青い空を切り取って
それも丘に埋めたのだ
まるでお前の目のような
きれいに澄んだ青空を
果てなく自由な青空を
閉じたお前の目の為に

春が来れば
硬くお前の口一杯に
詰まった土も温も ....
私は男なのに大概
女の方から誘って来ます。
いつも受けている。
時々振ります。

基本的に皆断わりません。
自分の方が不利になっても
断わりません。
そしていつも振られます。

振 ....
その夜そらは光の雨で満たされて
彼方の丘の上にまたひとつ星が突き刺さり
まるで堕ちてゆく天使のようにうたいながら
ことばのかけらのように降り続けるのです

こえにならない声がきこえて
胸を ....
カモミールティーを水の様に飲む

ラベンダーを鼻の奥に記憶させるくらい嗅ぐ

 どこかの民族系の音楽をイヤホンに差し込む

安らぎを懸命に起こす

呼び起こす 安らぎを

 それで ....
「つばめ」
          木の若芽

雲の流れる川が少し明るんだ正午
雨がすむその奥から小さな点があらわれ近づいてくる
あれぞ 勇気の鳥 つばめは
雨ぎらう空をみごとな滑空 また上昇 ....
「美事な意地」
             木の若芽


告白したい

みんなを愛しているのに 一人でいたい
つながりたいのに 孤独を求める
感謝していながら 愛想がない
人でありなが ....
あなたの視界の片隅に浮かぶ塵だから

息を吹きかけてくれるとうれしいよ



(それだけで舞い上がれるだろう)







大した重さも持っていないから

そ ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて

物思いに耽る蛙と
草むらに潜む

文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて

何を読みたいわけでもなく
 ....
また新しい朝をもらって

水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる

足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる

有る ということについて
猫の前足の ....
甘い誘惑はわたがしみたいにあたしにまとわりつく
でもね、いいことないみたい
苦い薬はね、頭にくるけどいいみたい
だって、ほんとのこといわれてるもの

おとなこども人は何回もそれをくりかえして ....
 
わたしを救いたいなら

あの月を涙でくるんで

そして、ピアスにしてください



 
くらやみを大きな箱でまっすぐ
ぐねぐねと 山越え
べっどたうん に 帰る
疲れた背中たちをみている
眼は うつむき 遠くを見てる
あきらかに この中に明るみはなく
ただ ....
こがね色の麦畑に群がる恋心 戯れる
少女を追いかける青年の瞳は 青い

少女が戯れるのは 恋を問えない みつあみ

何が嬉しいのか さやさや揺れる 麦の穂の温もり
何が楽しいのか 微笑む少 ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
「太陽に向かって手を伸ばした」









立ち尽くしてる


長い間




胸の奥に埋まってて


時々痛い



 ....
 月一回の古新聞の回収に向けて、必要なものをより分けてそれ以外を束にして収集所に出す作業に追われていた。どうにも捨てにくいのが、週一回配達される英語学習用の英字紙(※1)だ。英語そのものにずっと関心が .... 夜に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
闇夜になるのが
淋しくて
誰かを想わずにはいられない

星に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
たったひとりで
何億光年旅をして
誰 ....
 私は苺を潰して食べるのを無上の喜びとする女です。完全に潰すのではありません。
 いうなれば半殺しです。苺を半殺しにするのです。
 半殺し、などと、物騒な言葉を知ったのは、お彼岸の時だと記憶してお ....
ひらひらと、あたしのうろこがひかる

海の光と、空のひかりに

ひとつづつとしをとってゆくと

かたくかたくなってゆく

こころをまもってゆくんだよ

こわれないようにね

ぎ ....
王国に
オカリナの音が響き
それを合図に
門が開かれました

死者にはもう悲しみはないのです
先に逝ってしまったことも
とりたてて
悲しいことではないのです
それはこの世に生きるもの ....
あなたのことを 想うとき
天気雨が降ってくる
隅々まで晴れた蒼い心に
不似合いな
優しい雨が降ってくる

終わった恋を 想うとき
天気雨が降ってくる
微かな雨粒
泪じゃないよ
傘を ....
空よ あなたは何者ですか? 満ち足りた時は美しく 哀しい時には より美しい

なぜだろう 雨も涙も透明なのに青く塗ってみたくなるのは

何もかも捨てたくなって空に投げ 落ちてくるまで こ ....
私の街には雪は積もらない
降ってもすぐに溶けて消えてしまうの
私の願いはたったひとつ
一度でいいから一面の雪景色を見てみたい

朝起きて窓を開けたら
世界は白一色に覆われているの
隣の屋 ....
きみが覆いつくした 世紀は輝く

きみは高らかに筆を降ろし 画布から水面につたう

きみは光と水を 調合する

きみは招待で

振向くきみは侵食のようだ

きみは廃棄物マニフェスト ....
「ド−ナッツ」

ドミノ倒しの疲労感
帰ってはベッドへ真っ先に
忙しかったご報告

どこまで
転がりつづける
仕事場とマイホ−ムの
同じ顔した四角いダイス

取りあえず
甘いエネルギー源補給と
三日 ....
薄紫の
花を
目が食べ
目覚めたとき

その直後も
草を食むように
咀嚼しつづける
夢見の歯車

ふと遠い日のすももの果実
熟れて柔らかに割れ
したたって染みる
濃い赤紫 ....
無線紙の上
這い伸びる
黒インクの静脈は
冬ざれの様相で
ひたひたと
忍び寄る

絡み付く
{ルビ荊棘=けいきょく}の枝を
程良く剪定し
暖炉に放るのだが
パチパチと
節は爆ぜ ....
その日の美術の科目は
自分の
もう片方の腕のデッサン

 写実主義の鉛筆は
 大気の成分のようにすみきっている
 大陸棚から
 波紋のようにそそりでた喜望峰にゆきつけば
 五指しめす照 ....
{引用=

風花が舞っています
ほんの少し顔をあげて
少女が 見上げる
( 幼さをふりおとした横顔は、りんとして )
おぼろげで 消え入りそうな
白い半月が、南の空たかく
午後のクリス ....
このてのひらには

なんにも無いね


これからは
ひとりきりで長い旅路を歩かなきゃならないってのに


会話のあいだにもれるため息はまだ夢をみている



運命線をたどって ....
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