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港に来たら、花は散っていた
ノウゼンカズラが
地上に口付けている

おぉんおん、
おぉんおん


遠くではまだ咲いている
向こう岸の工場の灯だ




向こう岸の工場が
 ....
早朝、大阪へ帰る友達を見送った後
まだ静かな町のドトール
似合わない主婦が一人
普通にゴンチチとかせつなくて
カフェラテも苦い

友達の後姿、自分と重なって
今年の夏さようなら
確信ゆ ....
檸檬

光る檸檬が
見ていたかった

まだ
ナイフを入れてはいけない

その酸味が
私を殺すから

そして
いつしか
レモンが衰えて
光らなくなる

そのとき
はじめ ....
なかなか
おとこのこであることがやめられない
じぶんが
ばらばらだからかな?
おとこのこの
のこりかすがもえくすぶっている
たぶん
おんなのこがもえるのとは
ちがうにおいがするはずだ
 ....
あの夏の星の輝く夜に君は生まれたのだよ
ずうっと後になって父がそう言った

その星のひとつを握って泣いていたのです
父の墓の前にたって私はそう言った



映る星と映らない星があるとわ ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。

あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
カネ、ある方がいいし。
カネ、ないと生活厳しくなることもあるし。
カネ、誰かのために使えることあるし。
カネ、じぶんのために使えることあるし。


カネ、でもすべてじゃないし。


 ....
日本の子供たちの思いやりが込められた
膨大な量の千羽鶴が海を渡った
あばら骨の浮き出た子供たちは
弱々しく 震える手で
ひとつひとつ 千羽鶴を開けた

何も入っていなかった

     ....
惑星の軌道が外れ

外惑星が招かれた

北の空にはシリウスが

東の空には帚星

翳る南は新月の

西の館に可憐な姫が

ガレリオ眼鏡で首を振る

百年経ったらまたおいで
 ....
もし世界が 黙るのならば
わたしは うたおうとおもう
そのくらいしなければ わたしは
この世界では 生きていけない

もし目を瞑っているのに 気づいたならば
できるなら 目を開けたほうがい ....
半歩、まえをゆく
あなたは
鳥の巣を見たいという

つゆの前日
うすみどりのかぜが
わたしたちのあいだをゆききする
わたしの部屋へ ゆくみち
みみを澄ます
ゆるい
花火


 ....
(ぽとり)

点滴1本3時間

(ぽとり)

ペンとノートがあったら詩の一つでも書けそう
だけど悲しい詩になりそうだから書かない

(ぽとり)

透明なビニール容器から
半透明 ....
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もな ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない

言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
日一日と強くなる陽射しに
街も人も木々たちも
確かに輝き始めたというのに
わたしの内側には
果てしない闇があり
どこまでも深くなる

いつからわたしは
眩しさを理由に
視線を落として ....
一日中何をしていても
ずっとあなたの歌声が聞こえてきます

最後の夜
あたたかい腕の中で聞いたせつない曲
あなたが想いをこめて歌ってくれたお別れの曲

自動繰り返しモードで流れてくるから ....
 一週間も社会にでていれば金曜の夜には心がカチカチなので
 硬くなった心をすこしでも揉み解そうと長くお風呂に入って
 みる。電気を消してずずっと湯船につかって口と鼻との間に
 水面がくるよう ....
先生、
ぼくのお兄ちゃんが
このあいだ死にました

ぼくのうちは
3人兄弟です
全員男です

まん中のお兄ちゃんが
死にました

名前はゆうごです
ぼくは「ゆうごちゃん」と
 ....
私、カンガルーの赤ちゃん

ポケットから顔出して
冒険して 想像して
怖くなって引っ込む

ぬくぬくで安心で
うれしくて一回転
ドッタンバッタンしてから
上向いて
イタズラな顔をひ ....
かのん、は
「入院」がだいきらい

だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
ねえ、トモチャン、
と呼ばれ
お茶の濃ゆいところの途中で
ひょっ、と
あばらの隙間に指を
埋められた

もしかして
こういうところでしか
あたしは埋まらないのかもしれない

わか ....
春待ちの花は 雪軒の 傘の下で咲いてます

屋根よりの 雫にまかせて ほんのりと 春陽の唄に 背伸びして
  ぼちぼち本を読もうという気になった
  うつ症状からの脱出だ
  現代詩手帖2005年の年鑑
  拾い読みしていたら
  昔の仲間がこぞって
  2004年代表詩選に選ばれていた
   ....
そうなんだ
不思議と体の部位だけ
乳白のマニキュアの指先だったり
下唇のそりかえった膨らみだったり
追いかけてみると
暗闇になった
そうして砂漠さ
暑くはない
砂漠はやっぱり暑くないと ....
   喜びは天まで昇り
   はじけて消えた

   哀しみは砂漠の水を
   補給できずに

   怒りは津波を起こし
   人身家屋をうばった

   楽しみはいま文字がつづれる ....
                    159時 @ハト通信

あれちで
あなをほっているおとこがいました
とてもふかいあなでした
ちしつがくしゃがやってきて
ここのちかすいはかれてし ....
ドアをあけると白い石の上にいっぴきの犬がいて
遠くから母さんの声がする
いもうとが残したつめたいご飯を食べながら
ぶらさがっている電球に声をかける
ここが世界のまん中だ
ここが世界のまん中だ ....
燃え盛る炎で焼け焦げた僕
ひと思いにかじって丸呑みにしてしまいたい
左足の指先をとりあえず摘んでみる
ぼろぼろと宙に舞う
鉄くずなのか
黒焦げの炭かわからないけど
ちょっと前まで僕は四角い ....
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
毎日
私の仕事は丘を越えること

今日は比較的緩やかだった
この仕事を始めた頃は
それでも驚いてしまうほど辛かった

もう
幾つの丘を越えたろうか
毎日が惰性であり挑戦でもあった
 ....
服部 剛さんの未詩・独白おすすめリスト(121)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アイラブ- フユナ未詩・独白10*05-9-2
朝のポエム- 木葉 揺未詩・独白7*05-8-18
檸檬- 蒼木りん未詩・独白705-8-16
よんでいる- 石川和広未詩・独白9*05-8-11
誕生- LEO未詩・独白5*05-8-7
私_信- るか未詩・独白52+05-8-4
『¥』- mana未詩・独白305-8-1
寓話_不可解な死_26_(千羽鶴)- クリ未詩・独白20*05-8-1
無軌条電車- あおば未詩・独白4*05-7-31
天空のドオム- 第2の地 ...未詩・独白1005-6-15
待つ温度- はな 未詩・独白8*05-6-12
やっぱり悲しい詩になってしまう- ベンジャ ...未詩・独白15*05-5-24
さいとういんこさんのお腹が大きい5月22日- いとう未詩・独白1505-5-23
武装放棄- いとう未詩・独白62*05-5-9
自己嫌悪- フォマル ...未詩・独白3*05-4-21
心の旅- フォマル ...未詩・独白9*05-4-15
器。- マッドビ ...未詩・独白1205-4-9
かきフライ- 043BLUE未詩・独白34*05-4-4
カンガルーの赤ちゃん- 木葉 揺未詩・独白10*05-3-18
『かのん、の、「入院」』- 川村 透未詩・独白30*05-3-13
世界の果てなんかなんにも知らなかったかもしれない- みい未詩・独白14*05-3-6
はるのつれづれ- ひより未詩・独白4*05-2-26
現代詩手帖よ- 天野茂典未詩・独白405-2-21
スノーマン- バンブー ...未詩・独白305-2-5
生きるということ- 天野茂典未詩・独白605-1-31
あな- アンテ未詩・独白7*05-1-24
世界のまん中- 長谷伸太未詩・独白305-1-18
紅恋- 未詩・独白6*05-1-17
2005.1.1- いとう未詩・独白3505-1-1
丘を越えてゆこうよ- 蒼木りん未詩・独白4*04-12-19

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