そよ かぜ
いらいら ゆらゆら 
かぜ

かな しみ
よごれて いたんで
あめ

 ―あめ

一本松でみたよな
景色を
ここでもなぜか見える気がするよ

一本松でみたような ....
みち子さん 私は忘れない
あなたの白無垢が 石炭色に染まった日を

あの日 あなたは
彼といっしょに 旭岳のてっぺんに たどりつき
おにぎりを広げたときよりも
もっと高い山の頂にいた

 ....
なにもない場所をわたっていく
すーいすーいとわたっていく

今しも水面下では熾烈な争いが
繰り広げられていることも知らずに

アメンボだからしょうがねぇや
濃いも薄いもオレにはわかん ....
遠くに見えるやまなみの橙と

風が連れてくる野焼きの匂い

蝗は何処へ行ってしまったか

空を駆け回る赤とんぼの群れ

指に止まる彼らは

何処へ行こうとしているか

目に見え ....
行ったことはたぶんない

空のうえならあるかも知れない

かわいたゆたかな光

人間と同質な植物たちの陰


テキサス

テキサステキサス

英語にも

言霊なんてものが ....
日日に緑深まる狭庭辺に今朝は蛙の鳴き声がする

さきほども小雨降りいた表通り人の声して雀飛び交う

グリーグのペール・ギュントを聴きつつも紫陽花の絵をじっと見るとき

また鳩が一声 ....
人には見えて
自分には見えないもの
それは
自分の幸せなのかもしれない

自分では
不幸なことが多いと思うけど
人から見れば
幸せの方が多いらしい

いつも困ったことばかりだから
 ....
「水流の果て」



鼓膜をふるわす深緑の葉音
幸せな季節のうららかな羽音

流れる

幾何学をまとった馬車の轍の下で
土の動物の思惟と哲学は時に溶けゆく

地球の宴には
 ....
ふうと一息
空に向かって
シャボン玉が膨らんでゆく

光に照らされて
青くなり
赤くなり
くるくる回る

たくさん飛ばして
気づけば
シャボン玉の空

地上では
アジサイが ....
胸ポケットには入らないよお前は
少し大き目だし ましてやiPodでもないし
そりゃあ 買い換えようとも思ったけど
まだお前でいいのさ 音楽が聴けるんだから

耳に蓋をして 外界から離脱して
 ....
ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
 
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
 
 
吸い込まれそうな
深い、青の ....
空に輝くのは無数の星
山の下にも無数の光

空の星が見えないこの街
この夜景が美しいと
誰かが讃えたらしい

確かにこの街は綺麗
空の星なんかより ずっとずっと

確かにこの光は綺 ....
夜の闇の 
海の 曲
無辺の潮が 
樹々を揺らす
光は踊りを忘れ 
抱かれる胸を喪った
荒れる雨も風も 
行方を知らず
破れた帆船は
宙空を彷徨う


  ....
乾いた酸素は欠乏し
曖昧な沃素が宙を舞う
蒼白な額に塩分を散らして
着古したシャツは
肉体と密着して色褪せてく

そういえば
蜃気楼をみたことがあるか

アスファルトに靄がかかり
 ....
詩と、
そうじゃないものの狭間
そんな世界に僕はいる

この言葉が
ただのガラクタでも
僕は呑み込むことを許さない
命、
そう命
そんなものに似ている
かけがえのないもの

君 ....
その日は限りなく純白で
    限りなく静寂だった
まるで雪が色と音を吸いとってしまったかのように

真っ白な空から降ってくる真っ白な雪は
やっぱり真っ白な白砂糖のようで
白い湯気をたてる ....
       
光の彼方で
君が手を振る 
     
変わらない微笑みが
愛しくて  
      
あの頃の僕は
自分のことばかりに
精一杯で        

君の事を考え ....
先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが
質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの ....
彼の人にアスパラガスの花束を
込めた思いは宣戦布告



風露草贈りし君から翁草
勝負終われば裏切りし君



勝利した君の頭に月桂樹
手には僕からその花束を
背中に刻んだ十字架を

背負って歩くいばら道

力の限り握り締め

噴出す血さえ

気にせずに

陽光ははるか彼方にあるものと

自信に満ちて進むけど

神は見えない手を差 ....
今夜は寒いな
夜空に白い亀裂でも走れば
心も躍るだろうに
残念ながら雨さえ降らず
今夜は静かだ

今夜は静かだな
夜道に赤いサイレンでも走れば
心も躍るだろうに
残念ながら涙さえ降ら ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
空気、それは砕け散る、そして、その終わりに、永久に考え続けた真実と、今はいない人の精神が見た現実が、愛される夜と、望まれた時間すらも、その向こう側へ去ってしまう、

私は壊れる空気の破片の幻想 ....
縁側に腰掛けて
びわの実をとりだしては
おいしそうなものだけを隣の誰かに渡していた
私には見ることができない誰かに話しかけ
少し怒ったり笑ったり
私の方は決して見ない
早くに亡くなった私の ....
あさがさまよっている
  ため池の笹舟のように

ひるがまどろんでいる
  ため池の葦のように

よるがよどんでいる
  ため池のヘドロのように

ときをえらばずやってくる
  ド ....
ジョセフィンのすすめで
アパルトマンに引っ越す
もう親離れしなければと

0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵
ここは芸術を育てる部屋
変わり者がそろっている

特に私が気 ....
 夜空から眠りながら流れ込んできた闇が目を覚まして何処かへ消え去ろうとする頃 夜明けがやって来る
 生き物達は眠りから目を覚まし体を伸ばして1日の到来を冷たくなった皮膚や外殻に感じる
 僕は今夜も ....
アキレス腱をきられて

殺された少女は

濃い光のなかで

音楽を探し求めていた


セットされたような

絶望の瞳孔に

探し求めていたものを

少女は映したと思いたい ....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません

昔のことですから
もう数えきれないくら ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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饒の空- 白昼夢自由詩2*07-6-9
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ペール・ギュントの朝- 生田 稔短歌8*07-6-9
人には見えて- ぽえむ君自由詩9*07-6-9
水流の果て- 古河 セ ...自由詩307-6-9
シャボン玉の空- ぽえむ君自由詩14*07-6-8
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瞬き- 山中 烏 ...自由詩11*07-6-8
夜景の街- 柚木自由詩507-6-8
海賊の星は墜ち- まどろむ ...自由詩8*07-6-8
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白と黒の狭間にて- おるふぇ自由詩607-6-8
白い雪降りの日- 麻生ゆり自由詩6*07-6-7
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考察_〈理科室にて〉- Tsu-Yo自由詩12*07-6-7
花言葉2- 秋桜短歌9*07-6-7
受難- yoyo自由詩6*07-6-7
末の沈黙- 太陽の獣自由詩307-6-7
10P_「短歌2」より- むさこ短歌13*07-6-7
砕け散る空気の終わりに- 鈴木カル ...自由詩3*07-6-7
びわの実- 暗闇れも ...自由詩107-6-7
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アパルトマン- yoyo自由詩4*07-6-7
夜明け前- はじめ自由詩7*07-6-7
アキレス- 吉岡ペペ ...自由詩207-6-7
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森番—透過する森のなかへ- 前田ふむ ...自由詩38*07-6-6

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