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シュッと宙に向けて突き出した切っ先が
目に飛び込んできた
暗い展示室にひときわ輝く一振り
研ぎ澄まされた刀身が
強いスポットライトを跳ね返して
銀色の光を放っている
思わず吸い込ま ....
心の晴れ間は錯覚だから
いつも本当はどんより曇った空より
淀んでいること
誰も知らないわけじゃない
知らないふり?
できるわけない
心の中なん ....
深い傷 浅い傷
大きい傷 小さい傷
ずきずき痛む傷、甘酸っぱい傷・・・・
どれもこれも、私の体に残っているものならば
全て抱いて生きていこう
ひとつひとつが 生きてきた証だから
失いた ....
ゆきちゃんは あさ
かさをさし 長靴をはいて
雨のなかの花にあいさつする
話しかける
おじぎをする
おはよう さようなら
きょうなにたべるってたずねている
....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く
手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく
南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶
傷つけたこと ....
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2012年5月21日 ほぼ晴天
本日待ちに待った「金環日食」だ
日食観察用メガネとスマホを片手に
あたしスタンバってます!
わくわくわく ....
赤い 熊出没注意の看板の右端上に
白い小さな張り紙で「最近」と補足されている
死ぬことより死に方が問題だ
熊に食われるのは天罰のようでどうもいけない
残された妻と子が葬儀の席で困ってしまうだろ ....
ぐずぐずな ちへいが
のぞめるおかのうえにたつて
まちからやつてくる
うつうつとしたひとのれつと
あれのに おりてゆく
ぐつぐつしたひとたちを
みおくる
ぐずぐずぐつぐつ
ぐずぐ ....
向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか
向い風が容赦なく
わたしを地 ....
会社をたたむと決心して以来
もののたたみ方に注意するようになった
これまで自分でたたまなかった布団を
たたんでみたりするようになった
いつもはそこら辺に放り投げている
パンツや靴下もたた ....
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる
赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている
【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
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おいらは鈎にぶらさがったあんこうさ
口からいっぱい水を呑まされて
ぶらさげられて
身を削ぎ落とされる
皮も
鰭も
胃も
腸も
....
巡り来る日々と
ぼくらの幼い憧れとの隙間から
木洩れ日のように降り注ぐ光
聴こえて来るだろう?
光の後ろ側の国から
あの/弾む息が
リズミカルなステップが/
国境線で
少女 ....
いなかみちを ふつうに歩くと
つくしの基地があるよね
勘で解るよね
え わからない? あらそ
スーパーの文房具コーナーを ふつうにあるくと
「こころばかり」という封筒は こわ ....
宇宙ぐらい叩き割ってやんよ! #poem24
星々が金魚の餌に春宇宙 #poem24 #jhaiku #haiku
駅前の宇宙漂う螢烏賊 #poem24 #jha ....
腕時計は 貴方にとって どんな存在?
と言う 問いに
どう応えるかの 心理テスト
インパクトが有るものは
覚えてるんだ
無くてはならないモノ
無くても良いモノ
各々が 好き ....
穏やかな風は
温かく吹く
愛したひとのように
やさしい微笑に似て
桜は待ち兼ねた蕾を
綻ばせ柔らかく咲く
だけど だけど
僕は今ひとりで
陽溜まりのなか
春はいつも別 ....
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月の光が燦ざめく
まだ春浅き夜更けのこと
女が独りで死にました
誰にもみとられず
たった独りで息絶えて
時計の針は零時で止まったままに
....
家を出る時に
ちらほらと
降り出した雪が
そう時間をおかないうちに
吹雪いてきた
三月もなかばだというのに
フロントガラスに
積もってゆく雪を
ワイパーでどける
ラジオか ....
耳をすますときは
手と足が
とまる
だれにしたって表情が凝固して
仮面になる
手配写真のようにだ
音がするほうに
むける
....
ある朝、霧の中に立つ少年に
旅人は声をかけました
「何をしてるの?」
「霧の向こうのお日様は
銀の鏡のようですね 」
「私も銀の色をした、一つの石を持ってるが
あ ....
闇夜の風景の中
自分が生まれて初めて見た月光は
生家の隣の空き地に聳える
土手の上の屋敷の樹々
梢の葉の茂る隙間から
サーチライトのように照らされた
幼い自分の心臓を鷲掴みにす ....
むかしあるところに不思議な植物があった
あるひとの ゆびのおとが ぱちんとなったとき
その植物は ビールになった
その不思議に人々は笑い 手をとりあって 酔いしれた
むかしあるとこ ....
腹をすかせた人に
必要なのは
おにぎりであろう
一篇の詩など
あったところで
なんの役にも立たないのだ
心に空洞をもつ人に
必要なのは
一篇の詩であろう
おにぎりのように
それ ....
{画像=120303011011.jpg}
雨と風が一緒に顔にかかって
少し髪を濡らす交差点に
ぼくは独り君を想い立っているよ
君がいつもしていたリュックの色は薄い緑色で
不思議 ....
あい変わらずぼくは
かなしみを知らなかったから
トーイチに会いにゴミ捨て場へ行った
夜中に網小屋まで降りて来て
悪さをする星どもなら知っとるがの
じゃが かなしみは知らん
カン女に ....
あの人が
私に 言ったの
あれは 未だ
出会ったばかりの頃
だったかな
一緒に歩もうと
決めた後 だったかな
もう どっちだったって
良いんだけれども
アナタの名 ....
母ちゃんと旅に出る
鞄に歯ブラシ、着替え、切符と
最後にわくわくを詰めて チャックを閉める
朝一番のバスに乗り込んだ
母ちゃんと座席に並んですわる
乗り物酔いの薬あるよ
切符は持ったか ....
歩くのはいつも なまの義足
寄木細工のじん帯をか細い骨で震わせながら
足裏に
肌合いのわるい
なじめなさを押しつけても
二つのものが 交互に役割を担うから
どこか
と呼ばれるcell(セ ....
十二月の夕暮れは突然やってきて
時間の無い坂道を上って行く
左手に灰色のニコライ堂が聳え
覆い被さりながら
聖橋の先には聖堂の黒い森
神田川もJRも跨ぐ聖橋
暗いトーンの夕暮れから
....
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