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「幸福の青いベンチ」は 
いつのまにか色褪せ 
人々の重みに板も、折れていた。 

僕はそろそろ背を向けて 
新たな地平に、歩き出そう。 

遠ざかるほどに小さくなる 
「幸福の青いベ ....
「明るい私」を演じる日々に疲れて 
休日は体を丸めた蓑虫となり 
布団に包まる 

{ルビ転寝=うたたね}の間に 
夢の運転席で僕はハンドルを握り 
並走する左の車線に 
追いついてきた ....
たこ焼きを買うといつも 
棒が二本添えてあるのは 
何故だろう・・・? 

屋台の太ったおばちゃんよ 
ついこの間 
惚れた女に逃げられた 
寅さんみたいな俺さまに 
ずいぶん気が利く ....
只 線路は一直線に 
遥か彼方の空と地平のすき間に向かって 
突き刺さっている  

ふいに 
何処までも歩けそうな気のする僕等は 
とてつもなく緩やかな引力に 
否が応でも 
いつか ....
どうやら僕は
今迄の思い出を 
大事にしすぎたようだ 

部屋の中は 
まだ終えてない宿題みたいな 
山積みの本  

ポケットの中は 
札は無くともささやかな記念日の ....
屋久島の暮らしでは 
無数の鯖が 
村人達の手から手へとまわり 
こころからこころへとめぐり 

一匹の鯖を手に
樹木のように立つ老人は 
不思議なほどに 
目尻を下げる 

夜明 ....
僕がみつめるひとはそっぽを向いて 
僕をみつめるひとと目を合わせずに 
交差点ですれ違いゆくお互いの間にはいつも 
この手に触れ得ぬ、宙に浮いた 
空気の破れ目がある 


立ち止まり  ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
猿の姿をした雲が 
夏の夜空をゆっくり流れる 
胸の雲間に 
今にも満ちそうな月を 
光らせて 
「幸」という文字を 
鷲づかみしようとしたら 
いつまでたっても 
この手は空を切りました 



全てを手放し 
両手をまあるい皿にしたら 
今までよりも「幸」の文字が 
くっき ....
食事を始めた 
一口目に 
山盛りポテトフライの皿の 
隅っこにのせられた 
パセリを食べる 


噛み切れない小さい葉達が、苦かった。 


今日も世界の
あちらこちらの食卓で ....
「オクターブ」という 
ぼくの素敵な詩友の本 

表紙を照らす 
オレンジの陽だまりが 
不思議な熱で 
夏風邪に冷えたぼくを 
温める 


頁を開くと、追悼詩。 


若 ....
一日の仕事を終えて 
家の玄関に入り 
靴のつまさきを揃えて置く 

また新しい陽は昇り 
玄関を開いた道に 
うっすら滲む 
涙の跡を辿ってゆけば 

渇いたところで誰かを 
今 ....
ら ら ら という文字が 
いつのまに薄れゆく 
都会の空です 

と ほ ほ という文字が 
滲んだ墨汁の雨雲となり 
黒いにわか雨の降りそそぐ 
21世紀のTokyoです 

黒 ....
遥か昔「人は弱い時にこそ、強い」と語った 
旅人の屈すること無い「精神の柱」について。 

ある時彼は頭の良い哲学者に嘲笑され 
ある時彼は民衆に石の霰を投げつけられ 

( 人々が立ち去 ....
三日後にわたしは 
三十三年間着ていたわたしを脱いで 
風の衣を着るだろう 

その時世界の何処かに響く 
あの産声が 
聞こえて来る 

その時空から降る 
透けた掌と差しのべるこ ....
旅先の友を訪ねた 
帰りの列車のシートを倒し 
ポケットに忍ばせた 
ウイスキーの小瓶を一口 

喉が焼ける一瞬、
の後に 

聞こえて来るのは 
我胸に とくん とくん と響く 
 ....
  私がこの世に産声をあげたのは、一体何故
 であろうか?・・・十代の頃からその問は、
 胸中に芽生えた。あの頃、私の心の土壌に顔
 を出した芽は、現在三十歳を過ぎた私の心の
 土壌深くに根を ....
いつまでも続くような 
ひとりの加速道路を 
たらたらと運転しては 
サイドミラーをびびって覗き 
High Wayに入れなかった 

もし勝負の分かれ目があるなら 
合流前の加速時に  ....
一日働いていれば 
あちらこちらから 
いろんな形をした石が 
飛んで来る 

痛みなんかはないふりで 
ほんとうは、あちらこちらに 
こぶは膨らみ 
あざは残り 

なんでもない ....
仕事帰りに立ち寄った 
ファーストフード 

若い女の店員が 
次から次へと
メニューに追われ 
調理に追われ 

カウンター内を 
ひいひいとした顔で 
荒っぽく動いているのを見 ....
「国宝薬師寺展」の垂幕が 
灰色の壁に掛かった
上野の美術館 

瞳を閉じる 
観音像の絵が待つ入口へ 
長蛇の列は
ゆっくり進む 

 ぽつり ぽつり 

曇り空から
降り出 ....
誰かの投げたボールが 
もしも飛んで来たならば 
投げ返すよりも 
よけましょう 

( いずれ背後に、ボールは消える ) 

誰かの投げたボールが 
もしもよけきれなかったら 
胸 ....
雨のそぼふる 
路面に一人 
いつまでも濡れている 

あの丸い小石に 
僕はなれるか 
アクセル踏みすぎちゃったり 
ブレーキ掛けすぎちゃったり 
右に左にハンドルを 
きりすぎちゃったり 


( 運転は「その人」があらわれます )  


誰もいない助手席 ....
教習所の便所の窓辺に 
もう十日以上も 
大きな蚊の死骸が横たわっている 

無表情な丸い黒目 
力の抜けた細い両足 
広げたままの羽 

小さい魂は 
すでに 
何処かを 
{ ....
 今月の「ぽえとりー劇場」に参加してくれたdice
さんが朗読した詩のテキストを送ってくれたので、当日
の雰囲気を思い出しながら、レポートを補足します。朗
読のレポートは感覚的に書いていますが、 ....
 路上に棄てられた 
 くしゃくしゃのちり紙が 
 一瞬 
 白い薔薇に見えた 

 一人の同じ人間は 
 {ルビ涎=よだれ}を垂らした顔にも 
 後光の射した顔にも 
 なれるだろう ....
  からからから 


バスの車内の床を
なすがままに転がる 
誰かが忘れたコーヒーの空き缶 


  かーん 


いい音立てて 
優先席の爺さんの 
杖にぴったり止まった ....
昨日は雨のそぼ降る神保町の 
古書店の並ぶ街並みを 
地図を片手にさまよい歩いた 

みるみるうちに地図は濡れ 
丸めた白い魂にして 
ポケットに入れた 

翌日ポケットから取り出し  ....
あおばさんの服部 剛さんおすすめリスト(541)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
救世主からの伝言_- 服部 剛自由詩408-10-13
夢の道路_- 服部 剛自由詩7*08-10-11
串棒二本_- 服部 剛自由詩9*08-9-28
「?」の終着駅_- 服部 剛自由詩208-9-22
Freedom_Song_- 服部 剛自由詩32*08-9-22
屋久島の鯖_- 服部 剛自由詩11+08-9-14
(_星屑ノ唄_)_- 服部 剛自由詩6*08-8-28
免許を取れた日_- 服部 剛自由詩27+*08-8-26
猿の魂_- 服部 剛自由詩708-8-14
幸せの文字_- 服部 剛自由詩508-8-14
パセリ達_- 服部 剛自由詩1708-8-12
ジムノペディ_- 服部 剛自由詩10*08-8-12
明日の道_- 服部 剛自由詩3*08-8-9
「_ら_ら_ら_の人々_」- 服部 剛自由詩4*08-8-3
死紺亭兄さんへの声援(エール)_- 服部 剛自由詩8*08-7-31
風の衣_- 服部 剛自由詩2008-7-8
蜃気楼の街- 服部 剛自由詩208-7-1
砂丘の花_- 服部 剛自由詩508-6-18
「_隣の薔薇_」_- 服部 剛自由詩508-6-18
ましろい顔_- 服部 剛自由詩2+08-6-6
風の会釈_- 服部 剛自由詩308-6-6
頭上の傘_- 服部 剛自由詩408-6-5
応援詩_- 服部 剛自由詩408-6-5
石_- 服部 剛自由詩4*08-6-4
車の聖堂_- 服部 剛自由詩208-5-31
もうひとりの私_- 服部 剛自由詩108-5-30
虹色ほっぺの冒険者_〜詩人・dice覚え書〜_- 服部 剛散文(批評 ...2*08-5-30
白い薔薇_- 服部 剛自由詩108-5-28
空き缶と旅人_- 服部 剛自由詩4*08-5-28
すがたに_- 服部 剛自由詩5*08-5-28

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