すべてのおすすめ
お日様が低くなったので
日差しが深く差し込んで
光が木々を櫛いてゆくのか
木々が光を櫛いているのか
銀杏並木はお醤油少し
垂らして焼いた卵色
お砂糖いれて
よくかき混ぜて
くしゃくしゃふんわり炒り卵色
恋人よ 悲しい冬の朝のにおいを
結び合わせて僕たちは
僕たちを手ひどく扱った
このちっぽけな町を出てゆくのだ
機械油のにおいだとか
缶詰工場の工員のつなぎだとか
狭い路地や貧乏そうな子 ....
俺の臓腑を見ろ
俺の臓腑を見ろよ
ガラ空きの腹腔から滴り落ちる俺の臓腑
静かな臭いを放ちながら床に降る俺の臓腑
もはや曝す以外に手はない
もはや曝す以外に手はないんだ ....
風になって
笛の音階をたどる
わた雲を飛ばしたり
しゃぼん玉を吹いたり
ストローは麦わら
吸いこめば体の芯が暖色に染まる
祖母のジュース
渋柿も老いた手の魔術によって
とろとろに熟成さ ....
はがれて丸まったシーツの上に座り込んで
銀色のノートパソコンを開いているよ
ハローハロー
ハロー世界
真夜中に煙草を吸いながら
真っ昼間にゲームをしている奴と喋っている
時差だってよ
地 ....
雪が降る
雪が降る
銀色きらきら
雪が降る
真っ黒の天上の彼方から
きらきら
きらきら
雪が降る
降り積もったはずだった
銀色は
消えていく
水の底
大地に触れて
砂に触 ....
競馬は好きだが
馬券は買わない
どうせ儲けたくなって
好きでもない馬も
買ってしまうに決まってる
いつまでも
好きな馬だけを
見ていたい
だから馬券は買 ....
踊りを踊るなら
山のふもとの
見晴らしのいい草原に行きなさい
夢中になり過ぎても
誰に咎められることはないから
歌を歌うなら
そのま ....
昨日の嵐が
木枯らし一号なら
私の心に吹く風は
「木枯らし二号」に違いない
ハハハハハ・・・
最高ね・・・
酔って乾いたわらいに
返す言葉もなく
キャバ嬢マユミの
肩をそ ....
ゆるく
マーブルを描きながら
溶ける記憶
その中に
きみは居たか
いま
溶けた
その中に。
からっぽの
ことば。
からっぽの
わたし。
消えてしまいたい
けれど
もう少 ....
柿の種とピーナッツが奏でるハーモニーは
僕らの心を捉えていつまでも放さない
こんな絶妙なバランスを保ちながら
僕と君が一緒に暮らしていけるのなら
時折感じるピリッとした辛さも
....
愛ははかない。
愛はおっかない。
愛は小さい。
愛は大きい。
愛は止め処もない。
愛は大きい。
でも あなたは愛を呉れなかった。
わたしから離れることは出来ない
あなたはずっとわたしだけの人
美しい人生も
限りない喜びも
胸のときめきも
この中に刻み込まれた
二人だけの秘密の思い出
愛のメモリースティッ ....
しみついた薬の色や
ステンドグラスの窓の響き
机を隔てたくらいでは逃れようもないのだ
天意がのびていく
だがどこまでのびていくのだろう
患者(クランケ)の上へか?
それとも裁きの席へか?
....
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
コン コン と叩けば
コン コン と骨の音がする
君は何処? と問えば
私は此処 と返ってくる
部屋はまるで君の肺のように
さりげなく わざとらしく
君の空気に満ちている ....
おれんじ色の船にのって
ぼく砂漠へ行くの
降りしきる流星群を見つけたら
きみに長い長い手紙をかく
それからポストを探して
三千年の旅をする
かみさま ほとけさま
ジーザス・クライスト
わたしは明日退院します。
あなたがたの名前を呼ぶからといって、
今までの人生の懺悔や反省をするつもりは毛頭なく、
わたしが幸せになるこ ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
鉄町に住むからか
鉄の女と人はいう
私はそんなに強くない
錆びて疲れた心なの
二人歩いた鶴見川
今日はひとりで来ています
結ばれないのは知っている
信じたくないだけなのよ
たと ....
目には目を
目蓋にはものもらい
いつまでも憎しみを握っていられない
自分の握力の無さを嘆くべきなのか
歯には歯を
歯茎には歯肉炎
いつまでも恨みを呼吸していられない
自分 ....
「東」
筋違いの愁いを下瞼に溜めたまま
勘違いの寝グセを直そうともせずに
東のゲートが開けば光とともに流されていく
煌めいているふりをしながら流されていく
....
あの蔦やクローバーがしげった奥には宮殿がありそうなきがする
きらきらと風がおぼれていく
世界の
たいていいちばんとおいところにすんでる
きみ
はずかしげに
(プ ....
空を鼓のように張り
鳥は屋根を踏み鳴らす
糖蜜の文字
光の名前
爪と半球
蛇行と水源
凍った川をすぎる雨
降る無音 降る無音
午後の光がゆっくり話す ....
「妖」
熟れた日常を引き剥がし
馴染んだ名前を脱ぎ捨てて
あなたの熱は儚く溶けた
残り香だけを朝に置き忘れて
「怪」
仄暗い四辻を右へ折れた ....
拝啓から敬具まで。
保険会社のプラットフォームは、
全人類の安全は保障できません。
殺すことが目的となった戦争を、
ボトル・オブ・ブリテンの前身は、
惨敗で糾弾する。
戦いの結果、 ....
君が一瞬見せた
微笑みの意味を
10年経った今
どうしても確かめたくて
君の去った
集合住宅をたずねる
あのとき
君の静かな
やさしさに
気づくことが出来たなら・・・
あの ....
俺は夜道
コンビニからの帰り道
考えごとをしながら歩き
歩きながら考えごとをし
メモを取ろうとふと立ち止まり
ああ手帳は
置いてきたのだったとふと
星のない空を見上げ
生気のない壁を眺 ....
諸行無常のユメのなか
生病老死がコワくてコワくて
抱えきれなくなって
だからヨッパラって
また酒カックラって
そのうち酔えなくなって
こんなとこまできた
(どしよもなくて来た ....
イヤサれたいのかアヤサれたいのか
さっぱりわからないまま
それでも
ワタシの傷はワタシだけのものだ、
そう簡単にイヤサれてはたまらない
と
カタクナに身をカタクしてじっ ....
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