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耳をつむっているのです
だから見えます
あなたから生まれる
静寂の波
唇が動く
同じ距離にいたら
同じ速度で響いた言葉を
出来るだけ離れて
平等な冷たさをもって広がる
波 ....
動かないで
うっかり逆鱗に触れないよう
紅を差してあげる
私の部屋に浮かび揺れる
赤い花びらに
首を傾げる友達
透明な竜を飼っている
躾はいいほうだ
私の帰りが遅いと寂 ....
ちががね、
(血がね、といいたいのだ)
ちががね、びよきだからね
あかちゃんのときからね
そうなの、ずっと
少女は枕に片頬つけて話す
ぼくは少女の枕に腰掛けている
ち ....
オレンジ色の光が
揺らいだり翳ったりするのを
目を開けることもなく
ただ感じていた
あなたは
薄い壁越しに私を愛撫する
そのたびに光は翳り
わたしは波に揺られながら
あなたの手 ....
流れたくない、と
川がつぶやいたのを
聞いた詩人がおりました
詩人は
風が流れる詩を颯爽と
星が流れる詩を朗々と
時が流れる詩を粛々と
うたい紡いでは
流れる素晴らしさを川に説きま ....