すべてのおすすめ
二ヶ月ぶりに会って
しばらく動けなくなるくらいのセックスをしたあと
夕方にゆっくりと起きだして
二人でシャワーをあびた
あなたのマンションのユニットバスは
浴槽がとても小さくて
ど ....
歳をとって丸くなるってヤツァ
石が川を流され流されてゆくうちに
丸くなるのと似てやがるよナァ
いつか俺も人生ってヤツを
乗りこなしたり、流されたりしちまってヨォ
ちっちぇ石に成長する ....
クローバーの海に沈みながら
流れてゆく雲を見た
雲がちぎれ また別の雲に繋がり 空の色に染まり 風に操られる
疲れ果て
クローバーの海に身を任せ
四葉を探すついでに
忘れていた涙を地球にあ ....
まぶたのうえから
なぞる
いたみを
きみは
またしらんぷり
くるしい
ことば
むねに
しずめて
ふりかえり
くちつぐみ
またあるいてゆく
いっぽん
す ....
あなたの
よるを
こえた
ゴールは
しずかなもの
いまはまだ
だれにも
いわず
そっと
あなたを
おしむの
わたしの
かなしみは
だれにも
せおえない
あ ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
非現実世界と現実世界
狭間に捕われの身
いたい
頭から脳を吐き出して
腸をしっぽみたいに引きずって
サルになる
人間にない苦しみに目を瞑って
不恰好なサルもどきになる
人間にはなれない ....
私の家には、かあさまととうさまと私の妹が住んでいた。
かあさまのゆりかごはいつもの窓辺でゆれていた。
その窓辺からは心地よい風だけがかあさまに吹いた。
ゆりかごに座ったかあさまは、瞳を閉じ ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
とかげの足音を拾っていくと
「かげろう」と呼ばれる庭で行き詰まった
兄さん
あれは生き別れの兄さん いいえ
姉さんだったかもしれない
が、
見えたりもする
通りすがりの犬 ....
ぼくらは
たがいの
ふちの
うえに
たつことは
あるけれど
その
ふちの
そこは
きっと
ひとり
ひとりの
ばしょで
きこえては
いるけれど
ぼくしか
....
みんながちゃんと
よけて歩くような穴に
簡単に
落ちてしまう
気をつけて
歩いているはずなのに
でも
やはり
落ちてしまう
穴の中で
「ここはどこだろう」
「暖かいか」
....
とざしたまま
あがいていた
なのに
わかって
もらいたくて
しっていることと
そのようにあることとは
ちがうのだと
ひとりの
みずは
かりん、と
こおった
きみ ....
我々人類の起源については諸説あるが、我々がこの惑星トピアに本来存在する生物でなかったことは、人類にのみDNAが存在することや、トピアの生物群が持つコンドリミトアを人類だけが持たないことなどにより明白で ....
はるか
遠くから落ちてくる
手袋の記憶を
あなたが
持っていたとしても
それは
あなたの
責任では
ありません
あなたが
ベルギー産の
山羊の肉をとてもとても
好きだっ ....
明日は燃えないゴミの日だから
人をまとめて
玄関に置いておく
翌朝
人はバラバラになっていた
どうも統率に欠けている
これでは回収してもらえない
結局 ....
あなたが本の真似事をしている
ぱらぱらページをめくると
良いことが書いてある
わたしは少し良い人になる
わたしも何かを伝えたくて
ささやきの真似をしてみる
音のようなもので
あな ....
1
正直、高校を卒業した時の成績はよくなかった
偏差値にして40前後
空を飛ぶ試験にうかるには絶望的な数字だった
なにしろそのころ
空を飛ぶための試験を通過するには
偏差値にして6 ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
誰だろう?誰かに見られてる。おかしい。ゾクゾクする。
男だ、と思う。わたしは女だから、見ているのは、たぶん。
わたしは、うつくしくない。いわゆる美人さんではない。
わたしは男に見られることは少な ....
青白く照らされた
黒い水の入った水槽に
恍惚を沈めた
ら
すぐに浮かんできた
酸素が足りないみたいだ
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
オレンジ色の光が
揺らいだり翳ったりするのを
目を開けることもなく
ただ感じていた
あなたは
薄い壁越しに私を愛撫する
そのたびに光は翳り
わたしは波に揺られながら
あなたの手 ....
(母に手を引かれて歩いていた幼い「私」は
母になにかを言いたかった でも
母の耳ははるかうえにあり
声が届かない気がして
またうつむいて 光るアスファルトを見ていた ....
入院病棟の生暖かい清潔な
空気を吸いこみ眠る
窓の外に見える
看護師寮では
真夜中にドアが何度も開閉する
夢を見るほど深くは
眠れない午前三時
静かに誰かが走り
病室の前を駈け抜ける
....
今日はとてもひどく雨が降っているので
透明人間について考えることにした
つまり
自分の器官を透明にすることは
どうやっても不可能なのだけれど
....
友人の部屋の隅っこに
ネジが一本転がっているので。
「このネジ何?」
「どうやら俺のものらしい」
拾い上げて見ると確かに友人の名前が書いてある
「そりゃそうだろう、お前の部屋に落ちて ....
夜空を往くものがいる
丸く小さくひかって
星よりおおきく
飛行機より小さく
月の無い空を
意思もって動くものは寂しい
水茎を行く天道虫の意志
生きて動くものは寂しい
林檎 トマ ....
窓をあける
蠍座がみえる
もうそんな季節なのだ
夜明けまえ小さな田舎の駅にも明かりは点り
どこかからきてどこかにゆく青い電車が
轟音を引きずってゆく
さよならを言うまでもなかった別れ
....
たろうが好き
たろうが好き
好き
好き
一番好き
何よりも好き
好き
たろうの癖も
たろうの嘘も
すべてを知って
いるつもり
つもり
つもり
つもり
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10