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1.

手紙は書きかけのままテーブルの上で黴びてゆく。
青黴、赤黴、黴の色ってそんなに単純だったかしら。
ふくりと黴が起きあがる、
まき散らされる胞子は常に薄い紫で、
私の部屋はすっかり煙 ....
歌舞伎役者は
立っているだけで美しい
その凛とした立ち姿は
長い鍛錬の賜物だ

私の言葉よ
おまえは立っているか?
インターネットの言葉の荒野で
おまえは立っているか?  ....
 私が通った田舎の女子高は、昔はそれなりに名門の高等女学校だったらしい。しかし私が通ったころは、もうそんな過去の栄光など地に墜ちていた。そのころはまだ援助交際という言葉がなかったけれど、そんなことして ....  本ばかり読んでいて勉強というものをまるでしなかったので、学校の成績は芳しくなかった。テストの成績は悪くなく、進学校にも行けないことはない、と言われたのだけれど、いかにせん、遅刻と欠席の回数が多すぎ、 ....  お年玉の全額を本に変えるのが習慣だった。地元ではまともな本が買えないから、母の実家がある街で買った。母の実家は一応県庁所在地にあって、その周辺にはそれなりに書店や古書店があったのだ。一年に一度か二度 ....  夏が終わって、私はまた学校に行ったり行かなかったりの日々を過ごした。学校に行けばまあ成績は中の上、ほとんど図書室で本を借りるためだけに学校に通っている生徒だった。その当時、私には目も合わせないくらい ....  当時私が住んでいた町には、本も売ってる店が2軒あった。言っておくが書店ではない。「本も売ってる」店である。どちらの店に行くにも、自転車できっちり20分かかった。ひとつは、スーパーに隣接した、雑誌と文 ....  13歳の私は、キャプテン・フューチャーと火星シリーズと栗本薫の小説を愛した。それらの本はすべて母が母自身のために買ったものだった。母が買ってくる本はだいたいが私の趣味にあっていたし、面白くもあったの ....  11歳の年に、私の人生は暗転した。何がどう問題だったのか、私は詳しく書きたくない。私はそのできごとについて様々なかたちで詩にしている。勝手に想像だか妄想だかをふくらませてもらって、かまわない。ともあ ....  まず、母について語らねばならない。

 私の母は、かなりとんでもないヒトである。イナカ住まいの高卒のキャディーだというのに、創刊号からSFマガジンを購読し、本棚には中国文学と江戸文学とハヤカワ ....
最初に言っときますが、私にモラルとか良識とか常識とかコモンセンスとか(みんな似たよーな意味やん)を求めてはいけません。あと念のために言うときますが、私は、趣味のガクモンで俳句と民俗学をやり、一年に一度 .... 私の仕事はガテン系なので、仕事中は、いわゆるカーゴパンツ、動きやすく、大きなポケットがいっぱいあるズボン、それも男物を穿いている。男物の服のポケットは、女物のそれに比べると段違いに大きく使いやすい。財 ....  私はもともとマンガが書きたかったヒトなんだけれど、絵がぜんぜん描けないのでやめてしまった。しかたないので小説を書こうとしたけどうまく行かない。どうしてうまく行かないかとゆーと、10枚くらい書いたとこ .... 1.白馬の王子(わたしの巻き毛のリケ)

颯爽と白馬に乗って駆けてくる
巻き毛の王子は
ぶざまな小男でやぶにらみ
しかし王子がパチン!と指を鳴らせば

王子の姿は誰よりうるわしく ....
俺は「ありがとう」と言った。

朝起きてからずっと目の焦点が合わなくて俺は窓を開けて空は高曇りで
ノーテンキに雀が鳴いていて医者に電話をかけたら予約がいっぱいでど
うしてくれるんだ何か起きたら ....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 .... 窓ガラスがかたかたと鳴るのは
風のせいではない

カーテンが明るさに焦げているのは
西日のせいではない

窓に背を向けて本を読み続ける
誰かが肩に手を置く
焦げた風が髪をちぢらせる臭い ....
{引用=私イコール作者だと信じる純朴な読者は、読むな。}


夫のいびきが隣の寝室から聞こえる
ここは私の部屋で ここにあるのは私の取り分
大きな書棚 たくさんの本 オカリナ ちゃちな顕 ....
子どものころの私にはロールモデルがなかった。こうなりたい、という目標がぜんぜんなかった。高校生になってからは国語教師(女)に憧れたり、パティ・スミスになりたいなーと思ったりしたこともあったけれど、現実 .... なぜか怖いもの気色悪いものが見たくなり、グロ画像を探してまわった。でもあまり怖くない・・・気持ち悪くさえない・・・これはいけない。と思って楳図かずおの『漂流教室』を読みかえしたらやっぱりいつものように .... 「ケメ子の歌」を聴いて笑うのはかっこわるい。「帰ってきたヨッパライ」を聴いて笑うのもかっこよくない。音楽聴いて笑うなら「君だけを」だ。マジメに歌ってるやつを笑って愛でるのだ。それがキャンプだ、と鈴木い .... 壊れかけたラジオが
なぜだか中国語の放送だけを受信する
意味はまるでわからないが
聞き覚えのある声だ

演説口調に冒されて
空間は異次元的に歪んでゆき
西壁はすっかり半透明の灰色の寒天に ....
赤らんでゆくトマト、
緑に染まってゆくピーマン。
畑のトマトはトマトくさい、
畑のピーマンはピーマンくさい。
八百屋で買ったピーマンを台所で切る、
ピーマンの匂いがしない。
当たり前かもし ....
左川ちか作品のアーカイブです!
全詩集が手に入らなくて泣いてた人は、読みに行きましょう。
そうでなくても行きましょう。

http://soredemo.org/archives_sagawa ....
おまんが目覚めたのは桜咲き誇る春であつた。
おまんの目に{ルビ呉葉=くれは}の顔が映つたときは、
こゝがあの世と云ふものであらうかと思つた。
さうではない、こゝはこの世だと気づいてなほ、
おま ....
乱れた裾をからげて、
少女は細い山道を下る。
淡く青い春の匂いが満ちている。
その春の匂いに、
突然あまく重苦しい香が入りまじり、

 こむすめ。
 こっちに来い。

声の主はと探せ ....
信濃路にその名も高き戸隠の、
{ルビ白峰=しらね}の雪は幾重に積り、
今はいづこに紅葉やある。

 夜はよい、昼よりよい、とおまんは思ふ。
 からかひ囃す子らがゐない。
 後ろ指指す大人も ....
雑草という草はないのだが
雑草と呼ばれているので
雑草なのである
雑な草なのである

腰をかがめて日なが一日
その雑な草を抜く
はこべたんぽぽすべりひゆ
のぎくになずなほとけのざ

 ....
また少女監禁事件があった。と書いてるあいだにまたあるかもしれない。というよりも、今この瞬間、誰かしら監禁または軟禁状態に置かれ虐待されて辛い目にあってると考えるのが冷静な見方だろう。報道されることだけ .... あのひとはあそこにいるのだと
思い馳せてみる二日月の夜

量子テレポーテーションの実験成果を問う
いたって事務的なメールを受信し
月の裏側での勤務を希望する
いたって事務的なメールを送信す ....
窪ワタルさんの佐々宝砂さんおすすめリスト(110)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
姿見のうしろの物語- 佐々宝砂自由詩12*06-5-13
詩論以前- 佐々宝砂自由詩12+*06-5-5
異形の詩歴書_高校編その2- 佐々宝砂散文(批評 ...306-4-18
異形の詩歴書_高校編その1- 佐々宝砂散文(批評 ...406-4-18
異形の詩歴書_14歳冬- 佐々宝砂散文(批評 ...406-4-18
異形の詩歴書_14歳秋- 佐々宝砂散文(批評 ...706-4-16
異形の詩歴書_14歳春- 佐々宝砂散文(批評 ...606-4-16
異形の詩歴書_13歳- 佐々宝砂散文(批評 ...606-4-14
異形の詩歴書_〜12歳- 佐々宝砂散文(批評 ...506-4-14
異形の詩歴書_〜10歳- 佐々宝砂散文(批評 ...506-4-14
意志でなく運命でなく(愛国心について)- 佐々宝砂散文(批評 ...4*06-4-13
いつもポケットに詩人- 佐々宝砂散文(批評 ...12*06-3-31
昔の駄文「詩の人称について」- 佐々宝砂散文(批評 ...7*05-11-12
幻想の王国_あるいは_詩権神授説- 佐々宝砂自由詩505-8-16
踏みのめらかし踏みすべり- 佐々宝砂自由詩7*05-8-1
オレオレ率と吟醸度- 佐々宝砂散文(批評 ...20*05-7-28
八月の西の窓- 佐々宝砂自由詩705-7-19
鏡を割りたくなるわけ- 佐々宝砂自由詩15*05-7-16
詩人ですもの- 佐々宝砂散文(批評 ...13*05-7-7
きょーふのこんげん- 佐々宝砂散文(批評 ...11*05-7-5
鈴木いづみが教えてくれた- 佐々宝砂散文(批評 ...7*05-7-4
虫への恋文- 佐々宝砂自由詩505-6-29
畑の匂い- 佐々宝砂自由詩705-6-17
左川ちかアーカイブス- 佐々宝砂おすすめリ ...11*05-6-6
おまん瞠目(おまんとくれは、その参)- 佐々宝砂自由詩205-5-29
春紅葉(おまんとくれは、その弐)- 佐々宝砂自由詩3*05-5-29
おまん瞑目(おまんとくれは、その壱)- 佐々宝砂自由詩205-5-29
雑な草- 佐々宝砂自由詩305-5-17
私が子どもを殺さない理由- 佐々宝砂散文(批評 ...305-5-17
星涯哀歌_3- 佐々宝砂自由詩6*05-5-8

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