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風呂場のタイルの絶望が
部屋の柱のさびしさが
寝息にしめる秒針が
角で拾った意味たちが
そこら中で
縮こまる
息をひそめる
死のうとしている
涙のかわりに
泡で濡れてる
目がさめて
なすこともなく
壁にうつる影をみている

となりであなたが
光だね

言った

そのとき
どうしようもなく
たとえようもなく
わたしは
あなたでした

 ....
今日が終わる
あなたの背中のうえで
今日が終わる
犬の鳴き声
今日が終わる
ひらたく冷える空

今日が終わる
祈りと祈りでないものを混ぜて
今日が終わる
煮炊きの幸福
今日が終わ ....
おわりに腰をかけて
せなか側の世界をのぞいた

おわりに腰をかけて
いったいどちら側へゆけばいいだろう

いま
星がわずかに降っている
みおろす私は水に似て
あるく人びとは胸いっぱいの記号を抱えている

穴のあいた人間にばかり恋をして
たどりつく知らないまちで
気が付けばまたみおろしている水のさみしさよ
蟻を奥歯でかみつぶし
くるぶしを白くいじめていた

ここにはなにもない

あまりに寒く
はく息を凍らせて
楽器のように鳴らしている

見たことのない誰かの部屋の窓が
すこし
 ....
夜たちと
あなたのことを考えていて
朝がきても
あなたのことを考えていた

世界は朝で

わたしは光の這う床に座り
あなたのことを考えていた

あなたの髪の毛や
皮膚や音を

 ....
人と街が食べあっている
道路にたち

あふれるように行き交う時間の
どのひとつにも乗りこめない

きのうの夜
きみが外した錠を
どの時間にかざしてみても違う

もうだれにも会え ....
床をみがいて
部屋じゅうに火をうめる

相変わらず窓べに立って
術なくそとを見つめる

知らないひとの背中が
つぎつぎと消えてゆき

今日も今日が終わるね、
と言うと
終わる ....
生きのびるための愛なら
いらない

いらない
絶望を孕まない幸福なんて

いらない
あれも
それも

いらないよ
夜を裏切らない朝も
朝を待ち侘びない夜も

いらない
 ....
わたしがわたしに出会う前

わたしは静かに息をして
あなたの世界の音を待つ

あなたの影が煮詰まって
匂いたつ夜をひと匙掬い
かわいた瓶に蓋をする

あなたは馬鹿な鮭みたく
わ ....
旅のおわりをかんじていた
あなたと
向かい合っていたら

一対のカップと湯気のむこう
あるいはガラス窓のすぐあちら側の世界

あなたの考えていることが
いちどでもわかったなら

 ....
ほんとうにさまざまな椅子があります。家具屋
わたしはひとつに腰掛けて
にっこり笑う。おそれる
広いまどには一羽ずつ天使が張りついて季節を監視しているので

おそれる。
とるにたらないこ ....
きょうは街が
青く繁っている
角じゅうに発生する
感情を食べているので

三時になったら
たばこ屋の角を曲がる
ひとつの体を
なんとか動かそう
雨がふっても
きっと曲がろう
 ....

すべるような肌のうえで
銀色はしずかに鳴り
あなたの呼吸とおなじ間隔でふるえながら
ありもしない幸福に
触れることさえできる


目を覚ますまえに君は
降りつもった時間を
 ....
磨いた床に
シンナーをこぼして
ここには
奇跡があふれかえっている
乾いた緑と肌
鏡を抱いたままの昨日

誰かを愛していた
ということはつねに
それが終わってからわかる
泣きやんで ....
火のない部屋のなかに
あなたをさがしている
茶色く終わった時間がころがっている

あの日
海には
六羽の白いからすが
まるく座っていたそうだ

傷口は凍るので
わたしたちはまだ ....
だれのための人生でもなかったはずだ
色や歌や 波の寄せては返すいとなみも
だれかのためのものじゃなかったはずだ

黒も灰色も水もかなしみも
それぞれべつべつに落ちているだけの
それだけ ....
浴室で
血は
思うより
少しだけ赤い

一枚ずつ意識を剥いでゆくと
なつかしさの手前で
熊たちが手をふっている

わたしは
もう
あなたがしてくれたようには
わたしを愛せな ....
グラスのふち いちばん
ぎりぎりのところに
つかまって
あなたが落ちれば
わたしも落ちる
わたしが落ちれば
あなたも

でもべつべつの
ところに

こぼれおちたさきで
明日 ....
ふくらみの去ったあとに
なぜつめたさが残るのだろう
もともと無いものばかりもとめる

いつも見つめるたびにこぼれる
気持ちになまえをつけるのはやめて

指をあらって
木を植える
 ....
疲れはてて
うす青い体
つめたい指をかさねて
あなたに辿りつく

まだ色のない明日を持ちよって
どんな夢を見よう
どれくらいの夢を見よう
あなたに会いたいと思うことと
あなたを好きだと思うことが
同じことなのかどうかもうわからない

寒さと暑さが
痛さと快感が
朝と夜が
どう違うのかもうよくわからない

わかりたい ....
あなたの顔に
穴が一粒

紐を通してくれと
言うが

どれだけ手繰り寄せても
紐のはじまりが
やって来ない
うつくしいのは
なぜだろう

横顔 曇天 カップの重み

うつくしいのは
なぜだろう

深緑色 かわいい恐怖
ふるえて立ってる電信柱

うつくしいのはなぜだろう
死なないも ....
あれから
いくつかの詩を書いた
ふたりとも
無言で

色にも
光にも
夜にも かまわずに

いくつかの詩をかいた

鳥が飛ぶのにも
種が蒔かれるのにも
気づかないで

 ....
あなたのはく息は
わたしのよりも
ちゃんと白いね

あなたの手のひらは
ぶ厚くて温かく
冬が
さむいのだとわかる

うしろから抱き込まれると
まるい刃物に刺される心地が
した ....
文字では
なにも言い表せられないし
音では
踊らせることはできないし
絵筆と色では
なにも
描くことができない

あなたが
どれだけわたしに近づいても
あなたに
触ることもで ....
耳が痛い

あなたが言うので
のぞきこんだ

産毛に抱かれるように
あなたの
恋人からの言葉がひかっている

それを持ち帰り
窓辺においてやると
いよいよ優しげにひかってい ....
愛していると言うことと
愛していると思うことは
まったくちがうわね

窓際に立ち
君はうたう

愛していると囁かれることと
愛されていると感じることは

日没、空あかく
 ....
殿上 童さんのはるなさんおすすめリスト(484)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
泡で濡れてる- はるな自由詩313-1-7
- はるな自由詩613-1-4
今日が終わる- はるな自由詩812-12-31
星がわずかに降っている- はるな自由詩512-12-31
みおろす- はるな自由詩412-12-30
- はるな自由詩512-12-29
- はるな自由詩512-12-26
道路- はるな自由詩312-12-24
- はるな自由詩612-12-23
- はるな自由詩312-12-20
影と鮭- はるな自由詩212-12-19
椅子と影- はるな自由詩312-12-18
部屋と椅子- はるな自由詩412-12-16
街と部屋- はるな自由詩412-12-15
銀色- はるな自由詩612-12-15
絶頂- はるな自由詩612-12-14
火のない部屋- はるな自由詩1012-12-10
つながりはじめる- はるな自由詩212-12-4
熊たち- はるな自由詩412-11-30
ふち- はるな自由詩512-11-30
木のなまえ- はるな自由詩312-11-28
あなた- はるな自由詩312-11-27
_- はるな自由詩312-11-24
- はるな自由詩5+12-11-24
深緑- はるな自由詩512-11-24
出会う- はるな自由詩312-11-21
まるい刃物- はるな自由詩412-11-21
壁紙- はるな自由詩512-11-18
- はるな自由詩812-11-15
日没- はるな自由詩612-11-12

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