淡く褪せた
印画紙
残る影を
指でなぞる
例えば私があなたに会えるのなら
全速力であなたのもとへ向かうでしょうけれど
あなたが愛し愛されたいのは
全速力のスキップで向かうようなひとなのですから
私にはなす術がありません。
ああ神 ....
靴下の 穴をかがれど またかがり
箱を開け ケースを出して また仕舞い
生乾き 取り込み部屋に 再度干し
夕方に 音のみ見える 人の業
久しぶりに散文を落とそうと思った。なぜってまぁ、仲治君の散文を読んだから。途中までだけど。面白かった。続きはまた読もうと思う。なんだかんだで、僕は仲治君の散文が好きなのだ。あと、イカイカさんも。イカイ ....
夜の
電車の
少し開いた
窓から、
夜の
多摩川の
水と
森の
匂いが、
染み出した
夜の
小さな
祈りから、
僕と
君が
右と
左の、
熱が
抜け ....
愛を奏でるちいさな小鳥
ちいさなちいさなちいさな小鳥
あんまりちいさなお声だもので
愛のおうたが届かない
夢の実の成るちいさな木の芽
ふわふわふわふわふわふわ木の芽
あんま ....
赤ちゃんの握りこぶしには
沢山の希望が詰まっていて
それを逃がさない様に必死に掴んでいる
あのね、僕はそう思うんだ
僕らは生まれてきて
自分で生きる事を選んだんだよ
だから自分で死ぬ事 ....
すっかり生ぬるくなったビールの向こうに
睡蓮の花が物憂げな顔で座っている
白い陶器の肌が青ざめて
透き通った光沢を放っている
その清楚な肌に触れることを許した
借金まみれの男の手が離れそ ....
口紅口紅口紅口紅口
紅口紅口紅口紅口紅
口紅口紅口紅口紅口
紅口紅口紅口紅口紅
口紅口紅口紅口紅口
紅口紅口紅口紅口紅
口紅口紅口紅口紅口
紅口紅口紅口紅口紅
口紅口紅口紅口紅口
紅 ....
なにも出来ない事をしっている
だから少し
悲しいのだ
そこに居ない自分
そこに伝わらない言葉
私の中で膨らみ始めた小さな声は
ほらすぐ
そのままで消えてしまった
小さな泡の様に渦巻きな ....
虹色街は雨上がり
いつでもずうっと雨上がり
だから毎日優しい気持ち
雨に洗われ
太陽に光る
虹色街は雨上がり
いつでも光の
粒が輝く。
ため息ばかりついてる 重く曇った日は
あなたを思う
会いたい 会えたらな と思う
せめてあなたの作る歌を聴きたいと思う
古くなったCDもいいけれど
現在(いま)のあなたに 息吹をもらい ....
今この瞬間
このタイミングで
あの日
じいちゃんは何を思って居たのだろう
確かまだ
南の島で
息を潜めていたのでは
無かったろうか
いや
野戦病院
だったろうか
それとも
帰国 ....
全てを手放した僕は自由だった
そうして彼女を両腕でつかんだ
抱きしめる
あても無く
永遠にさまよう為に
幾度と無く
愛する為に。
世界は少しずつ変わろうとしている
やわらかな春から夏に
秋に冬に変わろうとする様に
永遠があるなら見届けたい
どこに向かうのか
何を選び
何を置いていくのか
曇り空の向こうの太陽は相変わ ....
マダムヤーンは綺麗な人で
いつも小さな
花柄のブラウスを着ていた
ほんのり香る花の香水をして
静かに笑う人だった
ある日マダムヤーンのもとに
小さな蝶々がやってきた
蝶々は羽根を休め ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った
休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
朝が月を殺す頃
その細い首をきゅっと絞めあげて
太陽がごうんごうんと鳴りはじめ
白い光は
精液みたいにとろりと落ちて
ぼくは生まれてこなければよかった、
と思うのです
....
君の知らない私は私の知らない君に映る君の瞳の奥はどうなってるの知らないほうがいいって待っていたって空が青いだけおいてきぼりのこいのぼり
あさ
目覚めて
ゆれて
ぬれて
しみになって
はあはあと
モウロウとして
もう一度
眠る
夢は
見ない
それこそ
泥の様に
まだあめ
かしら
今日にははれる
かしら
....
暗闇の夢
暖かな夢
闇はやさしい
すべてを平等に包み込む
闇はやさしい
そこでは君を思う事も
そこでは青空を思う事も
みな同じ様に
溶かしてしまう
闇はやさしい
そこは ....
出勤中の車で横切った
開店前のガラス越しに
一瞬
「非常口」へと駆け込む
緑のひとが見えた
長い間繰り返される凡庸な日々から
抜け出す「非常口」 ....
耳掻きをしたら
大きな塊が出てきて
それはティッシュペーパーに包んで捨てたけど
なんだか聞こえが良すぎて
虫の鼓動まで聞こえた時は
部屋に入って来て邪魔な虫も
どうしても殺せなくて
埃の ....
{画像=080619012728.jpg}
私のテレビは
真空管から宇宙へと通じている。
だから赤と青と黄色の虹が
画面から青空へ架かっている。
そこでは
虚像こそが実体を有し、
存 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
ぼくの「片思い」は勘違いでした。
目の前のあなたに
「なまのこころ」で向き合い
瞳を合わせる時
互いの胸の両端は
よろこびの糸で
くいっ と結ばれました。
あなたの描いた世界を見ました
それは小さな小さな世界でした
あなたはそこで一生懸命に前を向き
そうしてその世界に落胆する事も
何かを望む事もせずに
それでもひた向きに生きたのですね
私 ....
いい夢
いい夢
小さな目
見ている
先には
空の雲
いい夢
いい夢
小さな手
吹いてる
鍵盤
ハーモニカ
いい夢
いい夢
何の夢
今は
お休み
ぐっすりと
....
失敗しなくちゃ分からないこともある
そんな日だった
至らない自分が悔しくてどうにも疲れる
鉄の心のつもりが
決壊しそうなのを
必死で補強してる
変わり映えのしない
どちらかといえ ....
神様は悩んでいました。
天国が今日も平和だったから。
そして
地獄は今日も狂気があふれていたから。
天国は平和なところでした。みんな優しく、あたたかな家族のようでした。
地 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11