二〇一〇年夏。オーケストラのリハーサル。
まだ若い、俊英と称される指揮者が壇上に立つ。
曲の中途。世界的な老指揮者が駆け寄り、大きく両手を振って演奏を止めた。
ここは指揮棒を叩くんだ。なぜな ....
たよりない軸をつかんでわらってた 人工衛星みたいに遠くで



罵倒してもよかったんだよ ボディソープの淡い匂いのぬけがらを抱く



かみさまの代わりにネオンの消えた街へ ....
ぼくの街は牧場にあって、家畜と牧草が丘陵の途切れた柵のとなりで圧縮されて濃密な蒸留水となった朝露を落としている窪みに高層ビルが並んでいた。毎朝、ぼくは上着や革靴に花粉をつけたサラリーマンが灰色 .... 降り積もる季節になりました
おもいが
私は忘れていた何かを思い出し
振り向いたり振り向かなかったりします
移ろう
というのは少し悲しいことかもしれません
それとも私は悲しいということば ....
突然、係員はやってくる。季語の整理をはじめますと手招きをして、観覧車をもたつかせない。あー、ちみね。ちみ、季語でいうところの、間抜けなオリオンだわな。だって、空のはなしばかりしてくるもんね。空 .... 綿毛の海で泳ぐ
後ろ姿を探す
秋の始まる午後に
あたたかさとつめたさの両側から
等しく守られていることを知った


星の人から届けられる
言葉によらない通信を
言葉に変 ....
そう、散らかった部屋。僕の体重に沈むクッション。回転する夜の底から、聞こえてくる羽ばたきの音。反響するサイレンと、赤い光に祀られた地球儀。骨の浮きそうな、肩。世界をデッサンする指先が、背中に子午線を引 .... 通り過ぎてゆく笑い声
背筋をノックする人差し指
忘れない

ドレスのチャックを上げてくれたこと
わたしに腰をふらせたこと
忘れない

隠れ場所のなかったこと
なんて答えていいか
分 ....
詩情は朽ち木のように
川を裁断し
それを橋と呼んで
水を渡る
わたしたちの足は
いつまでも渇いたまま


濡れた手のひらのうえ
小さな風車が幾つも咲いて
わたしたちの語彙は
かな ....
森へ
つづく道は
つめたくて
きもちいいんだ
冬の
シーツみたいに
白くないし
深く
濡れているけど

たとえば
ビリジアンって
色が好きだった
絵の具
 ....
 眼鏡を外して電車を降りた
 閉園のアナウンスが流れる頃に
 金属製のゲートをくぐった

 アスファルトの水滴が
 輪郭を失ったパレードのように
 商店の光を反射していた

 黄色 ....
どうも、ツユサキです。これまで「ショートレビュー・サンデー」と銘打ちいくつ
かレビューを書いてきましたが、個人的な事情もありこの文章をもっていったん終
了します。今までどうもありがとうございました ....
風景は記憶を宿している
だから俺は
ゆるゆる
その風景に
流れ込む

いつも路地裏
猫がいて
丸くなって目を細くして寝てる
気持ち良さそうに

俺は雪駄で歩いていくだろう
そう ....
冷水を飲み干し
今夜も
こんがらがった
青い糸だけの
世界を想像する
おまえはまただ
胡座のかきかたを
間違えて
さいしょから
骨のありかを
確認しだす
忘れてしまった
香りと ....
つめたい指で そっとすくって
両手の隙間から バイバイ
おばあちゃんのエプロン洗って
ごめんなさいって返しにいくの

でておいで 今日の太陽
あなただけが正しいのかもね
ここでの全てが終 ....
起きると二時
ああ、夜中に目が覚めてしもうた
と、思いきや、昼の二時である
よく寝たな
と、テレビをつけるとサスペンスドラマの再放送
うむ。
面白いではないか
と、それから寝転がってテレ ....
森までの距離を
歩幅で数えていくうちに





迷う





湖水に漂う
伏した息

生きて
曲がる枝




崩れそうで
救われそうで


手 ....
 
 
右手の人差し指が
鍵になってしまった
どこの鍵だろう、と
合いそうな鍵穴を探すけれど
鍵の要らない穴しか見つからない
ふと鏡をみると
自分のおでこのあたりに
それらしき穴があ ....
落ち込んでいる日のことをフルーチェの何味なのかで例えてほしい

活動家未遂の人が集まって世界平和も風任せです

この空はドラえもんでも作れない そんな五月の昼下がりです

リボンから風 ....
すぐかわく程度の雨に
手を繋いだ
ずっとおなじほうを
見続けていたのに
きみがどんな顔をしているかなんて
どうでもよかったんだよ

いつまでも
知らないふりしている
むさぼりあうよう ....
海面をうらがえして歩いてる
裸足で踏む空
ひとつだけえらべばいい
そう思う


目がとけていく
涙が雲へおちていく
光とともに生きている


知っていたらもっと違ったのに
なあ ....
 
 
ひとつ、またひとつ
豆腐が落ちていく
月のテーブルから


+


引継書は、深夜
透明に
積まれて


+


陽だまりに
トマトの痕跡
使わないのに ....
背中の波が剥がれて泣いて
海が誰かを呼んでいる
あなたのことを考えてみる

体を循環する器官のひとつひとつを
ていねいに洗う
みずの流れに臆病になると
腰にひびが入るんです

ゆるや ....
魚たちは
丘に打ち上げられ
濁った空気を吸っている
けものも
けだものも
身を潜めて眠っている
鳥たちはどこか遠く
姿を見せない

灯りのない街を
明るい部屋で夢想する
シ ....
彼や彼らが死んで
しばらく経ってから
君は埋葬する
そして理解する
人は死んでも星になんかならない
人は死んだら死体になる
そして記憶になり
いずれ忘れ去られる
埋葬される者はまだ幸運 ....
こんにちは。詩のレビューをやっている者です。

これまでにいくつかレビューを書いてきました。それを見た人が「こんな
のでいいならおれも書けるぜ」と思い、にわかにレビューが盛り上がる!
というよ ....
目をとじたまま夜を織っていく
書き損ねた昨日の日記を
改竄する

遊びつかれてもまだ泳いだ
つめたい壁にぶちあたるまで
嘘も真実もこの手にあった
そして飽きもせず
わらった

ひか ....
やわらかい足音と聴く春の海


春の海ねことバンビの二重奏


波間から星は見えるかアカヒトデ


アカヒトデ浜で乾いて仰ぐ星


解答が分からず描いたスナフキン


ス ....
夜や闇が好きです。
よく見えないから。

見えない、知らない、聞こえないものは
存在してないのと大して変わりません。

ですから僕は電車の中では
寝ているふりで目を閉じ
音楽で聴覚を塗 ....
誰もが朝を愛する 何もかもすてて


かなしくて雲がふき飛ぶ 冬でよかった


記憶に執着しない空が飛んでく


重いスーツケース二年が膨らむ


落ち込む私を笑え私馬鹿阿呆
 ....
コーリャさんのおすすめリスト(517)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
口伝- 角田寿星自由詩311-12-13
アンチ・ハッピー- しろいろ短歌10*11-12-3
習作- ズー自由詩3*11-11-26
冬眠しないことば- かんな自由詩12*11-11-16
建国記念日さんと星座- ズー自由詩2*11-11-13
エリタージュ- 橘あまね自由詩29*11-11-5
風切羽- yuko自由詩411-11-4
忘れない- かぐら自由詩311-11-2
けつえき- 雛鳥むく自由詩811-10-5
ビリジアン- 水町綜助自由詩16*11-9-12
パレード- 古代 透自由詩6*11-9-4
ショートレビュー・サンデー_終- 露崎散文(批評 ...10*11-9-1
風景の記憶- 真山義一 ...自由詩2711-8-23
ウロング・サマー_(2)- DNA自由詩211-8-12
天竜川- nick自由詩4*11-7-23
安宿ごろごろ- 真山義一 ...自由詩2111-7-2
白い森- madyawn自由詩3*11-6-24
鍵穴- たもつ自由詩1111-6-18
落ちこぼれロケット- きらく短歌611-6-16
きのう見た夢- アオゾラ ...自由詩1*11-6-15
水中花- kawa自由詩211-5-25
ひとつ- たもつ自由詩6*11-5-22
ゆるやかにおしまい- りこ自由詩20*11-5-5
しなやかに朝を迎えたい- いとう自由詩2311-3-14
Doors_close_soon_after_the_mel ...- カワグチ ...自由詩1911-3-13
【批評祭参加作品】レビューを書かない7つの理由- 露崎散文(批評 ...18*11-3-6
秘密- アオゾラ ...自由詩511-2-9
echoes- kawa川柳111-2-6
でも結局、光がないと生きていけません- 雪莉自由詩211-1-16
朝をすてる- kawa川柳110-12-31

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18