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ああ、またここから、始まる

無意識にながれる所作に
ときどき
生まれる、感覚
蛇口をいきおいよくひねり
じょうろへと水を注ぐ
そんな、とき

朝が、
おとといよりも
昨日よりも ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる

新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る

夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
ぴんと張った背中を
つむじ風が
らせん状に、なでて
どうしてか
しのび足でわたってゆく
ので
今いる場所がほんとうは
うすい
一枚の氷の上なのだと
冬が深まるごとに、気づく


 ....
ところであなたは
どちらにお住まいですか

たずねると
その人は、
ビー玉沿線ですよ。
とだけ言って
ころころ笑った
笑いながら
ころころすれ違って
ふり返ったときには
もう
 ....
きみ
図鑑にのってるよ
知ってるかい

きみだけじゃない
ぼくも
きみの、
ぼくの、
おとうさんも
おかあさんも
きみの赤ちゃんも

さっき
赤ちゃんの手の甲をペロリとなめた ....
かつて
わたくしは
花、だったのですよ
よろしければ
咲いてみせましょうか


言うと
水、のようなそのおかたは
しなしなとゆびを左右に
ゆらして
ていねいに
それをこばむ
 ....
雨上がりの図書館で:白紙のページにnadaと記す(終了)

電子レンジの中のハエ:電送:そして融合
組み替えられた献身:感情は進化する
延長された賞味期限:ラベルは貼り替え可能
(シリカ ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....



よるはむらさきまひるはみどりあなたはましろにきえにゆきそぞろなゆびさきはまどいふるえる


煌々とぼんやりと嗚呼輝く月は秩序ある虚無を愛でる此の魂の止まり木


霊的な不変真 ....
昨日、嵐だったんだ。



そうなの。



たくさん死んでる。



そうね。
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない

〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
こんなにがらがらの夜の電車の座席で、車中にたったふたりのうちのひとりのあなたの傍に座ってしまった私ですが、でも別にあなたの事なぞ全く気にかけてなんていなかったのです。
ただ、それなりに規則正しい振動 ....
わたしに
大切なものが
ひろがって
あまりにも
ひろがって
霧みたいに素敵に
人々がとおくなる

わたしは
あなたをおもうほど
麻酔していく

打たれるのだ
構内放送に
笑 ....
その皇子
東へ進軍し
その剣
雲を斬り
丘を割き
沼を埋め
戦に次ぐ戦
謀殺に次ぐ謀殺
返り血の乾く間も無く
川にかかれば妻を売って渡り
海峡にかかれば妻を売って船を買い
船を打 ....
僕らは嘔吐されたポトマックだ。
トーストとインスタントコーヒーで朝をはじめる。
そしてすぐに夜がくる。
僕らは昼をビッグマックでやりすごす。
(人はマクドナルドのみにて生きるにあらず)
 ....
指にはさまれた紙片はガラスの破片のように鋭利に
あなたの皮膚を切っているらしかった
あなたの体液はきっとすこし酸っぱいのだろう
あなたの指を舐めている蛙は
横に広いはずの口を丸めている

 ....
赤ちゃんがあまり泣くから頭が痛くなってしまって
鎮痛剤を2錠飲んだのだけれど治らなくて
もう2錠飲んだらついうっかり眠ってしまったの

目をさますと 部屋中に片づけてない洗濯物
たっぷりウン ....
学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を ....
?.

{引用=
「俺は白だ!」空が泣いていた。空は自分のことを白色だと信じて疑
わなかったのだ。「違うよ、君は青色なんだ」「嘘ばっかり!」どう
しても聞いてくれない空に、僕は鏡を持ち出した ....
少年は
旅に出た

真っ白なノートを
一冊持って

そのノートに
この世のすべての言葉を

すべての意味を
書くために

街には
言葉が溢れていた

朝には朝の
 ....
辞書は本当は辞書になんか
なりたくなかったんだよ
本当は絵本になりたかったのさ

だから、辞書は本棚で寝ている間
書かれているすべての文字を
手荷物預かり所に預けて
夢の中で
 ....
午前3時33分33秒になったら
こっそりと本棚から
辞書を取り出してごらん
 
99頁と100頁の間に
もう1頁できていて
そこにはとても大切なことが
書いてあるから
 
で ....
青く揺れる影
むせかえる油絵の具
染まりゆく
ある日見た青空に、こがれて
狂人にも似た欲望で
部屋中を空への入り口に変える
ある日
寝返りをうったぼくの頭は不自然に沈んだ
ベッドに現れたのは
突然できた頭ぐらいの大きさの穴
光や他人の存在に敏感で
消える穴

使い道は分からない

ある日
仕事で大失敗
 ....
耳をつむっているのです
だから見えます
あなたから生まれる
静寂の波

唇が動く
同じ距離にいたら
同じ速度で響いた言葉を

出来るだけ離れて

平等な冷たさをもって広がる
波 ....
あの日

君と僕があの日拾った木の実の種は

同じように見えていたけど

そのうちに

芽が出て

葉がついて

茎がやがて幹になるころから

どちらの思いも

お ....
最近

この間近に、海は無く    
無く

シャワーを止めた後の排水溝

  髪 からまり つらくもつれる
僕の渦


   鳴門の渦潮を
   鳴門の渦潮を
   見たの ....
ゆっくり服を脱いで
ここは最上階で
ほくろの位置は秘密で
わたしはあなたとベッドに入る
暗い暗い部屋で
わたしはわたしを
見せたくない

あなたはわたしのともだち

外の夜景を見る ....
暗い道に
落ちているもの

気になるけど
拾わない

これまで何度も
何度も
拾った

それらは拾って持ち帰ると
どれも
黒くなった
わたしは悲しかった

暗い道に
落 ....
溢れてきそうになるのを押しとどめる
知っているのよ
どんなに飾りを施しても
身体を血が滲むまでこすり洗い落としても
水は透明にならない
いつまでも黒いままで
私以外はもう気づいているの
 ....
たかぼさんの自由詩おすすめリスト(296)
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