昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって

久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
僕は飲んだくれて
恵比寿の裏通りで、げろはいてた
何もかも上手くいってないのに
何もかも上手くいってるように
取り繕って
でも、今夜は酒を飲みすぎて
げろはいている僕
そんな僕をじっと見 ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
サハラ砂漠で夏眠中のカエルは
とてもつらい

遊牧民に掘り起こされ
厚い安らかな粘膜のシートを
乱暴にこじ開けられ
たっぷりと溜め込んだ皮膚の水分を
絞りとられるのだ

たいせつ ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
夏の空は不必要に青過ぎて
まるで現実感がない。
蝉の不協和音も陽炎も
在り来たりの遠さでしかない。
立ち止まって振り向いても
君が居ないのと同じように
希薄。


印画紙に切り取 ....
1.白馬の王子(わたしの巻き毛のリケ)

颯爽と白馬に乗って駆けてくる
巻き毛の王子は
ぶざまな小男でやぶにらみ
しかし王子がパチン!と指を鳴らせば

王子の姿は誰よりうるわしく ....
光の
光りはじめと共に
鳥が始まる
朝の


あと、少しなんだ
四角い窓枠がなければ、人間を忘れられる
身体がなければ、わたしを忘れられる


朝の
鳥が始 ....
戦争体験者の嘘つきども!
本当のことを言えよ
敵をやっつけてスカッとしたんだろ
アジアの解放に正義感を燃やしていたんだろ
国のために死ぬことを美しいと思っていたんだろ
俺はもう分かったんだ
 ....
鬱蒼とした山々の間
引かれたレールの上を
走る
蘇る鉄橋の
下では
おばあちゃんがこぼれる
谷川に近い公民館は
オープン
クーラーは無く
扇風機がぐるぐる
回っている
まるでお伽 ....
激しい睡魔に襲われながら三日月は
いっそ雨になれば良いのにと思っていた

軒先でギターを弾きながら渡辺さんは
一昨日見た夢を何とか思い出そうとしていた

渡辺さんの「246M」をMDで聴き ....
テレビ電話というものが発明され、商業的にCMに登場するようになってから久しいですよね。
原理的には簡単なものだと思うし、遠くにいる友達や恋人なんかと顔をつき合わせて話ができます。
「離れて住んでい ....
夏の釧路、日赤病院のカレーはくさっていた。

ぼかあうまれた。父ケイジ。母ミホコ。
イエス、ナンバーワンフル時計記憶のカナタ、
じいちゃんとそりすべり鼻イタ家帰りミーしたたる水てきすべりころび ....
最近妻のご機嫌がよろしくない
夜毎夫がパソコンで
やれDAHONのシートポストの軽量化だの
スギムラRCB-1の後輪のインチアップ計画だのと
自転車三昧なのを横目に見ながら
「今年 ....
地球の上をキスが回る

西サモアで、島の祭りに酔う恋人達が、夕闇にまぎれて初めてのキスをする頃
ブエノスアイレスの酒場では、疲れ果てた中年の男に、ウェイトレスがやさしいキスをし
セーヌ川の ....
 いまさらながらだが、まったくおかしな時代になったものだと思う。恐らく多くの人が感じていながら、それでも黙っているのだろう。二十一世紀という現代に生起する現象、人の思惑同士が交差し合い、とんでもなくお .... 竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く

ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う

のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
人が言葉を手に入れることができたのは、しっぽを捨てたからだ
ちっぽをつてたからだ
しっぽを捨てたかわりに人は言葉を獲得したのである
それまでのしっぽは心を表現していた
怒りや喜びを表すこと ....
クラシック聴きながら詩を書くと詩が3拍子になってしまう、
でも詩は4拍子のほうがいいから、詩を書くときは狂ったロックやテクノを聴くと言う人のことを思い出していた。
今日中にたどり着けない電車に乗り ....
失いし友の最期を求めつつ 
        訪ねた遺族も また 被爆者なり



ヒロシマの八時十五分 {ルビ時間=とき}止まり {ルビ六十年=むとせ}分の祈り捧ぐ




小さき ....
夏休みのプール
歓声の中
泳げないボクは
すみっこで練習

大きく
息を吸い込んで
顔をつけて膝を抱え
くらげのポーズ

ゆらあり
ゆらり

少しづつ
息を漏らすと
身体 ....
ある日、仕事を終えて
更衣室のロッカーを開くと
取り付けの小さい鏡の下に
お守りのようにぶらさげていた
5センチのくまのプーさんが姿を消していた

プーさんは
うまくいった日も
へまを ....
俺は「ありがとう」と言った。

朝起きてからずっと目の焦点が合わなくて俺は窓を開けて空は高曇りで
ノーテンキに雀が鳴いていて医者に電話をかけたら予約がいっぱいでど
うしてくれるんだ何か起きたら ....
ふりつもる夜の殻が
ふみしめるたび
かわいた音を立てて
砕ける
名前を思い出せない花の香りが
密度を増した湿度となって呼吸を
奪う
夜の果てにたどりつく
手っ取り早い方法は
眠りなの ....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 .... レジの上に置かれた写真立ての中で
歩き始めたマスターの子供が
両手を握り {ルビ膝=ひざ}をかがめ
階段から飛び跳ねようとしている

怖れを越えた先にある
未来の着地点を
澄んだ瞳で{ル ....
第一章 権利

 君をみたす酸素分子はさだめられた方角を見失うとき、霧となる。池のおもてで朝日が砕かれてゆくのを、君は燃える指でなぞる。どこまでが記憶なのだろうかと、問うこともしない。背後にあいた ....
今、生きている人間が必ず1度は経験する事柄があります。
全員、おしなべて、例外なく、絶対に、です。

それは、
この世に生まれる事と死ぬ事です。

人は誰でも、必ず親から生まれたから生きて ....
 あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 ....
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