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森に架かった木の橋に 
父は手にしたカメラを構え 
木漏れ日と葉陰の揺れる{ルビ袂=たもと}に立つ 
妻と娘をレンズ越しに覗いた 

シャッターを押した後 
肩を並べた三人の後ろ姿は 
 ....
「 この世の外なら何処へでも ! 」 
という最後の詩句を読んだわたしは 
「 転居先 」について考えていたが 
そんな場所は、何処にも無かった。 

日常から逃れるほどに 
毎夜訪れ 
 ....
 一匹の{ルビ蝿=ハエ}は 
 羽を{ルビ毟=むし}られたまま 
 今日も曇天の街を漂う 

 迷い込んだ森の{ルビ裡=うち}で 
 湿った草の茂みに囲まれ 
 一輪の薔薇が咲い ....
休日の静かな午後 
図書館で借りた
図録の頁を{ルビ捲=めく}っていた 

今は亡き画家が 
キャンバスに描いた野原に 
ぽつんと立って 
空っぽの{ルビ笊=ざる}を両手で持ち 
木苺 ....
目の前はすべて  
煙に覆われていた 
幾層も掻き分けた向こうに 
握った拳を突き上げた人影が 
腕を下ろすとこちらへ歩いて 
すうっ と 
わたしの内側に入った 

  * 

 ....
長い間 
「 わたしなんて・・・ 」 
と{ルビ俯=うつむ}く影を 
地に伸ばしていた 

ある晴れた日 
緑の{ルビ掌=てのひら}をいっせいに振る 
背の高いポプラ並木の道で 
ふと ....
村木正成さんの服部 剛さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
汚れた庭球_- 服部 剛自由詩807-6-2
日々ノ契約_- 服部 剛自由詩11*07-6-2
薔薇と蝿- 服部 剛自由詩7*07-5-31
麦藁の少女_- 服部 剛自由詩14*07-5-6
夢の人影_- 服部 剛自由詩9*07-5-4
空の波紋__- 服部 剛自由詩7*07-5-4

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