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バスドラムも叩けない
自分を応援して
くれた皆
エレクトーンは習ったのに

もちろん指揮者にはなれない
拍子も数え間違え
シンバルの音で演奏停止
人数合わせの為にいる

演奏会は晴 ....
小さく咳をして
教室に吸い込まれる
革靴だけが吸い込まれずに
僕のいない廊下に取り残される

「大学の勉強などいったい何になるか」
これは本質的な問いなので歓迎されない
チョークで汚れた ....
つかまえることの出来ない
角の取れた風が丸く波打つ

花ごと落ちてしまったつつじが
こつ、こつと小石にぶつかり
涼しい上流から泳いできた

花街にいる女性の唇のような
程よく熟した艶の ....
春が来て
世の中が明るくなり
手をたたこう
声を呼ぼう

鼻歌歌って
口笛吹いて
首を振って
リズムに乗ろう

夕陽に向って
両手を広げよう
うたた寝したら
夕飯だー!

 ....
「寒いと涙が出るのよ」

視界はこんなにもやわらかいのに

肌を突き刺すような気温、風



散歩に出かけても

猫に出会えなかった



濃い珈琲を舌にしながら

見 ....
太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っていて
「笑って」
と、ほほえみかけてくるのです

大切なものを失って
すべてを噛み殺して
悲しみよりも深くたたずむその人の
かすかな ....
私たちは自由で

行こうと思えば

どこまでも

どこまでも

行けるんだ

雑踏の中

現在地を見失いそうになるけれど

やりたいことは

全てできる

だって
 ....
窓に映る窓 沈む窓
手首から土
幾度もひらく
白く小さな花火のはじまり


光なく光ある
言葉の淵の舞をすぎ
針を静かにつつむ手のひら


大きな銀の鳥
唱と踊 ....
事故により遅延

そのひと通りの連絡を終えると

遅延証明をしおり代わりに

読みかけのコクトォを閉じた

いつもなら

行き着く時間

行き着く場所にいるはずの私達は

 ....
俺はどこへ行った

都会に塗りつぶされたか

常識が通じない

言葉がおかしい

話が噛み合わない

ついて行くのが

最近ツラいよ

俺が俺で無くなる瞬間を

この心 ....
ひざ小僧
どこの小僧か知らないけれど
みんなが知ってるひざ小僧
スカートの下でかくれんぼしてる
いやらしいなぁ

だけどね
転んだときに一番傷つく
ひざ小僧
私を助けてくれるから
 ....
強くなってきた日差しの下
春の病の下

方程式を何度も繰り返し解きながら
来ぬ便りばかり気にしながら


瞼の裏の宇宙で探し物をしながら
深夜の隅っこを探して
旅をしている・。

 ....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる

太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている

 ....
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
 ....
大切にしてきた心
ホラーは見ない
汚い言葉は使わない
嫌な人とは話さない

美しいものを見て
正しい食事
正しい考え
正しい人間関係

愛は出しおしみをせず
いつも笑顔で
今日 ....
生きることは
漂流することだ

海路は
はっきりと見えるものではなくて
だから時々迷ってしまったり
沈んでしまいそうになる

大波にさらわれたら
口からぷくぷくと細かな泡を吐き出し
 ....
今日はゾロ目の日
だから記念の投稿

ただそれだけなんだけど
ちょっぴりうれしい

今日は子どもの日だから
紙飛行機を飛ばそう
青空にとけて
雲になれ
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
 ....
みんな輪になって
みんな心を合わせ
みんな一つになる
みんな愉快になる

花に水を上げましょう
花壇に花を咲かせましょう
ラッパズイセン、ペンペングサ
楽器もつければなお楽しい

 ....
{引用=空を描いてクイックターン、
ビルとビルの狭間で
きみはとてもしなやかに
うつくしく、

透明だけど色がある
ゴーグルはすきじゃない、
ただよっているさかなは
酸素がなく ....
{引用=いきなさい}
そう言われて
ここまで来たと言った

うすぼんやりとした目の奥で
覚えていた景色はたぶん
泣いていたのだと思う


赦されないと解っていたから
一度も振り返ら ....
金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った

確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の ....
シャボン玉
悲しい歌とお母さんが教えてくれた
風々吹くな壊れるな
虹色に揺れながら
くるりと回って
弾けて消えた

洗濯のりを入れると壊れないよと
お父さんが教えてくれた
だからね
 ....
湖面にさざ波が立って
透明な魚がうまれた
それは夏の風
開け放した窓に
大群となって飛び込んでくる

君は薄い身体を持つ
果物をひときれ口に入れる
今朝もあまり食べないんだね
病んで ....
芝生の上で
ファーストキッス
ラブレターの嵐
家の前に犬の散歩

マフラ
バインダー
ビーズ細工
チョコ

秘密の会合
フォークダンスで握った手
待ちぶせ
人造ルビーのお守り ....
夜明け
窓から冷たい空気を
迎え入れたとき
君に恋していたことに気づく

吐く息が白く
一瞬雲になり消えていく
君のいない空の向こうに

なぜ
夏でなくて
この冬の季節に

 ....
叶わなかったものを
あした、と呼ぶことにした

ガラガラで出てきた白い玉
おじさんが残念でしたとティッシュをくれた
列から離れるとラッパの音が揚々と響く
真っ赤な自転車を当てた女の子は
 ....
まだ春だと言うのに
焼ける万華鏡の景色


溶けていく




まだ碧き獅子の
輪郭が弧を描いているのに


溶けていく






降り続 ....
昔 大きな戦いがあり
そのせいで手首の骨が曲がったままついている
と祖父が言う
痛かった?
そりゃ痛いよ
(おじいちゃん人を殺したの?)
とは聞けない
昔 大きな戦いがあり
みな人を殺 ....
喫茶店の窓で
貴方が来るのを待って
知り合いの店で
デザートをサービスしてくれた

大人になって
それぞれの好きな道で
ちまちまと稼ぎ
ストレスに弱い二人だった。

君は痩せ
僕 ....
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