{引用=ピッピだっけ?窓の隙間に北風がこぼれるような素敵な名前だ}
なんで今日は羽根が開かないって、ああ、マイナスだらけの最低気温
君の目で体透かせば黒い部分のたくさん出来る季節がきた ....
緑と金と鋼色の円柱が
等距離で嘘をついている
左足の表面が冷たく痺れ
背の後ろで握った手
強く振り出され
呻くなら いつかの喜びの為に
長い柄のスプーンが
宙を駆けて
落ちた音で産れる ....
取り急ぎ、
申し上げます。
(中略。)
そうしてぼくは、
きみよりお年寄りになって、
しまったのでした。
だから。
いつか向こうに着い ....
白鳥の声で
目覚めたような気がした
明け方の空は蒼の階層を成して
東の彼方の地平線のすぐそこまで
太陽が迫ることを告げる
昨夜のうちに雪はうっすらと降り敷かれ
まだ誰に ....
また会える理由を探し差し出したCD3枚「今度返してね」
唇にリップクリームをすり込ませ待ち伏せをする好きです、好きです
マフラーをぐるぐる巻いて捕まえた−4℃から始まる恋
....
きっと、知らない町なんだと思う
不器用に建ち並ぶ、高層マンションに隠れている
ありふれた日常だとか、錆付いたマンホールの下から
伝わってくる、救いようのない虚しさだとか
見慣れた信号の色と形で ....
長い夜の
ゆめとうつつの狭間で
わたしたちは
何度もたしかめあって
疲れはてて
耳元で
あなたの鼓動を聴いて
おなじ速さで脈打つ
長い夜だから
そんな時間がふえて
すこし持 ....
{引用=
あれはたしか小学生のころ
ちいさな花をいじめたことがあった
冬がカサリと音を立てはじめたある日
お母さんがお庭でいっしょうけんめい
そだてた花を
「しゃんとしなよ」
「 ....
夕暮れのスケートリンクすみれいろ映画のフィルムにひとすじの傷
吹きさらしお腹の弱い星たちが
....
明日は晴れだそうだ
一ドルは百十四円だそうだ
独居老人が遺体で発見されたそうだ
宝石はみんな鳥に
持って行かれたそうだ
誰かが売春で捕まった翌日に
似たような誰かが
表彰されてい ....
あなたが わたしの心の奥まで 突いてくれないから
奥まで届かない 性の不一致で別れましょう
あなたは短くて わたしは深いの
サイズが合わないのよ 浅はかな わたしたち
コップには液体 ....
{引用=街}
街は
灰色にかじかんで
遠くを見る
{引用=鳥}
丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す
{引用=画廊}
画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も ....
ここから最終行までを いっきに
ロープで吊るし、
よし ブランコだ
サーカスのはじまり
はじまり〜
のまえに
「お腹空いてないかい?
....
放課後の淡い窓から金管の音よ羽ばたけ青のたかみへ
とおせんぼされてる明日に手を伸ばすように螺旋階段のぼる
コピー機が光をシャッフルする影でちがう切札のぞむ我がまま
....
生きるのは/疲れましたと祖母が言う/空に刺さった冬の三日月
死にたいと/言えてしまう程わたしは自由/くたばることの出来ない自由
黄昏る/冬の寂しい路地裏に/孕んだ放火魔が火を産み落とす
....
高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
背中、くっついちゃうね。
語尾で分かる、彼女は眠りそうなんだと、
顔が見えない。
抱き合って繋がりあって、その先まで考えていたけど、
今はこれがコップの全て、せ(か(い
違う世界を見ていかな ....
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後
音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き
鞄を逆さにす ....
ギー
バタン
ドアが閉まる陳腐な比喩が威勢良く飛び込んできて
着た切り雀のお兄さんが驚いて二階の窓から飛びだして
倶利迦羅紋紋のお兄いさんが三列乗車の列から押し出され
だらしないなぁ!と ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった
どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで
俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった
けれど
....
隆没をたゆたわせれば僕らいつか仲良し一緒になれるかも、ってね
セックスの後に知ったのは涙って舐めるとしょっぱいんだってこと
いつも降るわけじゃないから雨なんて絵になるのにね ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
....
強い日差しが照りつける中 逆立ちで無重力ウォーキング 異星人の開脚 初公開
俺様が通る 踊り狂うこの都会の野原 様々な店舗を回り 我が社の商品を営業する
埋立地の上を歩いている時に 鯨の鼻歌が聞こ ....
ロシータっていうおばあちゃんは
サンホアンで一番年取ってて
猫にやさしくて
工房の隣の彼女の家には
いつも猫がたくさんいて
使い物にならないボートが
とまっている
....
立ってる君、座っている僕、違う遠さの水平線を見てる
洗濯物干しといて私ちょっと銀行強盗してくるから
ごめんなさい、なら何度でも言います。謝罪と反省はただなので
....
午ちかくにもなって
太陽が燻されるように見え隠れする、
いたるところに立ちのぼる煙の墓標/廃墟となった街に
なきさけぶ声、
地上を這い回るかのような
低く呻く「うううう・・・・という ....
怖かったんだろうね
風が死んでたりしたろうから
ビルヂングが アロガントに まばたきもせずに
夜空を おまえを 無視したりしてたろうから
今日 ....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう
ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
毎年この時期になると
瞼が退化するので
夜は
眼をあいたままねむる
口をあいていると
小さい生物の死骸が入るから
歯はくいしばるようにしている
深更
瞳孔がうっとりとひらき
....
i. 光化学スモッグ
色盲ではない
真っ白な高層ビル 真黒な人たち 白黒の横断歩道
灰色の空…いくら時間が過ぎてもモノトーンのオブラート
真っ白な月だけが顔を出して 星はここから見えない
....
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