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 昨夜は新しい詩集「Familia」の出
版記念の詩の夜であった。何人もの詩の仲間
がこの本を手に取り、休憩時間にメッセージ
と名前を書いて、一人ひとりに手渡せた時、 
僕は詩を書く者の幸せを ....
工場には 
一つの巨きい機械が常に作動し 
ベルトの上に運ばれる 
「商品」は次々に仕上がり 

( 巨きい機械を組織する 
( 無数の小さい歯車達は 
( 涙を流す、暇も無い・・・ 
 ....
「世界」という名のパズルから 
はみ出した1ピースの「私」は 
いつまでも 
自らの存在に、飢えている

風に揺られる野の百合や 
空に翼を広げる鳥は 
「世界」という名のパズルに入り  ....
休日はらんぷの灯の下に 
古書店街で買った 
古びた本の、頁を開く 

少し引っ張れば 
すぐに千切れてしまいそうな 
薄茶けた頁に並ぶ無数の黒字は 
遠い過去から語りかける 
音の無 ....
亡き祖母の和室を書斎にして 
らんぷ灯の下に 
古書を開く 

この和室で 
祖母が永遠に眠った 
あの日から 
部屋の隅に置かれた受話器は 
お辞儀をしたまま黙っている 

背後 ....
誰もがきっと探してる 
心の穴を埋める 
たった一粒の薬を 

誰もがきっと求めてる 
この世の果ての薬局にいる 
あの不思議な薬剤師を 

群衆に紛れた君が 
ビル風に飛ばされそう ....
ある日、意表をつくように 
(体の透けた人)は 
微かな足音も立てずに 
この胸の扉の鍵を開けて 
足を踏み入れて来るだろう  

私は三十三年の間 
世に産声を上げた 
あの日から  ....
仕事から帰ると 
三ヶ月前に世を去った祖母の 
妹のI叔母さんが 
ソファーに腰掛け 
親父とお茶を飲んでいた 

母ちゃんが 
「お茶をもう一杯・・・」 
と言うと 

I叔母さ ....
僕は今、多摩の乞田川沿いにある喫茶店で、 
この手紙を書いています。時計の針はすでに
正午を廻り、歓びの時が近づいているのを感
じます。木目の壁に掛けられた額縁の中の水
彩画は広い草原で、若い ....
天井から吊るされた 
木彫りの人が 
諸手を上げたまま 
宙に浮いている 

それは 
あまりの苦しみに悶え 
背を反らすように 

それは 
大きな歓びに 
飛び込んでゆくよう ....
友と杯を交し 
日々の想いを 
語らう夜に 

酔いどれて独り 
家路を辿る 
夜の道すがら 

何ヶ月も同じ場所に坐り 
路傍の石と化した 
家無き人の 
汚 ....
深い眠りについた時も 
魂は(目)を、開いている。 

いつか地上の全てが 
この体が、人々が 
燃え尽くされても 

最果ての空に透き通り 
ゆっくり開く 


魂の(目) 
 ....
湯舟から上がり 
シャワーを浴びていた 

足元に汚れたものが
落ちていたので 
シャワーをかける 

しゃがんで見ると 
細い足で 
タイルの{ルビ縁=ふち}にしがみつく 
一匹 ....
母校の玄関前の 
階段に腰かけ 
近所の青年達がキャッチボールをする 
{ルビ人気=ひとけ}少ない校庭をみつめる 
夕暮れの刻 

瞳を閉じれば 
22年前の夏 
陽炎の ....
初老の母ちゃんを乗せた 
旅客機は 
赤ちゃんを産んで間もない 
姉がいる富山を目指し 
羽田空港の滑走路から 
大空へ 
飛んでいった 

定年をとうに過ぎた親父は 
警備の泊まり ....
今から2年半位前に、戸塚駅の路上ライブで出逢い 
「ぽえとりー劇場」でもゲストライブをしてくれた 
杉本拓朗君が「歌スタ」に出ると聞いていたので、 
今日は仕事から帰って早めに寝て 
番組の始 ....
誰もいない静かな部屋で 
時折鏡を、覗いてみる。  

目はふたつ 
鼻はひとつに  
口ひとつ 

奇跡を行うこともなく 
些細な魔法もわからずに 

背伸びをするわけでなく 
 ....
ホワイトデーの3日前 
クッキー屋の前に立ち 
義理チョコレートのお返しばかり 
虚ろな瞳で探してる 
もの欲しそうな、男がひとり。 

若い女の店員から 
硝子ケース越しに 
手渡さ ....
くたびれた足を引きずって 
いつもの夜道を帰ってきたら 
祖母の部屋の窓はまっ暗で 
もう明かりの灯らぬことに 
今更ながら気がついた 

玄関のドアを開いて 
階段を上がり入った部屋の ....
 昨夜の「ぽえとりー劇場」のオープニング
では昨日の朝、現代詩フォーラムでみつけた 
nonyaさんという詩人の「鳥瞰図」と「三寒
四温」を朗読しました。 

「鳥瞰図」という詩から僕は、 ....
最近、黒い手袋が
落ちているのをよく見かける 

ある時は職場の廊下 
ある時は駅の構内 

人間達の無数の足が 
通り過ぎてゆく隙間に 
{ルビ木乃伊=みいら}の面影で 
誰にも届 ....
傾いた標識に凭れる 
私のうつむく影が 
夕暮れ色の地面に、伸びていた。 

ふいに顔を上げた目線の先 
小屋に並ぶ 
七つの地蔵の真ん中に 
ひとり 
鼻は砕け、片目を開いた 
風 ....
放浪中の乗り合いバスで 
旅の鞄を開けたら 
電池の抜けた 
目覚まし時計が 
ぴたりと時を、止めていた。 

2本の針が指す時は 
午前5時30分 

あの朝旅を始めた僕が 
心 ....
地下鉄の風に背中を押されて 
階段を下れば 
ホームの端を 
黄色い凸凸道が
何処までもまっすぐに伸びていた 

いたずらな風が 
吹けば 
すぐによろつく私だから 

凸凸道の内 ....
忙しい日々から逃れ 
疲れた体を暖めようと 
平日の{ルビ人気=ひとけ}少ない温泉で 
頭の上にタオルをのせて 
露天風呂に沈んでいた 

ゆげの立ち昇る 
水面に 
現れては消えてゆ ....
もし(まことの人)がいるならば
一体、どんな面影の人であろう? 

彼は、この世の体という{ルビ着包=きぐる}みの内に 
薄っすら透けた(もうひとつの体)を 
宿している。 

机上に丸 ....
 司会の僕が「2部のラストはこの人に登場してもらい
ましょう・・若き詩人の星・児玉あゆみさん」と名前を
呼ぶと、「笑いと涙のぽえとりー劇場」に初登場の児玉
さんは詩と朗読について「詩は(難しいと ....
とぼけてしまった
お風呂上りのもーり爺さんを 
いたずら好きなNさんが抱きかかえ 
こころやさしいIさんがオムツをあて 
ぼ〜っとしてるぼくが後ろから車椅子を入れる 

車椅子に腰を下ろし ....
人込みに紛れ 
駅構内の階段を下りていると 
背後に 
「 だいじょぶですか 」 
という声が聞こえ 
思わず振り返る 

車輪の付いた 
買い物かごの取っ手を 
細腕で握り 
「 ....
なぜあなたは 
病の親の世話をして 
毎朝歯を喰いしばり 
家の門を出て来る部下が 
体調崩し仕事を休む 
辛いこころが見えぬのだ 

わたしは今日も ふんふん と 
あなたの腐った愚 ....
こめさんの服部 剛さんおすすめリスト(212)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩集「Familia」に込めた想い_〜(もう一つの世界)に尽 ...- 服部 剛散文(批評 ...509-5-19
イデアの国_- 服部 剛自由詩809-5-15
「_世界のパズル_」_- 服部 剛自由詩309-5-14
「_古書ノ声_」_- 服部 剛自由詩809-5-11
石ノ顔_- 服部 剛自由詩309-5-11
「_猫ノ薬_」_- 服部 剛自由詩709-5-9
両手ノ像_- 服部 剛自由詩309-5-5
「_祖母の部屋_」_- 服部 剛自由詩709-5-4
結婚する詩友への祝辞_- 服部 剛自由詩709-5-4
木彫ノ人_- 服部 剛自由詩309-5-4
光の夜道_- 服部 剛自由詩909-4-23
魂の(目)- 服部 剛自由詩209-4-17
団子虫の最期_- 服部 剛自由詩509-4-16
空の白球_〜母校の校庭にて〜- 服部 剛自由詩309-4-6
幸福の食卓_- 服部 剛自由詩1809-4-3
唄歌い・杉本拓朗への手紙。_- 服部 剛散文(批評 ...209-3-31
月夜の草_- 服部 剛自由詩909-3-27
ステラおばさん_- 服部 剛自由詩509-3-22
遺影のまなざし_ー四十九日前夜ー_- 服部 剛自由詩2009-3-10
僕等の日々は三寒四温_〜nonyaさんの暖かい詩情について〜 ...- 服部 剛散文(批評 ...309-3-9
黒い手袋_- 服部 剛自由詩809-3-4
片目の地蔵- 服部 剛自由詩509-3-2
Dream_Land_- 服部 剛自由詩309-2-26
賢治ノ星_- 服部 剛自由詩1209-2-20
泡の鏡_- 服部 剛自由詩1009-2-14
永遠の塔_- 服部 剛自由詩409-2-7
「不思議の国のアリス」に尽いて_〜児玉あゆみ・覚書〜_- 服部 剛散文(批評 ...208-12-26
もーりさん_- 服部 剛自由詩408-2-24
忘れもの_- 服部 剛未詩・独白8*07-7-26
虫の味_- 服部 剛自由詩11*07-7-24

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