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ピエロは
いつも装っていた 
彼のまわりには 
いつも明るい{ルビ日向=ひなた}があるように  

ピエロは 
どうでもよかった 
彼のことを 
まわりの人々がどう言おう ....
深夜のファミリーレストラン 

テーブルの上に丸まった鼻紙 

プラスティックの筒にそっけなく入れられた伝票 

少しの泡を残した空のビールジョッキ 

外して逆さのまま置かれた{ルビ ....
飲み屋を出たばかりの 
ほてった{ルビ頬=ほほ}を夜風に受けて 
改札に入ってゆく 
友の背中を見送っていた 

気がつくと 
「友情」という像の前に 
僕は独り立っていた 


 ....
丘の上には 
{ルビ幼子=おさなご}を抱くマリア像 
周囲で秋風に揺られ 
{ルビ頭=こうべ}を{ルビ垂=た}れるススキ達 

丘の上から 
見渡せば 一面の海 
きらきらと日の光が踊る ....
一日の仕事始めにコピーした 
今日の日付けの書類には 
一枚の{ルビ付箋=ふせん}が貼られていた 


「 使ってください 」 


向いてなかった職場に{ルビ棄=す}てられて 
縁 ....
○さん △さん □さん ×さん
ぶつかりあって 
スクラムを組めない 
日常の僕らの職場 

たくさんの言葉で 
自分の正しさを伝えるほど 
はぐれてゆく 
○さん △さん □さん  ....
一日の疲れを 
シャワーで洗い流していた 

湯舟には 
二本の髪の毛が組み合わされ 
「人」という字で浮いていた 

水面でゆっくり回って逆さになり 
二本の毛の両端がくっついて 
 ....
今日も仲良くけんかする 
何の変哲もない 
親父と母ちゃん 

日々
腹を抱えて笑ったり
頭に{ルビ角=つの}を立ててしまったり 
からかいあったり
愉快な職場の仲間達 

両親や ....
酔っ払い 
どこまでも寂しくなる夜

赤くほてった顔でふらふら歩き 
電信柱に額をあてて寄りかかる 

辿り着いた
バス停のベンチにへたりこみ

夢に見る 
愛しき君 ....
雨上がり
{ルビ水溜=みずたま}りには 
哀しい顔が浮かんでる 

ひょい と飛び越え 
曇り空の一日に向かって彼はゆく 

{ルビ仄=ほの}かな{ルビ灯=あか}りを 人の{ルビ間=あい ....
他の人がしたことで 
{ルビ叱=しか}られて じっと 耐えていると 
罪も無く十字架にかけられたあの人と 
つながっている気がしてくる 

身代わりとなった人の為に自らを{ルビ棄=す}て 
 ....
目の前をみつめると 
十字架は橋となり 
わたしの明日へと架かっていた

振り返ると 
両腕を広げたまま 
横たわる人の体の上を 
気づかぬうちに踏みながら 
産声を上げた日から今日ま ....
{ルビ掌=てのひら}にのせた 
{ルビ一片=ひとひら}の恋の花 
千切って夜風に放つ 

そうして青年は 
破れた心のままに 
深夜の断崖の上に立つ 

目の前には{ルビ只=ただ} 
 ....
窓外に 
枯れたまま{ルビ俯=うつむ}く 
{ルビ向日葵=ひまわり} 


辺りを照らす
太陽の花に
振り返っていた人々 

秋 
{ルビ独=ひと}り汚れ身を{ルビ晒=さら}しな ....
体のまあるい婆ちゃんが 
ぜいぜいと団地の階段を上っていた 

通りがかりの少年は 
後ろから両手で腰を抱えて 
ゆっくりとした歩調と合わせ押し上げた 

( 振り返ると 
( 団地の ....
朝の車の中で 
おばあちゃんは 
他のお婆ちゃん達に 
七色のあめ玉をくばって 
僕にもくれた 

「 このあめ玉をなめると 
  元気百倍ですね    」

というと 
おばあち ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前 
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき 
今日という日を振り返るひと時 

名も無き群の
無数の足音が響く 
駅構内の朝

職場の仲間と 
腹を抱 ....
親父・母ちゃん婆ちゃんは 
姉・婿・孫娘のいる富山に行き 
一週間は帰らないので
家はがらんと広くなった 

仕事を終えた帰り道 
夜空を見上げ 
雲から顔を出す十五夜お月さんと話し 
 ....
日曜の午後 
立川のカレー屋で行われる結婚式で 
新郎新婦に贈る小さい花束を傍らに 
大船駅から乗った東海道線に揺られている 

向かいの席に座った空色の服の女は 
携帯電話を鞄の上に持っ ....
職場の先輩が 
強気な部下のOLに牙を向かれ 
いじけてた 

この日、日誌の僕は 
書類をコピーしたら 
紙が詰まった 

事務所に行って 
先輩呼んで 
「 頼りにしてます、助 ....
昨日の仕事を終えた帰りのバスで 
( 毎日々々同じことの繰り返しだなぁ・・・ 
と心に{ルビ呟=つぶや}きながら疲れてうたた寝していた 

今は亡き・好きな作家のE先生が 
ぼんやり現れ 
 ....
プラスティックケースの上に 
並んでる、ふたつのせっけん 

小さいほうが、お婆さん 
大きいほうが、息子さん 


「 生まれた時は逆だったのに 
  わたしに向かってハイハイしてた ....
雨が降る日に鎌倉の寺に行き 
賽銭箱に小銭を投げて 
ぱんぱんと手を合わせ 
厳粛な顔つきで 
びにーる傘をさしながら 
帰りの細道を歩いていたら 
濡れた路面につるんとすべって尻餅ついた ....
竹筒の側面の穴に生けた
{ルビ秋明菊=しゅうめいぎく}の白い花々 
境内に奏でられる{ルビ雨唄=あまうた}に耳をすまし 
そっと{ルビ頭=こうべ}を垂れている 

{ルビ些細=ささい}なこと ....
久しぶりに訪れた{ルビ報國寺=ほうこくじ}は 
雨が降っていた 

壁の無い 
木造りの茶屋の中 
長椅子に腰かけ 
柱の上から照らす明かりの下 
竹筒に生けた{ルビ秋明菊=しゅうめいぎ ....
遠い昔の{ルビ故郷=ふるさと}で 
おちんちん出して川を泳いだ子供の頃を 
懐かしそうに語るO{ルビ爺=じい}さん 

空の上からそっと見守る 
若き日に天に召されたO爺さんの奥さん 

 ....
お婆ちゃんの細い手が
絵葉書に描いた
美味しそうなまあるいピーマン 

筆を墨に浸した僕の若い手は 
「 いつも ほんわか しています 」
と曲がりくねった字を余白に書いた 

お婆ち ....
壁に{ルビ掛=か}けられた 
一枚の絵の中の蒼い部屋で 
涙を流すひとりの女  

窓からそそがれる 
黄昏の陽射しにうつむいて 
耳を澄ましている 

姿の無い誰かが 
そっと語り ....
気がつくとその{ルビ女=ひと}は 
明け方の無人列車に乗り 
車窓に広がる桃色の朝焼けを 
眠りゆく瞳で見ていた 

列車がトンネルに入ると 
全ての車窓は真黒の墨に塗られ 
闇の空間を ....
北鎌倉の山寺の
{ルビ境内=けいだい}を歩くと 
左手に緑色の池が現れた 

小石を一つ拾い 
池へ投げる 

緑の{ルビ水面=みなも}の真ん中に 
水の花が開いて 
広がる 
  ....
こめさんの服部 剛さんおすすめリスト(212)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ピエロのハンカチ_- 服部 剛自由詩15*06-11-7
深夜の鼾- 服部 剛未詩・独白3*06-11-7
「友情の像」- 服部 剛自由詩7*06-11-6
海の見える駅_〜江ノ電・鎌倉高校前〜- 服部 剛自由詩9*06-11-6
付箋- 服部 剛自由詩6*06-11-6
「_千手観音_」_- 服部 剛自由詩10*06-11-4
「人」- 服部 剛自由詩11*06-10-29
瞳の内に_- 服部 剛自由詩5*06-10-27
碧い腫瘍- 服部 剛自由詩12*06-10-26
- 服部 剛未詩・独白1006-10-23
_- 服部 剛自由詩6*06-10-20
道_- 服部 剛自由詩12*06-10-18
涙ノ星- 服部 剛未詩・独白8*06-10-15
向日葵_- 服部 剛自由詩12*06-10-15
少年と老婆- 服部 剛自由詩13*06-10-13
あめ玉_- 服部 剛自由詩7*06-10-13
砂丘の少年- 服部 剛自由詩9*06-10-13
もらいもの_- 服部 剛自由詩12*06-10-10
「幸せの花束」〜奥主榮・白糸雅樹さん結婚の日に〜- 服部 剛自由詩7*06-10-9
「ピース」_- 服部 剛自由詩6*06-10-7
「悪い夢」_- 服部 剛自由詩8*06-10-4
せっけん_- 服部 剛自由詩16*06-10-2
お皿の傘_〜はっとりんぽえむ・その1〜_- 服部 剛未詩・独白6*06-10-1
秋明菊- 服部 剛自由詩16*06-10-1
鎌倉・報國寺_〜初秋〜_- 服部 剛自由詩10*06-10-1
滑走路_〜O爺さんとの問答〜_- 服部 剛自由詩7*06-9-28
「ピーマンの絵」_- 服部 剛自由詩9*06-9-27
絵の中の部屋_〜姿なき人〜- 服部 剛自由詩14*06-9-23
朝焼けの声_- 服部 剛自由詩12*06-9-23
はじめの一歩_〜鎌倉の寺にて〜- 服部 剛自由詩8*06-9-23

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