すべてのおすすめ
山と空が黒と紺色にわかれてきよった
雀が一瞬羽ばたきやめて
ピン球みたいになりながら
小刻みに上下して飛んどる
小刻みにカブ発進させて
新聞配っとる音がする
みんな
小刻みやな
わしは ....
湯のなかで痛む指
数えても終わらない曇の流れ
冷たさを呑むこと
手のひらの空をかき混ぜること
双つの明るい星
火と火の生きもの
森の目 岩の目がひらき
ふたたび静 ....
一昨日
自称詩人は酒に飲まれて
手当たり次第絡んだ結果
総合格闘技の選手に
肘関節を逆に曲げられ
見事に脱臼した
昨日
自称詩人は人に飲まれて
仲木戸駅前の自称詩朗読会で
緊張し ....
宇宙と名の付く授業は
この毎日に風穴を開けてくれる気がしたから
最後列で トランプする彼らの惑星から飛び出して
非常口にいちばん遠い席についたのに
先生、はじめから
....
君がめいっぱいタバコを吸って煙を吐いた
だけど、吐き出されたのは煙ではなく砂煙だった
僕は運動会でつむじ風が起きたときのことを思い出した
空は一瞬で濁って
口や目に砂が飛び込んできて、服の ....
161119
目覚ましを買いにゆく
半球形の鉦が角みたいに
2つ頭に付いている
クロームメッキが美しく
音も煩そうだ
目覚ましの典型的なのが
目に付いた
....
さくりと欠落し淡いひかりを
切り裂く、闇
まるではじめから
無かったかのようで
わたしの発するパルスは
ほとんどが四散して
もう何処にいったのやら
仕事 ....
白線からはみ出してはいけないんだと笑った。彼女のその言葉を信じて歩き続けた。
あれから二年経って、私の嫌いな冬が近づく。今年のコートは何にしようかと語る人たちを通り抜けて、私は去年買ったニットを ....
もう少し眠っていてもいいと
誰かが低い声で囁くのが
薄暗い夢の中でもわかる
本当にもう少しここで
眠っていてもいいのですか
念を押して訊ねてみると
その人は猫を撫でるような声で
眠ってい ....
友人とまた日本橋で会い
隅田川の道を歩いた
曇り空 並んだビルのブルガリアヨーグルト
風のない道はどこまでも続いていた
人は すれ違う 黒い服
それぞれの時間の中を生きている
....
クソジジイのくせに
僕は、僕は、と連呼する
なまっちょろい
ウンコ自称詩を見るにつけ
人間、長生きだけは
するもんじゃないなと
強く思う
試しに書き出しを
「ワシは」にしてみろや
....
日本は
都会主義共和国
都会は
夜会主義共和国
日常は
不快主義共和国
時代は
機械主義共和国
情報は
世界主義共和国
伝聞は
誤解主義共和国
世間は
和解主義共和国 ....
最初の給料で買ったのは、何を隠そうからあげくん。
質の悪い油で揚げたギットギトのからあげくん。
これから先、子供も出来て本当に生活できるか不安なからあげくん。
嫁と喧嘩して晩御飯が無くてもあるよ ....
部下が社内LANの仕組みを知らず、数台のパソコンのデスクトップに、同じ名前のファイルを作っていた。
こういうときは、元のファイルをサーバーに置いて、デスクトップにショートカットを置い ....
先週末のやまびこの車窓
もうほとんど終わってしまったんじゃないかと思っていた
金色の風景が流れていた
一関のねじりはさがけはモリゾーみたいなのに
山を越えた千厩ではよく知ってる横一線
....
一夜でカフェオレを
1リットル飲んだりする
大丈夫か、おれ
OLのおやつみたいな
物足りないチョコを
つまんで この
小さき物体にも所狭しと
書かれている
文字は
原稿用紙何枚分 ....
わたしはこれから
目を覚ますから
あなたはカップを出しておいて
コーヒー豆は冷蔵庫、
ナッツ・ケーキは戸棚のうえに
泣いてるうさぎにベッドを貸して
手をつないで坂を下ろう
....
おっぱいパブには出口が無い
おっぱいを揉むという行為に夢中になれる時間はとても短い
以下は早めに終わってしまったために持て余した時間を利用したインタビューです
この仕事以外に何かしてるの ....
とおりすがりのコンビニで買った
コンドームの箱あけて数を数えてる
ティッシュボックスから
うすい紙引き抜いてするエモいファンタジー
これがわたしのセンチメンタル
これでいいのだ!ってうなずい ....
蟻の角はまだ あるのだろうか
遠吠えや 躓きや 読みかけの頁は
まだあるのだろうか
目をあけて見やる身辺に
ころころと付属する色色を
憎んだり愛したりもせず
ただそれと知って引きず ....
湯上がりに
バスタオルを上下させ
チンコをチラチラ見せる
パフォーマンスを
死ぬほど喜ぶ貴女
放射能と違って
目に見えるけれど
それでもかなり危険な液体を
最近はとんと噴射すること ....
糸杉の並んだ道
夏のただ中だった
一歩歩くごとに
汗は蒸発していき
肌に残されたものは
べとつくだけの塩辛さだった
暑さのあまり
蝉の声さえ途絶えた
世界には
わたしとあなたしか ....
リオデジャネイロ
オリンピックは
閉会式が良かった
日本が良かった
君が代が最高だった
マリオも翼もドラえもんも
キティちゃんもみんな良かった
「先端テクノロジーと神秘主義の融合」
....
薔薇柄のスカートに
あおいしみがある
食いしばりすぎて奥歯が四本欠けてる
カーテンレールには教科書から切り抜いた絵を貼っている
隣人の顔はしらないけど曲の趣味はだいたいわかる
壁がう ....
おつかれさまです。昨日は本当にすみませんでした。何となく二次会のメンバーに含まれている事は察知していましたが、あまりにも眠く、且つ しんどかった為、先に帰れる遠征組のタクシーに無言で乗り込んで、気づか ....
ⅰ
キッチンで母親が包丁で
まな板の鰯を切りきざんでいる
夜につみれにするという
わたしは、魚の切りきざまれるきぶんを考える
朝はトースターでパンが焼かれるきぶんを考える
バ ....
金曜日はいつもの金曜日と変わらず、13日の金曜日だった、鳥たちが目覚めない朝、そういう映画をみた翌日に、妻から晩ごはんは湯豆腐ですと告げられたので、僕はスコップを持ち現場へと向かう、小さな銀色の羽 ....
明日については
悲しいことを知っているから
味方をしてあげない
自分のことくらい自分ですればいい
もし倒れたとき
誰かを道連れにしないなら
称賛を惜しみはしないだろうけど
川辺の木に ....
いつの間にか私はすっかり健康になり
霧雨が降る夏の日に
じっとりとした汗をかくようになりました
決して集めることのできない水滴を
体に吸い付けて
はじき出して
感官としての人差し指を
....
夏の髪は濡れている
わたしの髪が揺れている
遠浅の海はそのなかで年老いていく
形態が機能に従い
それぞれの行為が所定の位置に置かれていく
気晴らしのような裁断の美しさ ....
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