すべてのおすすめ
ときどき風がつよくふいたし
ときどきかみなりも落ちた
照り返しのきつかった床の一部はいまは色あせて
わたしは懺悔しなくてはならなかった
雨の降るようにはひとを好きになれなかったし
嫌いに ....
夢でおちたばくだんを
昼まで胸に抱えてうろうろ過ごしている
人びと、
街の風景はあまりかわらないが
夜、ようやくわすれたころに見る夢に
ばくだんが落ちてくる

たいていばくだんには詳 ....
わたしはよこ向きにうつ伏せて
雨のふるのを聞いていた
かすかにモーターの音が混じっていた
どうしようもなく世界が果てしないと
思っていた水色のとき
返事がこなくなって
1000年がたった
もしかしたらあの空の
ちょっとうすく雲がかかったところにひっかかっているのかもしれない
ひな鳥のはじめての飛行を手助けしているのかもしれないし
ゆ ....
どうして どうしても
美しいだけが
とりえなら
海とか空とかそういうのに溶けなかったんだろう
こんなにあふれても
溶けなかったんだろう
答えみたいな問いのなかで
眠ることにする

 ....
まだ、
ここがどこかわからずに
過去のあなたをまっている
朝顔のうすい花弁をさわって、
甘いような気持になっていたあなた
履きつぶした靴ほどにすべてを好きだった
わかっていて手をつけない
転ぶ一秒まえ
前のめりに笑っている
わたしをみとめてくれますか
記号のような体を結んだ夜を
心とはよべない
わたしたちの命が
わからないどこかで燃え尽きてしまう
祈りがなみだのようにあふれだした
はみだして 行き場のない ことばたちが
過去へかえっていく
そうだった
あなたに 出会うよりもまえから
あなたのことを 好きでした
みつめあうよりも
ずうっとまえから
わたしのどこか ....
あなたは眠る
虹のした

なぜ
胸がこんなにいたいのか
そうして
なつかしく まぶたをとじる
なにかやましい
気持をかくしながら
愛している、
とささやくとき
空や海はいっそうまぶしくうつります

目を閉じていてもわかってしまう
わたしが
どれほど
くらいものであるか
 ....
わたしたちはいまも迷子だ
なにもかもを揃えたとしてもどこへも届かない
あふれたいのにまだそこにいる
水たちの憂鬱を細胞に湛えている
思うようにうごかない心に嘘をついて身体が出掛けて行く
愛とか夢とかそういう言葉は
壁を飾るのに使ってしまった
もたないまま靴を履く

どんなにいいだろう
わたしが誰かわかるんだったら
 ....
わたしたちは
とうとう逃げきって
朝をむかえた
そして気付いた
逃げばのない愛しさの死のちかさ
そのふたは
正規のものでなかったので
がちりとはまって
もう取れることはなかった

しかたないのだ
知っていてしたなら愚かなことで
知らずにしたならもっと愚鈍で
かといって開いたま ....
季節にへばりつくようにはずかしく生きて
それでもすずしい女でいるのも
ひとつの責任かしら
唾を吐くように忘れゆくよりは
忘れられながらここにいるほうが
潔いことにみえる
駐車場
気持はいつも
うち側へはじけたから
つまらない奴だと言われていた

たしかにわたしは
つまらぬ女で
するすると全部抜けていってしまうのだ
やって来て 去っていく

いくつもの時間 ....
詩人たちはとしをとって
もうあまりうたわなくなった
すばらしいいくつもの詩集はとじられたまま
本棚にじっとすわっていた
それからもまた時間がたって
詩人たちはますます黙したまま
だんだ ....
あつい夜
きみはかんたんに
きみを脱いだ

なにも覚えていられないくらい
美しい夢が終わって
抜けがらとぼくは朝を迎える
そうしたらもう
どっちが思い出なのかわからなくなっているん ....
わたしたちがあんまりゆっくり歩いたので
街はどろどろに溶けてしまった

間にあわなかったね

でもべつによかった
まだ潮や空はのこっていて
わたしたちはもっていたパンにそれをつけて ....
ふりむくと
奇妙なかたちのひかりがうようよ浮いている
まぶしくてからだに逃げ込むと
そっくり同じかたちの影がならんでいる
そしてそれは穴ぐらのようになる
きのう わたしの影が あなたをつれて帰ってきた
しばらく影をふまないよう気をつけて生活していたが
そのせいだろうか
念の為にかけた
あなたへの電話はいつまでも繋がらない
ゆく道には死がしきつめられており
きた道にもまた同様にある
足元をちょっと切りぬいて四つに割り
オーブンにいれて温める
角の溶けたところをみてとりだして
塩と蜜とで齧ってみれば
なんの ....
おさないうぶ毛はやわらかく見えるが
じつは火花のように爆ぜていて
抱くと心地よい痛みがはしるのだ
いまはまだおさないあなたの
火花がだんだんと肌のおくへおさまって
それから花火のように打 ....
ひかりのなかで
影が 退屈している
あきらめたように
ねそべって

抱きしめてやる
手を伸ばすと
とたんに
わたしに溶けてしまう

ひかりに溶けないわたし自身が
こんどは退屈 ....
色吸いはたとえば
女のこたちのまつ毛のなかに住んでいる
彼女たちがねむたげにまばたきをするときには
世界の端の七色を
色吸いたちがひそやかになめているのだ
だってもう夜は綻びはじめて
あかるい掌をみせている
足のはやい子はそこへたどり着いて笑っているが
わたしの足はなぜこんなに重たいのだ
ひらひらとあかるい意味の内側、
さるすべりの花みたい ....
わたしたちは水辺に立って
空が落ちるのをみていた
低い街はもうみんな焼けて
森たちは水びたしになった
わたしたちはみていた
焼けたりふやけていくそれらを
そしてちゃんと知っていた
ぜ ....
夜には
夜がある
朝に
花が目覚めるように

わたしには
わたしがある
はずなのだが

たとえば
あの壁を殴っても
痛い
とは言わないが
拳はどうだろう

雨たちや
 ....
あったりかさねたりしても
ことばを持たないふたりなら
笹舟のように流されていられたかもね
ことばを持たないふたりなら
殿上 童さんのはるなさんおすすめリスト(484)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
懺悔- はるな自由詩515-9-8
ばくだん- はるな自由詩515-9-3
モーター- はるな自由詩515-9-3
返事- はるな自由詩4+15-8-24
ことにする- はるな自由詩215-8-24
過去のあなた- はるな自由詩215-8-21
転ぶ- はるな自由詩415-8-18
祈り- はるな自由詩215-8-17
どこか- はるな自由詩415-8-13
- はるな自由詩415-8-12
やましい- はるな自由詩415-8-8
floccinaucinihilipilification- はるな自由詩215-7-31
柵のない檻- はるな自由詩315-7-30
いとしさ- はるな自由詩215-7-28
ふた- はるな自由詩315-7-28
駐車場- はるな自由詩315-7-27
ちりぬるを- はるな自由詩715-7-25
ゆれる- はるな自由詩215-7-24
あつい夜- はるな自由詩715-7-23
夕食- はるな自由詩315-7-23
穴倉- はるな自由詩215-7-16
わたしの影- はるな自由詩415-7-15
正夢- はるな自由詩415-7-14
火花- はるな自由詩315-7-13
退屈- はるな自由詩315-7-12
色吸い- はるな自由詩715-7-12
憧れ- はるな自由詩415-7-12
水辺で- はるな自由詩215-7-6
- はるな自由詩315-7-3
笹舟- はるな自由詩115-7-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する