水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を消している
 ....
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
道端の、視界のほんの隅に咲く
名も知らぬ一輪の花を見て
嗚呼、こんな風に強くなれたらと
密かに望む自分がいた。

どうしても強さの証明が欲しくて
その{ルビ薄紫=あさむらさき}の小さな花弁 ....
プライドが絡み付いて
助けてと上手く言えない
しかし、それでいいとも思う

(いつからか)
腐らない程度に
適える気もない夢を抱いている
笑えない程度に
打ち明ける気もない痛みを抱いて ....
ぎらぎらとした太陽の光を
何も遮るものもなく
そのまま受けながら
アスファルトの道を
ひたすらと歩き続ける
たらたらと頭から汗が落ち
体がべとべとする
道からはむらむらとした熱が
浮き ....
蛍光灯を一つだけつけた部屋にうずくまっていると
決まって、
片方の触角が無い油虫がわいてきて、
不規則に円運動を繰り返す。
 
俺も同じだ。
でもお前なんだか可哀想だから殺して良いか?
 ....
シーツの香を

ひかりみたいにして

あたし朝のヨガをするの

緑の手入れや

部屋の空気を整えて

遅いランチをそれからとるわ


六月の太い風

影を濃くする

 ....
誰かの今を

ぼくは知らない

過去のあとだけ

ぼくは知る

そして

相対的に

懐かしくなっている

せつなくなっている


きみはミステリー

ぼくはホー ....
いつも見ていた。僕を知らない、君の後ろ姿。

ずっと前から知っている様な気がするのに、今の僕は君の事を何も知らない。

いっそ、話しかけてみようか。





だめだめ  むりだ ....
時代の暗部ばかりを見つめているおまえに
癒しや救いを語ることはできない

たとえそれが99パーセントの真実だったとしても
人の心は、真実とは異なるものを求めているのだから

それが世の ....
お父さんが紙をつくってる
つくった紙を僕が並べていく
それがお父さんの廊下
なんだか淋しいところだね、と言うと
お父さんは土を持ってくる
足りないので
何回かに分けて持ってくる
だからお ....
人の背中をすり抜け

雲をひろう老人を見た

誰も見ない道端のすきまに

金物ばさみを差込み

しょっている籠に入れて ふたを閉める



満杯になったら

山の上まで引き ....
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
  
   「いつか奇跡」

霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく

影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日

吹くはずのない甘い ....
遅れて響く真昼の音が
午後をゆらりと追いかける
畏れのかたち
雲に去られた
空のかたち


緑と金が
ひらいては呼ぶ
空の端 地の辺に
呼び覚ます
呼び覚ます 火
 ....
 雨という言葉は
 雨からやってきたものではない

 最近になって私が雨を知ったのは
 金曜日の前の日だろうか
 もっと幼少の頃から知っていたような気もするが
 それまで冷たいというこ ....
赤坂
佇む
電波塔
赤い
夜にライトアップで
ドレスメイク
浜離宮
綺麗
綺麗
見とれて惚ける
赤い巨塔
登って
見たんだ
夕焼け
港区を紅く覆う夕焼け
喰われていた
 ....
一夜目に
魚は水底で静かに息を潜めてる
女は甘い溜息を波紋の隙に流してる

二夜目に
月の裏側から覗く女の憂い顔
空虚に穴の開いた瞳と痩せ細った指先と嘆きと嗚咽

とうに音をなくしてき ....
夢よりも 何よりも お年頃    素敵なこと      
空よりも 海よりも パジャマ色  眩しい人

新しい光が 心に突き刺さる
そんな気持ちが好きだよ

ひさしぶりの電話の 声に気づか ....
風に体をあずけて
夜の海が見える場所で
れもんを浮かべた水を口にする
海から運ばれる潮風は体を少しだけ寂しくさせる
風に乗った冷たいしずくとれもんの香り
暗闇のむこうに何度も手招きをして
 ....
いのちでも

たましいにでもない

精神に吹いてくる風

それはどこか苛々としたもので

三郎に

虚無というものを教えることをやめなかった
鼈甲色の
瞳孔を携えている
その眼は
 
暇潰しにと
塵を捕らえて
いたずらに、世界を白く
光らせている
 
 
塵と塵の狭間に
取り残された僕は
 
四方八方に飛散する
 ....
森に架かった木の橋に 
父は手にしたカメラを構え 
木漏れ日と葉陰の揺れる{ルビ袂=たもと}に立つ 
妻と娘をレンズ越しに覗いた 

シャッターを押した後 
肩を並べた三人の後ろ姿は 
 ....
覗く穿孔の先
しろい魚がいて
半透明の皮膚を
鈍く光らせては

時々憂鬱そうにそらを仰いだり
恨めしく心火に身を焦がしたり
何時にか逃げてしまったけれど


伺う穿孔の先
しょう ....
「夜の守日の守に守{ルビ幸=さきは}へ賜へと 恐み恐みも白す」

踊れや 踊れ
妖かしの刻 沸きし炎
詠えや 詠え
命を灯し 導けや

黄泉路の宴 
魑魅魍魎を昇華したりて ....
扉から 漏れる 白熱電灯
白檀の香 しめやかに 香り

私は この仏間に
この世のありとあらゆる
悲惨を出現させる

戦争 飢餓 病気 
怒り 憎しみ 嫉妬

唱題しながら
どす ....
「 この世の外なら何処へでも ! 」 
という最後の詩句を読んだわたしは 
「 転居先 」について考えていたが 
そんな場所は、何処にも無かった。 

日常から逃れるほどに 
毎夜訪れ 
 ....
ばっぱ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでら、ママはいってらお茶ッコけれ。

ママはいってらお茶ッコ?なえのごどだべ?

あれぇ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでらっけしゃよ。

あやあ ....
書き人知らずの本でした
棚から引き抜き
いくつかの確かな硬貨を払い
手に入れたというのに
ふと気付けば
それを生んだ人の名は
どこにも刻まれていませんでした

家に帰り
日差しが中途 ....
食器棚の上で昼寝をしている猫のシッポが
だらりと垂れ下がっている

でもお刺身のパックを買い物袋から取り出しただけで
シッポはパタリ、パタリとゆっくり動き出す

どんな夢をみている ....
村木正成さんのおすすめリスト(286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
考察_〈海辺にて〉- Tsu-Yo自由詩2007-6-4
7P_「短歌2」より_〜_昭和四十年頃- むさこ短歌13*07-6-4
一輪の華- 夢幻自由詩607-6-4
17歳- 完食自由詩7*07-6-4
夏歩き- ぽえむ君自由詩21*07-6-4
円運動- 黒子 恭自由詩7*07-6-4
遅いランチ- 吉岡ペペ ...自由詩307-6-4
誰かの過去のあと- 吉岡ペペ ...自由詩307-6-4
沼の底- ユキムラ自由詩207-6-3
赤い葬列- いねむり ...自由詩207-6-3
スケッチ- たもつ自由詩1207-6-3
- りょう自由詩5*07-6-3
空の波紋- ぽえむ君自由詩11*07-6-3
■共同作品■_カゲロウと花- Rin K短歌26*07-6-3
緑と金- 木立 悟自由詩1007-6-3
表徴水- doon自由詩407-6-3
都会詩- 秋也自由詩5*07-6-3
入水のち- 夕凪ここ ...自由詩607-6-3
パジャマ色- 北大路京 ...自由詩19*07-6-2
暗闇れもん- 暗闇れも ...自由詩607-6-2
精神に吹いてくる風- 吉岡ペペ ...自由詩207-6-2
きらめく- 山中 烏 ...自由詩6*07-6-2
汚れた庭球_- 服部 剛自由詩807-6-2
せんこう- ICE自由詩6*07-6-2
舞巫女踊りて- ルーファ ...自由詩107-6-2
仏間- アハウ自由詩607-6-2
日々ノ契約_- 服部 剛自由詩11*07-6-2
ばっぱの思い出- 小川 葉自由詩507-6-2
書き人知らず- ロカニク ...自由詩707-6-2
バレバレ- いねむり ...自由詩4*07-6-2

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