すべてのおすすめ
人気の無い埠頭から望んだ街はただ灯ばかりが無機の光を放ち
まるで人間の営みとは無関係な顔をしているみたいで
かすかな海の匂いを抱いてそれでもふと
人を遠い空間にいざなって行く
僕に ....
「路上で突然ですが、
果物買ってくれませんか?」
「さっきまで
そこで売っていたのですが、
少し残っちゃって」
立川駅の歩道橋の下で
前を歩いていた人に袖にされた、 ....
浅い秋の山麓にはまだ夏が僅かに匂いを留めている
霊園のなか
木漏れ日に似て
かすかな静謐の羽音を伝えるもの
誰かの魂の代償としてここにやすむメタモルフォーゼの
しるし
霊園の空は高く
夏をとむら ....
一羽の鳩が見つめ
青い空はただ光りを投げ掛ける
両者に言葉は無く空白の原稿のまま
埋められる予定もなく
風に飛ばされていくのだろう
君は投げ掛ける
私はいますか
それは
空にでもなく
過去にでもな ....
「ド−ナッツ」
ドミノ倒しの疲労感
帰ってはベッドへ真っ先に
忙しかったご報告
どこまで
転がりつづける
仕事場とマイホ−ムの
同じ顔した四角いダイス
取りあえず
甘いエネルギー源補給と
三日 ....