昭和と平成の間にはさまって
  押しつぶされてしまったような工場を
  眺めながら煙草を一本喫う
  犬の散歩をする{ルビ母子=おやこ}は
  怪訝な顔ひとつ見せず通り過ぎる

 ....
いまさら、あきばではないだろう。そのくらいわかってる。まきばの朝でもない。こそばゆいメルヘンみたいで絶対ありえない。むしろ上野だな。まだまだあまちゃんだし、じぇ!が足りないし、

夏ノ雨にとけたトイレ ....
 いくら追い込んでも
 届かないままの馬が
 逃げたのだという

 土日はずっと仕事だから
 もうずっと競馬中継は見ていないし
 そもそも
 もはや預金残高ゼロ円だ
 賭けようたって、 ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた

アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、
名作の書き出しに目がないようで
いろいろ聞かせてやっているんだが
書き出ししか知らないせいで
良からぬ方へ想像の羽を広げてしまっているようだ

「親譲 ....
震えてた
ニシノカ●に
そんなもんじゃ震えない
そんなものは震えじゃないフザケンナって言いたくなるくらい
震えてた
痺れ、吐き気、寒気、全部本当のことだった
学園長が這い回ってた
PTA ....
[妖怪(尻)べった]
  肥大臀部を横向きにした姿の妖怪。
  戸建の階段のカーブや集合住宅の脱衣所などに潜んでいる。
  これを見ると妻に萎えてしまうようになる。

[妖怪ココゾ]
   ....
なにもしなかった一日の締め括りを
ピーナッツサンドに熱い珈琲で終わらせてしまうだけ。
配送される
朝はもうそこまできているのに
言葉たちは僕の眠りを妨げる。
裏切りもしない反面
厚く盛 ....
(わたしがえびドリアを注文しないことで、
 知りもしないどこかの美人さんがしあわせになれる可能性について
 わたしはわらえずにいた

(あのひとはフライドポテトを掘るのにむちゅうで、
 そん ....
 日々を無駄に過ごすなって
 お袋によく言われたっけ
 汚れたエプロンを
 鎧みたいにまとって
 布団たたきを握りしめ
 水仕事に荒れた両手を 腰に当てて

 にらんでいたお袋

  ....
それはあなたの不在より

戻ってくる沈黙が

のしかかるあいだ

かくも連ねて

欲望のあいうえおの全貌から
「ん」でふんばってる「人」よ

みえる領域に

何云うつもりないなんて
何云 ....
 そう遠くない昔
 高知県の海岸には
 遠洋漁業で命を張ったお父やんたちが
 子どもの土産にと連れ去って帰った
 ペンギンが
 うろうろしていたそうだ
 すぐに飽きられ捨てられて
 浜に ....
 全力である
 住職全力による夏のお勤めである
 
 兄弟走り回るドタバタドタギャハハハハッ
 住職気にしない全力にて
 ナムアミダブツナンマイダナマイダー
 ナナナナナマイダー
 
 ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標

抱擁されるまま

冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
ラッシュアワー
千本足の林立の狭間
スーツケースからはぐれた
よそ行き幼児が泣いている
わめき声は動物じみて
朝を病んだ善男善女の苛立ちを
憎悪域にまで掻き立てる
半ばは勤労地獄に子を詰 ....
 部屋が寒いと悲しくなった。手紙を書こうと思い立った時から、何かに追い立てられている気がしていた。八月は遠ざかり、友達は消え、毎日が残った。残っていたものものはべたべたと路上にへばりつき、それでも坂道 .... 突風だか竜巻だか
しんないけど
奴の進路を塞ぐように
四つんばいの格好で
お尻の穴を目一杯広げて
待ち伏せしてやるの
奴の破壊力と
あたいの吸引力
どっちが上か
勝負してやる

 ....
  
     
                   
ものを捨てる
なにかを捨てることに
ときにためらい うしろめたさを
感じながら
一方では恣意的な解釈を
遠いツンドラの泥土のし ....
僕には心がないのです、この充実ですか、これは何か砂糖菓子のような余分なものでしかないのです、ただ甘いだけでそこで閉じてしまいます、あなたはそんなに死にたいのですか、死にたいと言いたくて、死にたいと口に .... 「こっ、これは
 ただの糸電話じゃないですか?」
「そう見えますが違います
 iPhoneは誰とでもつながりますが
 itoPhoneは一人としかつながりません」
「持ち出して外で使えなけれ ....
アリエッティににてるから好きって

きみは、わたしのせんたくハサミのようなかみどめをはずしながらいった。

わたしはこびとじゃないわって
いうと

きみはこいびとだよっていって

かみをくしゃくし ....
河田町のランチ時
ショートカットの急坂を
曙橋へと下りる時
おとこ社員を従えて
登って来たのはお地味なあの顔
あべちよ
羽織ったカーデのあいだから
堂々お山の五合目見せて
やっぱ露出度 ....
木々の葉が周囲に
ざわざわ鳴っている 
{ルビ藁葺=わらぶ}き屋根の山門が 
中天の日に照らされている 

あの門を{ルビ潜=くぐ}った向こうの 
石段を上ってゆけば 
一体何処へ導かれ ....
好きな娘が
気分悪くて
吐いたとき
昔嫌いに
今はチャンスだ
久しぶりに短い文章を書きたくなったので書いてみる。短い文章を書いてみると何だかいつも久しぶりだ。嘘だけど。
先日、乗換駅のホームでセミを拾った。まだ生きていた。木のない駅で、人に踏まれるよりは草地に ....
{引用=一部内容に猟奇的な表現があります
不慣れな方はお読みにならない事をお勧め致します}
序章 ― 既視との遭遇 ―

尿意を催し真夜中
廊下の電気を点けた時
玄関の暗がりに一瞬、顔が浮 ....
子どもの頃
夏になると
庭に母がとうもろこしを植えた
毎日水やりをするのは
弟と私の仕事だった

「これ、なんていうとうもろこしか知ってる?」
「とうもろこしに名前なんてあるの、おねえち ....
うつが季節に負けそう
刺激を感じないのがカルチャーショック
昨日使わなれなかったモノに
何度トライしてもできなかったから
きれいに捨てるのってつれない
思うからできないのなら
「ロスト ....
今この瞬間にも色んなことが起きてる。
どうしてこんなに厳しい約束事だらけなんだろう
たったひとつの小さなミスが大きな軋轢を生んだりするなんて
ある個展で偶然見かけた親戚の伯父さんに他人のふ ....
振り切れずにそのままにしていた約20年近くを
2日間で片付けた
どさくさに紛れて様々な思い出も放り込まれて処理されていった
それを横目に見ながらも
もう二度と手に入れることはできないはずである ....
ホロウ・シカエルボクさんのおすすめリスト(388)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
工場- 草野春心自由詩10*13-9-1
Let's- 阿ト理恵自由詩8*13-7-31
冬の熱量- 平瀬たか ...自由詩4*13-7-10
猛暑日- nonya自由詩32*13-7-10
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、- 木屋 亞 ...自由詩6*13-6-15
ゾンビ・イン・ハイスクール- ゴースト ...自由詩3*13-5-22
妖怪辞典(抄)- salco自由詩13*13-5-22
妄想と夜の交わり- アラガイ ...自由詩5*13-4-13
キャッスルオブシューズボックス- 未満ちゃ ...自由詩6*13-3-24
アトリエのブルー- まーつん自由詩13*13-3-23
「ん」まで踏んばった「人」へ - 阿ト理恵自由詩13*13-3-11
野良ペンヶ浜- 平瀬たか ...自由詩5*13-3-11
全力住職- 平瀬たか ...自由詩3*13-3-10
永久の瞬- ただのみ ...自由詩27+*13-2-24
貨物- salco自由詩11*13-1-7
11本- Debby自由詩413-1-7
さよなら、竜巻- 花形新次自由詩412-12-4
蒼い思考_デッサン- 前田ふむ ...自由詩612-12-1
無題- 葉leaf自由詩4*12-11-30
itoPhone10- イオン自由詩14*12-10-8
きみ、ジブリがそんなに好きなの- 阿ト理恵自由詩12*12-9-24
がんばれあべちよ- salco自由詩8+*12-9-20
山門_- 服部 剛自由詩712-9-20
ゲロ短歌2- 花形新次短歌112-9-20
久しぶりに短い文章。- 小池房枝散文(批評 ...812-8-29
需要供給間- salco自由詩5*12-8-24
とうもろこしを茹でながら- そらの珊 ...自由詩19*12-7-21
廃」「廃棄物- アラガイ ...自由詩11*12-7-18
あの娘は僕に言ったよ- フミタケ自由詩112-7-3
遅すぎた青年期の終わり- 北村 守 ...自由詩412-5-13

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