すべてのおすすめ
 詩を構成する要素のひとつに喩や韻律などの他に余白というものがあると思うが、それはどうも語りにくい要素のように思われる。というのも、喩や韻律などは文字としてちゃんと人の目に見える状態で表われているのに ....  ビートルズに「Baby's In Black」という曲がある。世界的大成功を収め、現在に至るまで影響力を失っていない彼等にしてはあまり有名ではない地味な曲で、その後、ただのラヴソングではない歌をいく ....  自分の友人のことについて語るのは難しい。そこにはどうしても遠慮や照れくささといったものが介在しがちであるし、ましてや彼は僕がやっている「反射熱」という詩誌の同人でもあるので、下手すると仲間褒めといっ .... あるいは、その時の感傷、ではなくただの、感情、心の
剥がれ落ちた、かたち、そのおもてを上塗りするように、
すべらないように、注意して、歩いていく、と、見えて
くるものは、「私」のかたちとしての、 ....
 以前書いたある文章への反応に、作者である自分からしたら思いもよらないものが返ってきたことがある。その文章は自らを特別な存在のように見做してしまう「詩人」へのエールのようなつもりで、同時にひとつの作品 .... この時代、未熟な力が求められている。いまだ生まれえない、いつ
までも成長することのない力。たとえば秋のにおいのする草原に行
けば、妹という名の下にそれはごろごろと転がっている。妹のやわ
らかさを ....
夕焼けなんてなくなってしまえばいいとおもう。昼と夜
をへだてるものをなんとなくつないでしまう、そんなち
ゅうとはんぱな橋は、星からやってきたぬすっとにくれ
てやるか、三日月のくらいぶぶんになげこ ....
 散歩が好きだ。ゆっくりと、目的地を決めずに歩く。春や秋の、それぞれの季節の風物を感じながら、ひとり歩を進める。そんな感覚が好きだ。そして、歌をうたう。そうすると、人からおかしな奴だと思われる。人は陽 .... 茅ヶ崎の海を憶えていない
浜見平保育園も
それから後の二宮の
梅花保育園のことも
みんな憶えていない

母にきけばあの頃
ひとりで保育園をぬけ出し
街中をさまよっていた
こともあった ....
水の本を開く
文字は流れ出し
意味は溢れ出し
あとには
水の思想だけがのこる
川によってはこばれ
人びとの喉をうるおしながら
水の暗喩が偏在する
その波の繰り返し
晴天と雨天の交替
 ....
 どうも批評というものは、ネットのような有象無象が集る場所ではかなり誤解されているようだ。批評を作品に対する単なる悪口と同義に思っている人がいるらしくて、びっくりしてしまう。その程度のものだったら「批 .... {引用=po・et・ic ―― a. 詩の、詩的な、詩趣に富んだ、詩に適する、詩人の(ような)
stig・ma ―― n. (pl. 〜s, stig・ma・ta )〔古〕(奴隷や囚人に押した)焼 ....
そして火は燃えさかり
すべてを焼きつくすだろう
それぞれの
人の生を
それらがあつまったこの
人の世でさえも
焼きつくして
火は遠い天上でわらうだろう
限られた空
その見えない境界で ....
 先日、横浜詩人会が主催するイベントに行ってきた。JR関内駅から歩いて数分、横浜スタジアムの近くにあるZAIMという古いビルの中のミニシアターで行なわれたものだ。第一部は横浜詩人会会員によるポエトリー ....                 したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
ことしもまた春が来て
暖かくなって
やがては暑くなる
またしても
煩い季節になりつつある
驕れる者 久しからず
正しきも
疚しきも
また同じ
そんな世捨て人のようなことを
つぶやき ....
もうすぐ
九百九十九年になります
その頃には
ひまわりも咲いているでしょう
絶望から生き残った
藁のような人びとが
ゆらゆらとゆれているでしょう
咲いてしまうことに
罪はなくて
咲い ....
 数多くいる詩人たちの中で、八木重吉ほど語りづらいと感じる詩人はそういない。何故だろうか。私だけの感じ方であるのかもしれないが、そんなふうに感じてしまう。おそらくそのあまりにも無防備すぎると思えるほど ....  何故だかわからないが、女性詩人の詩を取り上げて論じることに妙な躊躇があった。もちろん女性の書く詩が、男性の詩よりも劣っているなどと思っていたわけではない。優れた女性詩人は多く存在する。一読者として好 .... 回る
火のついた犬のように
走りながら
回って今日一日の
憂愁を追う
今日も丹沢の山は見事に鋭角で
背後の空からくっきりと浮かび上がっている
おそらく上州前橋から見る山なみと
そう変る ....
遠くで呼んでいる
{引用=
また
もうひとつの朝
祈る人は いつものように目醒める
いつものような 川の歌
いつものような 川沿いの歩行
いつものように
滞りなく
祈る人の一 ....
      恥を忍んで、昔書いた連作詩篇を投稿しようと思いま
      す。一九九七年から翌九八年にかけて、「歌う川」と
      いう総題のもとに十七篇の詩を書きました。今回はそ
     ....
どこかで聴いたことのある歌
その旋律が 流れてくる
思い出せない
歌の名前
思い出せない
記憶の糸が絡まっている
それでも
どこかで聴いたことがある
それは確かなのだが

思い出せ ....
毎日、夕方になると世界が溶け出す。誰もがみなとっく
に気づいていることなのに、誰もそのことを口に出さな
い。(それは、おそろしいことだからだ。)たとえば、
あらゆる文体が溶け出して、誰が何を言っ ....
雨の記憶を憶えていない
私が はじめて雨に遭遇した時の 記憶
それはかすれて 雨の日の
窓ガラスの向こう側の風景のように
ぼんやりととおくなってしまっている

だが 思い出せば
いつでも ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
はじめて声を上げる。はじま、りの、はずか
しい過去を背負ってまで、橋を渡って喉をふ
る、ふる、ふるわせる。てえぶるの、表計算
の、[枠]の中に囚われ、ていた酸素の、また
《二》酸化炭素の、見え ....
 詩の読み方といっても、そんなものが決まっているわけではないし、決められるものでもない。読者は自由に、自分の読み方で詩を楽しめばいいのだ。だが、そう思う反面、詩の読み方に根本的な誤りがある人が多いよう ....  詩を書く時、詩を詩たらしめるために、韻律という要素は欠かすことの出来ない大きな要素となる。頭韻や脚韻などのいわゆる押韻とリズム、詩の音楽的な要素のふたつを合わせて韻律と呼ぶ。
 日本の詩の淵源が和 ....
水在らあらあ「あるところに」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=97831


 すべてを物語の中に回収する。詩は物語と渾然一体となって、その中に溶け ....
ふるるさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
批評祭参加作品■余白について考える試み- 岡部淳太 ...散文(批評 ...4*08-1-27
批評祭参加作品■喪服の者たちが向かうところ- 岡部淳太 ...散文(批評 ...7*08-1-26
服部剛_その詩と人- 岡部淳太 ...散文(批評 ...907-12-1
祝祭- 岡部淳太 ...自由詩707-11-27
特別であり普通である私たち- 岡部淳太 ...散文(批評 ...1+*07-11-5
妹のはじまり- 岡部淳太 ...自由詩6*07-10-18
かんかく- 岡部淳太 ...自由詩5*07-10-12
季節の散歩術- 岡部淳太 ...散文(批評 ...507-10-7
迷子(幼年篇)- 岡部淳太 ...自由詩9*07-10-4
水の本- 岡部淳太 ...自由詩1107-8-24
批評について、ふたたび- 岡部淳太 ...散文(批評 ...14*07-8-4
The_Poetic_Stigma- 岡部淳太 ...散文(批評 ...14+*07-7-25
夏のアニミズム- 岡部淳太 ...自由詩13*07-7-12
失語から生きる- 岡部淳太 ...散文(批評 ...18*07-6-20
したたる、- 岡部淳太 ...自由詩23*07-6-12
必衰- 岡部淳太 ...自由詩17*07-6-4
九百九十九年- 岡部淳太 ...自由詩16*07-5-21
近代詩再読_八木重吉- 岡部淳太 ...散文(批評 ...14*07-5-6
新川和江_——〈永遠〉を志向する大きさ- 岡部淳太 ...散文(批評 ...8*07-4-24
萩原朔太郎を喚び出す詩- 岡部淳太 ...自由詩14*07-4-16
連作「歌う川」より_その2- 岡部淳太 ...自由詩6*07-4-2
連作「歌う川」より_その1- 岡部淳太 ...自由詩5*07-4-1
無名の歌- 岡部淳太 ...自由詩13*07-3-26
日毎の溶解- 岡部淳太 ...自由詩19*07-2-19
雨になる前に走り出してしまう- 岡部淳太 ...自由詩8*07-2-14
湾岸経由蜜柑畑行き- 岡部淳太 ...自由詩24*07-2-6
産声- 岡部淳太 ...自由詩6*07-1-22
■批評祭参加作品■詩の読み方について- 岡部淳太 ...散文(批評 ...15*07-1-8
■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史- 岡部淳太 ...散文(批評 ...3*07-1-7
■批評祭参加作品■水在らあらあの「あるところ」- 岡部淳太 ...散文(批評 ...4*07-1-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する