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私は海になる
ただひとり あなたのために私は
自分を分解して個体の部分をすべてぬき取り
液体だけで構成された海になる
父になることしか出来ない性の宿命
それでもかまわず
私は母のような海に ....
まっすぐな姿勢で、書きなさい。

こんな忠告とともに、身体の歪みを矯正して
くれる機械があったら、私はそれに従うだろ
うか。椅子の背もたれの部分に備えつけられ
たセンサーが、座っている者を背 ....
あの海の家はどこにあっただろうか
夏の
暑すぎる昼下がり
そこで笑っていた太陽のような人びとは
どこに行ってしまったのだろうか
時というものが絶えることなく
いつも継続して流れてゆくとは
 ....
空いている電車に乗り 席に座る
駅に停まり 駅を通過し
また駅を通過し 駅に停まり
車内は次第に混んでくるが
他の席はどんどん埋まってゆくが
私の隣はいつまでも空いたまま
誰も座ろうとはし ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
その日の夕方
妻は花束を抱えて帰ってきた
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
寝室の棚の上に花瓶を置いて
妻は花をその中に挿した
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
部屋の中は美し ....
いま
星の下で
明日のために
今日の色を決める
走りぬける
全力疾走の快感
それが俺を
白い荒野の上に立たせている
時には多大な収穫を
時には多大な疲労を
もたらす荒野
その謎の ....
 タイトルから察せられるように、これは僕の書いた「異常な時代に抗する言葉」(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=45141)から巻き起こった反論と論争、特にケム .... 帰ってくるよ
夏が帰ってくるよ
この火で埋められた季節に
死者たちが帰ってくるよ



ただ白いだけの変な鳥がいます。暑い夏の日差しを受けて、きらきらとその翼が輝いています。飛んでいる ....
 いまさらながらだが、まったくおかしな時代になったものだと思う。恐らく多くの人が感じていながら、それでも黙っているのだろう。二十一世紀という現代に生起する現象、人の思惑同士が交差し合い、とんでもなくお .... {引用=これは一種の実験的な作品です。筒井康隆の小説『残像に口紅を』をヒントに、章を追うごとに次第に言葉が消えてゆくような書き方をしました。まずルールとして、?消えた言葉(音)は以降の章では使用しない .... 夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら ....
夜の野を
羊たちは走る
帰るところなく
羊たちは大群となって
夜の腕の下を疾走する
月の微笑に照らされる夜
野の果ては地平線で切断されている

  人はひとり凍えて横たわる
  夜は ....
 日本の現代詩の中で散文詩の占める割合は、無視出来ないほどに大きい。ある程度名のある詩人たちのうちの多くが、散文詩を書いている。散文詩とはいったい何か? ここのところ、個人的に頭の中が散文的になってし .... 道の途中
その曲り角の 節目ごとに
石を埋める
浅く
また深く
土を掘って
掘り出されることを予期せずに
宝石のように
ただの石を地に埋める

その上に霜が降りる
あるいは雨が降 ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....


嵐の夜の、その翌朝、ひるがえるはずのない翼の夢に目醒めて、少年は歩き出した。岬の奥の家から、岬の先端の、海を臨む小高い丘陵へと。四年に一度の大きな時化の夜。その騒乱を波の背中に残して、空はひ ....
裏側を見る
裏側に 目をこらす

物事の
すべての裏表
人の中の
すべての裏表
目に見える
太陽にその目を灼かれる
明るい光のもとでは
目に見えるものしか見えない
目に見えない
 ....
 吉岡実が後続の詩人たちに与えた影響は大きい。七十年代以降の日本の現代詩は、吉岡実がいなかったらまったく違った姿になっていたのではないだろうか。
 ここでは吉岡実の『静物』『僧侶』の二つの詩集を中心 ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 .... ふと目についたところから壊して捨ててゆく。
それから新たに建て直す。それから新たに作
り変える。捨てていけ。変えていけ。わが国
の年間一人当たりのゴミ排出量は、年毎に右
肩上がり。とうの昔に二 ....
{引用=またひとつ、なさけない歌}

#1

夜は水のように滑らかで
闇は塩のように喉にひっかかっている
残る思い
その中で 何故と問う暇もなく 男は死んだ
海の そのくるった観念の中 ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}




光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
長い眠り
    そして夢
彼は水の底で 海の底で
静かに
雌伏の時を過ごしていた
そして眠り
またも眠り
心地良い水のゆらぎの中で
彼は際限なく眠りつづけていた
動乱の前の
不気 ....
夜、
その背後で扉が閉ざされる
いまこそ人は
謎に踏みこむ
謎は 古の道として人の前に開ける
道はいくつもの曲り角を持っていて
靴先がそれらにさしかかる度に
人の眼は 閉じたり 開いたり ....
暗い
宇宙の夜に中に
最初の人間が現われる
途端に 宇宙の空は晴れ渡る
ように見えるが それだけだ
相変らず
宇宙は 際限のない夜に包まれている
最初の人間はぼんやりと坐りこみ
すべる ....
朝食の
トーストとコーヒーの間に
そのものは存在する
点々と どこまでもつづく血痕を
追え
賢者の道よりもまず先に
なすべきことがある
埋められた{ルビ蹠=あなうら}
ますます増長する ....
地をふりかえる
もはや人でないものとして
山に分け入るべき時だ
鼻を濡らして
舌を濡らして
人としての重荷を下ろす
頬を赤らめ
森を通って山の頂上にたどりつく
おしり むずむずする
 ....
夜は死ぬ
その中に秘密を宿らせたまま
ふたたび夜が生まれ変るまでの
小さなひととき
人は夜がその死に際して降らせた
ばらばらの
暗い破片を
胸に突きさしたまま歩く
何かおかしい
どう ....
ふるるさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海になる- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-25
優しい機械- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-15
無題- 岡部淳太 ...自由詩8*05-11-11
私の隣に幽霊が座っていた- 岡部淳太 ...自由詩17*05-10-3
入沢康夫(「現在詩」の始まり)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*05-9-12
晩夏の蛹- 岡部淳太 ...自由詩12*05-9-5
悲鳴- 岡部淳太 ...自由詩6*05-9-1
直観の疾走者- 岡部淳太 ...自由詩5*05-8-27
異常な時代に対する最終弁明_—または、直観の疾走者- 岡部淳太 ...散文(批評 ...3+*05-8-23
帰ってくる夏- 岡部淳太 ...自由詩16*05-8-9
異常な時代に抗する言葉- 岡部淳太 ...散文(批評 ...21*05-8-7
消失- 岡部淳太 ...自由詩4*05-8-2
棒読みの歌- 岡部淳太 ...自由詩10*05-7-29
走る羊- 岡部淳太 ...自由詩14*05-7-21
散文詩に梱包されて- 岡部淳太 ...散文(批評 ...18*05-7-16
石を埋める- 岡部淳太 ...自由詩10*05-7-10
道の途中- 岡部淳太 ...自由詩11*05-7-6
鱗坂- 岡部淳太 ...自由詩6*05-7-2
月の裏側- 岡部淳太 ...自由詩3*05-6-28
吉岡実(奇怪な絵画)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...9+*05-6-25
蒸し焼きの雨- 岡部淳太 ...自由詩37*05-6-18
廃棄処分- 岡部淳太 ...自由詩3*05-6-15
月曜日の幽霊- 岡部淳太 ...自由詩5*05-6-9
UFO- 岡部淳太 ...自由詩7*05-6-1
水の中の目醒め- 岡部淳太 ...自由詩9*05-5-29
- 岡部淳太 ...自由詩3*05-5-26
人間- 岡部淳太 ...自由詩6*05-5-24
存在- 岡部淳太 ...自由詩4*05-5-21
尾のあるもの- 岡部淳太 ...自由詩11*05-5-15
夜の鍵- 岡部淳太 ...自由詩6*05-5-13

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