ズー


金曜日はいつもの金曜日と変わらず、13日の金曜日だった、鳥たちが目覚めない朝、そういう映画をみた翌日に、妻から晩ごはんは湯豆腐ですと告げられたので、僕はスコップを持ち現場へと向かう、小さな銀色の羽を帽子に飾りつけたハイカーでいつも満員の電車に今日は木こりも乗り込んで、ハイカーでも木こりでもない僕は世界がゆっくりと動きだしていく車窓にへばりついてしまう、こどもができたら、ハイカーにしようか木こりにしようか、その時の僕は考えもしなかった、

マカロニウェスタン!マカロニウェスタン!こどもたちが口々に唱え、三角定規は夕暮れを撃ち抜いていく、僕はスコップと豆腐を二丁ゆっくりと揺らし、流れ弾で墜ちていくだろう星たちはマカロニ流星群なのかウェスタン流星群なのか、そのどちらでもないのか、考えもせず、まだ明るい夕暮れに向かってひたすら歩いている、


自由詩 Copyright ズー 2016-08-01 21:12:22
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