街と部屋
はるな


きょうは街が
青く繁っている
角じゅうに発生する
感情を食べているので

三時になったら
たばこ屋の角を曲がる
ひとつの体を
なんとか動かそう
雨がふっても
きっと曲がろう

いつかは
わたしも街へ
青くささげる感情を
発したいわ
いままでは
自分のためだけに沸かしていた
情熱みたいなものを
ささげるために

かためた決意を
冷凍庫にいれた一時半
はく息が白くて
生きているとわかる
だれかが泣いていても
悲しくはならないけど
いつかは泣きやむことを
忘れてはならない

それから
部屋のなかを
あたたかくして
思い出を思い出していた
部屋はどんどん赤くなり
このままでは
決意は出したとたんにとけてしまう
わかっていながら
部屋はますます赤くなっていく


自由詩 街と部屋 Copyright はるな 2012-12-15 17:47:03
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