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混雑した電車のなかに放り込まれることに
いつのまにか慣れていた

つり革につかまっていると
さっきみた、階段を落ちていく男のことが
脳裏に浮かぶ
人ごみの中
彼はまだ
生きているだ ....
生きる事に真剣でいると
やがて、生きている事自体を忘れてしまう

真剣に生きる事は
重要だ

そう思ってる人は
なぜ
重要なんですか?

理由なんてないよ
理由がないけどそうして ....
「どうしたの?」

「あのね」

「うん」

彼女の声はひときわ小さく、ゆっくりとこういった。

「死にたいの」

「…」

「…」

「…だって、君は…もうすぐ死ぬじゃな ....
僕は少しだけ強くなりたくて
地面を蹴って歩き出した
つもりだったが

昨夜の雨のように
地上に散らばって光っている
星のように

蹴った地面はぬかるんでいて
思わず見ることになってし ....
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
写真を撮りたいときは
いつだって真夜中で

撮れる技術やカメラは
いつも
僕の手にはなかった


夜が集まって静かに騒ぎだす
黒い影
夜の一つ一つに色をつける

黒い色は様 ....
あの棟では人が焼かれるそうです

薄い夜のカーテン 眠れるはずもなく

白い一筋の骨

私の白い手
自動ドアを開いた

「雨が降る」と
囁いていく
カキ氷が溶けた後の 蚊の乱舞
 床に描かれた光の窓を 開けようともがいている

犬達は皆 昼間は外にでない
やつらは 過ぎ去った陽光の中を
 影を伸ばしながら歩くのが好きなのだ
ある日 上陸した魚の一群が、
砂浜でひなたぼっこをしていた

太陽の光を全身に浴びた魚は
やがて背骨を透き通らせ
口から虹を噴き出した

羽の生えた酸素が空を漂い
酸素が付着した虹は輝 ....
飛んでみたら?

笑顔で 空を飛ぶ

僕に 笑って 声をかける

飛んでみたら?

朗らかで 暖かくて 優しい笑顔

空中で分解した身体から流れる 体液

優しさの中 眩しくて ....
*
タキオンが像を結び
無数のクラゲが空から
淡い光を放つ

*
どこまでも歩いていっても元に戻ってしまう
三畳間の宇宙に

*
生まれてから白痴に至る世界

*
笛を吹いて ....
いつか会えるときまで

枯葉が
砂になるまで
両手ですくいとって
散っていく

その上をセリが
嬉しそうに歩く


そう
いつの日か
というときの
未来は

眠りの
 ....
呼んでる声がするので
駆けていく


少しずつ広がる世界


握られた手にある
飴玉は
水晶のように輝いていた


そんな頃でも
風は冷たかった
普段通っている路地の
影にあるもう一つの街

影の街を僕が知ったのは
12の頃で

その頃
父はこの街を出て行った。
聞こえるか
石段の向こう
ざわつく駅の周辺に偏在する
倦怠

おおおい
おおおい

ゆりかごにゆられている
温い空気のなかで
地下を抜けて
階段を昇り外へ出ると

どこからか雨が降っている。

どこから降るのか見上げると
灰色の空が視界を埋める。

空一面から
雨の音がする
水の結晶の響く洞窟を歩く
どどどどどどどどどどどどど
水の音が聞こえる
どどどどどどどどどどどどど
満天の苔の空を転回する周転円が
どどどどどどどどどどどどど
春を指した
坂の上に のっかっている

そうか こうやって 私は






この雲の先にあるくだらない現実が

本当はすこし好きだったのだ。
また 音が する
また 雨のように 

鉛色の空のせいで
部屋が暗くなるんだ

枕のそばに
携帯の点滅する光

また 音がする
雨が叩くように 戸を叩く幻聴を聞く

あ ....
m.qyiさんの佐藤伊織さんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風景- 佐藤伊織自由詩211-12-29
真剣に生きる- 佐藤伊織自由詩211-12-29
まっすぐな明日に向かって- 佐藤伊織自由詩211-11-13
僕は少しだけ強くなりたくて- 佐藤伊織自由詩210-1-17
- 佐藤伊織自由詩309-10-25
夜の写真- 佐藤伊織自由詩4*09-2-28
焼き場- 佐藤伊織自由詩3*09-1-21
- 佐藤伊織自由詩2*09-1-12
- 佐藤伊織自由詩4*08-12-3
旅人- 佐藤伊織自由詩2*08-7-21
校庭- 佐藤伊織自由詩1*08-6-26
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影の街- 佐藤伊織自由詩4*06-4-9
ゆりかご- 佐藤伊織自由詩2*06-1-8
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坂の- 佐藤伊織自由詩4*05-9-22
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