ゆくえ とどろき
木立 悟





大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す


鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱


手紙 手紙
無数の手紙に沈む羽
空は青く
文字は白く


独白だけが歩む径
轟々と鳴る光の径
ついさっきまで無口な死者が
堰を切ったように語り出す径


雪と羽はゆうるりと
約束事を埋めてゆく
幼い姫のための冠
いつか合わなくなる冠


吹雪の上はまた吹雪
星は爪先立ちで舞い
涙の奥の扉に映る
空の背中をうたいつづける
























自由詩 ゆくえ とどろき Copyright 木立 悟 2017-01-28 10:18:29
notebook Home 戻る