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わたしは、
与えられない
ことを知らない。
与えられる、
奪いとることは
子供の頃から知っていた
諦める、
身を引く
距離をおく
ことも理解できない
わたし ....
赤くはれあがっていく
この諸手が欲しがるものは、
べっとり熱い熱
弾力の赤い海にのせて弄んで
流し込む遠い川。

くだってくだって
流れていくと
聴こえてくるのは
 ....
誰にも見られたくないものを
何故、あなたは見ようとするのか
誰にも言われたくないことを
何故、あなたは言おうとするのか
誰にも感じられないことを
何故、あなたは感じようとするのか  ....
『鋏』


月が、
夜に噛まれる。
欠けていく姿は
溶けて海となった
残り少ない流氷
その上に、
この足は立つ
諸手は木の柱に括られて
身動きができない。
足 ....
あの日以来、
君のその瑪瑙色の目を見てから
すべて吸いとられてしまった
この腕にじみついていたものすべてが
洗い流されてしまった

君のその瑪瑙色の目を見てから
ぼくの黒い目 ....
『腕』      あおい満月

しかくいまちの
しかくいまどから
しかくいそらをみている。

陽炎の向こう側を
車が走る
人々はアクセサリになって
街の腕を滑っていく  ....
しをかんがえる。
詩をかんがえる。
死をかんがえる。

詩は、
死の鏡
人は死ぬ瞬間に
必ずひとつの詩を残す



ぽとん、
グラスのなかの
水に赤い汁 ....
プラットホームの蛍光灯を
なぞりながら
おりてくる
ぬくもりをもった
夜の闇。
夜の市ヶ谷駅の
下には釣り堀があって
人々はうなだれながら
みたこともない
翼の生え ....
のみこむほど
のどに毛がはえてくる
缶チューハイは
めぐりめぐる
血をおしとどめる
からから
血の笑い声がきこえる
ひとりになりたくないだけだろ
なをかえたいだけだ ....
うまれるもの。
うすかわをむいて
むききったさきに
にじみでるしるは
なつかしいうみの
あじがする。



うまれかわるもの。
せつなにきりかわる
でいた ....
さとうとともに
ながしこむ
ひげんじつ
とうぶんは血にまじりあって
あたしを死にちかづける
それでもいい
と影がいう
夜毎夜毎
とうぶんを測ってくれと
さしだす魔女 ....
鏡の前のぼくの瞳に映る彼女は
血の涙をながしている
彼女は聖母なんかじゃない
手には電気コードを持っている

黒い電気コードが
ぼくの首を締めつける
ぼくの口から彼女の手が這 ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない

わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋

大きな流血の ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
わたしには、
嫌いなものがある
それは自動ドアに映るわたしの姿だ
内股歩きの巨体が
いくら進んでも前に行かない
こ ....
あたしの爪が赤いのは
マニキュアを塗ったからではなく
あなたの身体を突き刺した血で赤いのだ

あたしはいつも
爪に尖った金属をつけている
あなたとこの身を交わすときは

あ ....
買い物袋を持つ
袖口から覗く彼女の腕には
野犬に噛まれたような夥しい赤い痕がある
ぼくの腕にも、
同じような痕が犇めいている  ....
この部屋中にある
あらゆるものを突き刺して
壊れたオブジェをつくる
グラスも、時計も、棚も、オルゴールも、
本もめちゃめちゃに破い ....
わたしから、
誰もがみんな目を叛ける
見える人には見えてしまうのか
わたしの眩しいくらいの死線が

わたしはい ....
針穴に髪を通す
布地にぷすぷすと縫いつける度に
疼きだすわたしの心臓
心臓にもぷすぷすと
穴が空いている
踞るうちに  ....
こんな夢を見た
わたしはぼたぼたと
血を滴らせながら
部屋中を歩き回っている
わたしには、
左手がないのだ
鋭い刃物ですぱんと切られ
血が止まらない

母親はいつもの ....
わたしの家のポストには
いつも一枚の封筒が入っている
その中身は、
黒い活字体で
「あなたの血を提出してください」  ....
高揚を求めながら
沈み込んでいるたましいは
かわりながら
かわることの意味をしらない

やさしさがオセロの ....
いつからだろう
わたしがわたしに
なれてしまったのは

やわらかなしかくい世界で
まるくなったとしても
とがってみたとしても
しか ....
今はもう忘れてしまったけれど
たったひとつ、
おぼえているものがあるとするなら
朝の理科室で
フラスコに入れた無色透明な液体 ....
あめがかたにふるのは
このうちのねつをしずめるため
あめがかたにふるのは
このてをもりにかえすため
あめがかたにふるのは
のびたおもい ....
八方塞がりとは
こんな気持ちをいうのだろうか
こころの深い奥で
前に進もうとしても進めない
強い何かで  ....
ことばにならないものが
渦を巻いている
それはある期待なのか
失望なのか
わからない

明滅する影と光が時間のように  ....
こころのなかに
海が浮かぶ
深く蒼い紺碧の海

ひとつの闇から
光を見出だそうとするとき
かならず海が浮 ....
幾度か巡ってくる夜に
海になりたいと願う
十六夜の月など見たことがないのに
叶わぬ永遠を願っている

いつかはあなたの海になって  ....
あおばさんのあおい満月さんおすすめリスト(100)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
箱庭チルドレン- あおい満 ...自由詩314-8-24
- あおい満 ...自由詩514-8-24
- あおい満 ...自由詩19*14-8-20
『鋏』- あおい満 ...自由詩814-8-18
君の目- あおい満 ...自由詩5*14-8-18
『腕』- あおい満 ...自由詩7*14-8-18
『鏡』- あおい満 ...自由詩514-8-10
『うたごえ』- あおい満 ...自由詩1014-8-6
晩餐- あおい満 ...自由詩414-7-23
ぴいらあ- あおい満 ...自由詩914-7-16
『懐中時計』- あおい満 ...自由詩214-7-12
『担架』- あおい満 ...自由詩513-9-1
『生血』- あおい満 ...自由詩8*12-12-4
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
『すがたみ』- あおい満 ...自由詩7*12-11-28
『鎖』- あおい満 ...自由詩6*12-11-25
『共喰い』- あおい満 ...自由詩6*12-11-15
_『逆流』- あおい満 ...自由詩512-11-11
_『架空の地上』- あおい満 ...自由詩4*12-11-9
_『投影』- あおい満 ...自由詩4*12-11-7
『切断』- あおい満 ...自由詩3*12-11-7
『赤い督促状』- あおい満 ...自由詩3*12-11-6
_『無題』- あおい満 ...自由詩4*12-3-2
『やわらかな四角』- あおい満 ...自由詩9*12-2-14
『枠のなか』- あおい満 ...自由詩12*12-2-11
『あめがかたに』- あおい満 ...自由詩7*12-1-29
『抑制と希求の間』- あおい満 ...自由詩7*12-1-15
『古い写真』- あおい満 ...自由詩7+*12-1-12
『ひとつの、孤独のために』- あおい満 ...自由詩9*12-1-11
『海になる』- あおい満 ...自由詩11*12-1-10

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