長い間 
「 わたしなんて・・・ 」 
と{ルビ俯=うつむ}く影を 
地に伸ばしていた 

ある晴れた日 
緑の{ルビ掌=てのひら}をいっせいに振る 
背の高いポプラ並木の道で 
ふと ....
吸い込んだ肺が
うすむらさきと群青のすきまで止まる
絶えられなくなって
風の匂いのせいにする

つめたいガラスが知ってる よるの密度
ひとつずつはがしていく
その指先で  ....
君は私があげた花束が
造花だということにも気付かずに
毎朝、律義に水をやってる
寂しさが飛び散る!
君に当たれば本望です
だから今夜は寝ない!
星空を眺めている君に
流れ星が降ってくるまで
あいつと君がくっつくまで!

騒音は嫌い
だから大音量にして
逃げる!
まっすぐな雨が

甘い風をおこしている

とおくで蒸せる

植物たちは黒のうちに


存在するものの証明

証明するものの存在


まっすぐな雨が

甘い風をおこしてい ....
その 光

透明な 陽光を 受け止める
光 在る者に

悪心の傷を
痕跡もなく 浄化しなくては

いつも 手をかざし 
光を受け止めている
額が熱い情熱で溶ける

陽光は 憧れ ....
夜空に{ルビ創=キズ}をつけたのは誰

遠く西の果てに
冷えた白銀の

夜空に{ルビ創=キズ}をつけたのは誰

眩暈に頭を揺らしながら

川縁が
薄く紫黒に滲みる間に
辿れば
 ....
夜が
明けないうちに
こっそりと
地平から
覗いてみたよ
旅立ちの日


君の食べられる野菜
食べられない野菜
を知ってたのに
僕との距離を
知らない

やがて
そんな ....
愛していた日々を薫りに変えて
砂は静かに落ちていた

トキメキを含ませた粒子は
弾けることもなく
ただただ軟らかに流れているだけで
緩む頬が戸惑いに
くすぐられた

何気ない言葉と
絡み合う瞳
懐かし ....
     綿雲を飲み込みながら
    ジャンボ機が鮫のように
     虚空の海を我が物顔で
生まれ故郷にむかって泳いでゆく
         逍遥中の私は
   その遠退く鮫を追いかけた ....
とおくながれゆく
やすらぎの衣は
たしかに
あの日
おれたちが纏っていた日常

じゃれあいながら
風に泳ぐ魚たちは
たしかに
あの日の
おれたちの心

べた凪の
深い
もっ ....
黒いしげみが大好きだ
黒いしげみのあるところ
僕に眠りがあるだろう

黒いしげみが大好きだ
黒いしげみの出す声に
仕える者となるだろう

黒いしげみが大好きだ
黒いしげみの自在さに
 ....
息のひとつ

触れる指先

たゆたう視線の彼方


奏でる音のひとつ

その音のひとつひとつに

知らずして

あふれている

哀しいほどに

せつないほどに

 ....
 君に告白したら 「色が黒いから」という理由で断られた
 これは差別ではないのか? 俗に言う『ニグロイド差別』(差別用語になっているけど) 「ニガーはパパが付き合ってはいけないと言うの」と君は言った ....
田んぼの お空に グライダー
さぞかし 気持ち よいだろな

田んぼの お空に グライダー
田んぼは どのよに 見えるかな

湖みたいに 見えるかな
小さく かがんで 田植えする  ....
春夏の夢にかけたる浮橋の
  途絶えに月をながめくらさる

五月雨にみかさ増したる川の瀬に
  月は流れでみづ音ぞ澄む

ひさかたの光をかへすはちす葉の
  浮けるみなもに波たつる風
 ....
わたしはわたしを見ていた
夕暮の公園の砂場にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
朝焼けの庭先の花壇にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
昼下がりの小学校のグラウンドにわたしを ....
深みの 夜がふけてゆく
人々の気配が静まる 時

ベランダから闇を撃つ

視線は この地球を光速で 巡るよ
遠い彼方に
視線で 呼びかける 彼方 彼方と

蛍光灯が照らす 小さな部屋 ....
爪の間から
ぼろぼろと、溢すのは
何年も前からの癖
 
何が溢れているかなんて、
知ろうともしないまま
 
 
昔話の中で
お爺さんは呟いていた
 
その空白にこそ
全ての答え ....
黒い炎に包まれた ぼくの無人のパラシュート
予言者たちの展覧会場に迷い込んでいる

狂った頭蓋骨のような鋼鉄の果実
夜の高速道路を疾走する 慎重な共犯者の告発

  やがて廃墟の壁を手探り ....
野良犬を見かけなくなって寂しいだとか
犬の糞を踏まなくなって嬉しいだとか
駅前の駐輪場はどこも整備されてきて
雪崩れを起こして倒れなくなったなとか
そんなことにふと気付くことがある
数年前の ....
大きな葉の下から
そっと空を見上げると
とても薄い緑色が輝いている
そろそろ夏が生まれる
風が吹くと
きららとした緑色は
暗くなるけれど
遠くで流れている川の水のように
他の場所で光り ....
一回転してしまえない飛び出せないからぶらんこの鎖がたわむ

靴だけを先に逃がしてぶらんこに繋がれたまま残ったわたし

順番を待ってから乗るぶらんこはつまらないからぎりぎりねじる

ぶらんこ ....
杉の林に静ひとつ
靄の立ち込める朝
靄に紛れて時間が漂う
暗闇から聞こえる森の声
林は何を考えている

杉の林に静ひとつ
緑の湿地に隠された
緑の夢と宝物
眠りから覚めた林の向こう
 ....
風が、やんだ

鳥の声を探して
下草に濡れたのは
迷い込んだ足と
慰めの小さな青い花

遠ざかっていた場所へ
私を誘う手は
湿っていて
それでいて
優しいから
触れたところから ....
古家の壁かすかなためいき風と化しこの手触りに思い伝えし 今日あなたが
髪型を変えていたので
私の胸はときめいた

土星の輪っかみたいな髪型
こっけいでなつかしい髪型
無垢で可愛らしい髪型
愛していた髪型

最近惑星から除名された
冥王星 ....
塔を隠した樹々たちがくりかえす
やわらかな墜落

螺鈿の微笑を浮かべる遊星たちが
結晶状に形成する空間に
浮かべられた白い柱廊に
並べられたフラスコ

時折それらのいくつかの中で
新 ....
懸賞好きの母が
手当たり次第に応募している懸賞が当たった
「サナギ一年分」だそうだ

当然母は家族からさんざん責められた
そんなものが一年間も毎日送りつけられたらたまったものじゃない
特に ....
空き缶をひとつ捨てました
公園の植え込みに
ぬくもりもヒトカケラ
落ちていったことは
気づきませんでした

吸い殻をひとつ捨てました
歩道の端っこに
やさしさもヒトカケラ
落ちていっ ....
村木正成さんのおすすめリスト(286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空の波紋__- 服部 剛自由詩7*07-5-4
夕風- アオゾラ ...自由詩8*07-5-4
花束- 快晴自由詩4*07-5-4
隕石- ゆうと自由詩5*07-5-4
五月雨- 吉岡ペペ ...自由詩207-5-4
その_光- アハウ自由詩507-5-4
*月創*- ちと自由詩4*07-5-3
あたらしいあさ- 夕凪ここ ...自由詩707-5-3
時計- 見崎 光自由詩307-5-3
光跡- 信天翁自由詩207-5-3
たとえば太陽が- 草野大悟自由詩8*07-5-3
黒いしげみ- A-29自由詩4*07-5-3
青空に- 桜子自由詩307-5-3
白いカラス- はじめ自由詩4*07-5-3
田植え- 小川 葉自由詩2*07-5-3
さつき待つ___________■古語の宴参加作品■- Rin K短歌20*07-5-2
影踏み- 土田自由詩707-5-2
太陽を捜し求めて- アハウ自由詩607-5-2
ロスト- 山中 烏 ...自由詩11*07-5-2
メランコリー- んなこた ...自由詩407-5-2
追憶演技- 楢山孝介自由詩12*07-5-2
夏が生まれる- ぽえむ君自由詩28*07-5-2
ぶらんこ- 渦巻二三 ...短歌11*07-5-2
杉の林に静ひとつ- 未有花自由詩16*07-5-2
霧の朝、森に帰る- LEO自由詩34*07-5-2
- 小川 葉短歌3*07-5-2
冥王星- 小川 葉自由詩4*07-5-1
実験室65−F- 塔野夏子自由詩10*07-5-1
サナギ一年分- ふるる自由詩21*07-5-1
捨てるひと- yaka自由詩4*07-5-1

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