「 君よりも リア・ディゾンがね 好きだから 」
結婚しない理由それだけ
舌先が絡める熱い銃口の鉄の苦みは血の味に似て
約束の指でいざなうライフリング自我突き破る濡れた弾丸
背徳を縛る鎖の錠を撃つ。ふたつの魂(たま)は逝く果てもなく
細く締まった自慢の手首を見つめていた。
そこに走る血管を見据えて、
そこから血が溢れ出すのを想像しては自分を慰めた。
あなたがどうしたら後悔するか、そればかりを考えていた。
誰かに愛された思い出だけが去来して秋
人を愛した記憶だけが吹き抜けて青空遠し
コーヒーを飲みながら
オレオでオセロをすると
きみは決まって怒る
きみが黒
手持ちのオレオが両面黒になるよう、ハンディをあげ分けているのに
それがひどいとなじる
こ ....
本当は明るい詩を書きたい
ラブアンドピースって歌ってみたい
だけどなんだか虚しくなる
音楽は神じゃない
辛いって言ってはいけない
死にたいって口にしてはいけない
....
茨城県の片田舎の
高速道路建設工事現場の赤色灯を
福岡県八女市の
電飾菊のあるビニールハウスの入り口へと
導くことは
僕には容易い
高速道路開通―
それより先にできた
道がある ....
悪戯に誰かがブレーカーを落とす。
それは、
ぼくが自動販売機のボタンを押す
「ガチャン!」に似ているが、この場合
取出し口に落ちてくるのは
缶ジュースでなければ、煙草でもない
一冊の詩集だ ....
あんな色の宝石を買ってやったよ、
連れの中国人は奥さんと違う名前を言った
おまえも買ってやれよ、
そんな金も暇もないよ、とは言わなかった
それは本心ではないと思ったからだ
蔵王山頂からカル ....
バナナがふとい
ねえ
世界から見ると
あたしは何色に見えるんだろう
置き去って寂しくした彼を思い出したりしない
ひとりじゃないから
週末はいつも、
なんかどっかオカシイ。
楽器が欲しくて。
悪い仕事始めたりして。
おやすみって、
おっきな声で言った。
寂しくなんかないもん。
気分はいいもん。
ご無沙汰し ....
知らない間に溜まっている
財布の中のいらないレシート
レンタルショップ
スーパーマーケット
コンビニ等
合計17枚
中には半年前のもあって
インクの文字が薄くなっている
夏 ....
美とは
美しいことは
それ一つだけで良い
比較すべきBやCはない
鳩の雛は可愛い
それだけを思うがよい
風に揺らぐ灯芯のように
一つの愛
一つの美が
吹き消さることなく ....
秋から冬へのかわり目だった
昔やった結核のあとも痛んだ
今週はお葬式がふたつあった
まだ午前11時だというのに
夕方の重さを含んだ光だった
曇り空はいい方かも知れない ....
十四歳で月光になってしまった
あどけない少女は、くちのまわりを群青まみれにして
細長くのびる、雲の向こうへ消えた
高架下には、濃紺のスカートが脱ぎ捨てられていた
河川敷には白い靴下が、くる ....
もし仮におれがカボチャになったらどうする?煮物か天ぷら?だよね同感。
ゴム跳びのループの中で
時が止まったのは
宇宙のどこかで
誰かがゴムを踏んで
時を終わらせたから
ほとんどの人達が
そのことに気づくことなく
永遠であるかのように
演じているだけの
....
涙はチロチロと泉へ落ちて
もう両手ですくえるわね
相手がいないとできないこともあるわ
天の川のように涙のつぶは宝石にならないかしら
薬指はまだ空いてるの
わたしの素敵な小踊りを
....
永遠に
きみの唇は光って
そこにいる
恋をしている
ぼくは親切になる
首をまっすぐに
遠いしたを見つめて
肩も足も
ひとりじゃ動かない
に ....
ピッチャーの投げたボールが
輪郭をあやふやにして
雲の形になり
やがてひつじになって
待ち侘びていたバッターと
いっしょに頁から退場していく
指が擦り切れるまでめくり続け
....
彼女は明るい細部をしている
指が超高精細ロケットの
明るい反射光にきらきら
光っていてまぶしいんだ
原っぱでみんな風船もって
色とりどりの風船もって
さあとばそうよすぐとばそうよ
....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます
ぼくが、ベーコン ....
潰れちゃったらしいよ
昔に、
二人で行った旅館が
料理も旨かったし
僕らの思い出の場所だったのに
残念だね
思い出の旅館は無くなってしま ....
すべてうまく消せたなら
だれも迷わなかったろうに
わたしのおさない手では
触れることすらできなかった
書いたのはだれだったっけ
望んだのはなんだったっけ
忘れたふりを
できるよう ....
高層ビルの屋上から
飛び降りる
観覧者に手を振る余裕はないけど
地面の凸凹が鮮明に迫り
接地に至ろうとする瞬間
バサッ、と 翼が背中から
それは貴方かもしれない
観覧者に ....
陽が堕ちる。
また今日という日が喪われていく。
眠りから醒めて、再び眼を開ければまた新しい1日が与えられる。
その時には古びた今日はもう死んでいるだろうか。昨日という過ぎ去りし墓 ....
汗ばんだ背中をなでてみたら、
あなたの目の中のあたしが鳴いた。
(それは寒い冬のような気さえしたけど)
あなたのレディー・ゴディバになろうとしたら
きっと君には似合わないといって
....
唄え愚者
己が小心
奮わせて
賢しき知恵より
愚直なる意志
あなたとの すき間に埋めた あの夢は どこに根付いて いるのでしょうか
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