見出す
我は旅人
行き着く場所など何処にも無い
それでも
旅そのものを求め
手をひろげ
....
{引用=
強力に肥大化された
扁桃腺状の
点々をたどって
歩いていく僕は小さく小さくくすんでいく
くすみきって泡になったら僕らは
母親と同体化するだろう
同体化した母の指が刃物を握る ....
波を追う波
何も無い青
影は淡く
砂を蝕して
艶の失い赤
光なぞる黄
高い葉が冷え
雨になる
雫の層が
睦み合う
空は順に
姿を捨てる
....
トイレに入って
便器にドッカと腰を下ろし
ブリブリと豪快に決めた後で
紙がないことに気付く
ついでに
水が流れなかったりもする
君にもっと細やかな心があれば・・・
いいや、いいのさ
細 ....
{引用=
どこまでも遠浅の海岸で
白波を追いかける明方
目覚めると涙を舐めていた
すぐ熱いシャワーで
洗い流そうとしたのに
いつまでも耳奥から波の音が消えずに
こんな音
溺れる前に ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
ねえねえねえってば
私がパソコンの画面指差してるのに
あの人は我関せずとばかりに出かけてしまった
公園の桜でも眺めに行ったのかな
パソコンの画面に目を戻せば何だか騒がしい
う〜ん ....
{引用=・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜が散る中
私死んで行くのね・・・}
最後まであなたの愛にすがって生きていたかった
少しは私に愛が残っていると思っていたのに
結局あなたは私 ....
処女の下着を脱がすみたいに
やさしく一枚一枚皮膚を剥いでいっては
シミの痕 ホクロの母斑
何も残らない生鮮な肉体を
あなたの前にさらけださせて
あふれだす粘液
真っ赤な舌でコロコロと舐めま ....
絨毯に虹ができていた
ガラスのテーブルのせいだろう
この世はひかりで出来ている
否、この世はひかりで見えている
否、この世はひかりのようなもので出来ている
テーブルはガラスで出来ている
虹 ....
障害者の弟がいる。
障害者の弟って、恥ずかしい。
昔から思ってきた。考えないようにしてきた。
消極的ではあるが今、正面に立つ。
障害者は当然、馬鹿にされる。子供の無邪気さは残酷で、仲間外れ ....
仕事を一生懸命するひとが人格者とは限らない
重要なことは考えないで決めている
酒は一日の疲れを酒の疲れにすり替えてくれる
家で飲む酒は川の水のように重い
永遠の緑は情熱の持続を教えてくれている ....
夜中に灯油をいれる
つばめが驚くから電気をつけられない
灯油をいれるもの
懐中電灯で照らすもの
ふたりで作業することになる
ひとりでできることなのに
つばめがぬくぬくとすごすために
....
やすみなさい
明日できることは
明日の楽しみ
だから
取っておきなさい
おやすみなさい
眠る君に言う
起こさないように
明日の君の
幸せのために
今日できること ....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
{引用=
繋ぎたい手をわざとに隠す
距離に焦がれる眼球を
胸に取り込んでベッドまで持ち帰る
ランプの灯りに意識を漂わせて
アルコールを一口舐める
(あの丸くて柔らかいの欲しいな)
(ホル ....
あの小山のてっぺんの公園に
十七のぼくは二十六の女と上った
ふとくてぐねったまっ白いアスファルトの道
したで買ったハンバーガーは
チーズの足腰のない冷えた匂いと
ピクルスと湿っぽいパンの淋し ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18