たとえばそこに私がいるということ

炭酸水の泡の中に私がいるということ

生まれては消え消えては生まれる
連鎖する中にほんの一瞬私が見え隠れするということ

たとえばそこに私がいるという ....
もう歩みを止めたのに
ひとさし指は
冷たく曲がったままでいた
もう吹雪のなかにはいないのに
他の指から
ひとり離れたままでいた


指を伝い 流れるものから
やがて温度は ....
シーラカンスてことばが
とつぜんうかんできて
ああ、だからなんだ、と
まいにち せなかだけをみつめつづけてしまうあのこに
ふれあうことをしないのは
わたしが 化石のまま生き続けているからです ....
夜のなかで ぼくらは 目覚め
目覚めた ぼくらの なかで
夜は 目覚める

夜のなかで ぼくらは 
存在するものの 確かさを
はじめて 知る
ぼくらが 知ることで
存在するものに 
 ....
西日の頃には
空は白く霞んでいたらしくて
滲んだ街の、ビルから生える空の景色を
ふうわりと、抜けたくて
前後左右、サングラスの目線で
せわしなく行き過ぎる人たちからは
あの強い、レモンの匂 ....
あの手紙を
風に託したのは
去年の秋のこと

あのとき流した
涙の理由
忘れたふりして
送った月日の重たさも
体の一部にしたけれど
それも性分なんだと
開き直れば
今、吹く風の行 ....
路地裏の台所
いつも泣きながら言い訳を調理する
どこに傾いても、コンセントに差し込む場所が見えないので
とりあえず玉ねぎを切っていた
ということにしてみたい

  *

電子レンジに生 ....
音もなく降る雪
泣いているのかもしれない
白い
空の向こうで

殺された小さな手と
殺した大きな手
どちらもあなたに似せて造られた手
耐え難く
愛しい

泣いているのかもしれない ....
木は影になり
しずくを流し
銀はせつな
銀はとこしえ


光の粒が
川になり
見つめるまなこ
満たすはじまり


昼の星の
糸をたぐり
ふたりで赤子を
紡ぎま ....
春風よ
月の優しさを知る
アーモンドの
ほころんだ花びらを そっと波間にうかべ
遠い異国へ 運んでおくれ
涙色の伝説 
その震える肩を包んでおくれ



歌えよ 鳥よ
闇をつらぬ ....
お池の向こうにみえていた
小さな山は 削り取られた
星の数 名もなき命の ゆりかごが

その上に新しく建った家で、子供が育つ
私も そのようにして育った子供の一人です

祈るよう ....
綺麗な夕陽の見れる丘の上で

ぼくは夕陽とにらめっこ

上着のポケットの中に入っていた

コンビニのレシートが何かの弾みで

落ちてきた

それを役に立てようと

したわけはな ....
降る雪の向こうに舌先があり
ひびわれたくちびるをなめている
黒に囲まれた空の道を
砕けては砕けては照らす風


花のからだの鳥がめざめて
空を羽の仕草になぞり
うつら うつら
空 ....
春は
思いがけない記憶を呼び覚ます

 フリージアの花びらが揺れていた
 恋に幼い心も揺れていた
 サヨナラの理由を
 頬伝った涙をさらう風のせいにして
 強がる笑顔で背中を見送った
 ....
うるうると  ながれては  こおりにかえり

うるうると  みたしてゆく

つちを  かぜを


たちのぼる霧は
こおりをむすび
春待つ木々を
冬に還す


光 ....
泣けるくらいの悲しみならば
それは言葉にならなくていい

シャウト!

吹き溜まりの街角で、自転車に乗ったおじさんが
何を言ってるのかわからないでいる

イカレテル

そん ....
爪の隙間に出来た汚物はあなたのものだ
吐き捨てた唾の アスファルトに同化した微生物はあなたのものだ

あなたが今まで偶然にも触れられなかったものはあなたのものだ

あなたが今まで好み 捨て去 ....
樹の中に大きな穴を開けてやる
啄木鳥のように朝から晩まで
喧しく叩いている

壁の中に丸い穴を開ける
電気ドリルの電池が切れるまで
喧しい振動が続くまで

地面に大きな ....
 
ににんがし
にさんがろくで
にしひがし

いちたすいちも
ろくでなし
37までよめが来ぬ

来ない間に日が暮れて
クレタ島からニューギニア
ギアナ高地の贋蛙
ギアナギアナと ....
歩行者注意
そう書かれた建て看板から
色が失われてからどれくらい経つだろう
すっかりと白い顔の少年がこっちを、見ている
注意を向けられたことなんて、ここにどれだけあるだろう
大きな予鈴
僕 ....
砂に書いたラブレター
パットブーン
1957年のヒット曲
マツダのオート三輪にも
曲面ガラスが使われだして
戦後も終わったと
みんな感じていた頃の
なんとなく未来が明るく
元気 ....
昼飯を食べようと
台所にいたら
どこかで蝉が鳴いているような
音がした
ファンの軋む音ではないか
モーターの唸る音ではないか
風呂場でゴムホースが蛇口の前で
激しくぶつかり
互いに ....
みんな何処に行ったのだろう
30歳を超えたときに気がついた
前には誰もいない
後ろにも
横にも
気がついたら
いつでも何処でも
誰もいない
空は
いつものように
明るいのに
不思 ....
さみしさを

なんとかするために

生きているのではない

その程度のことは

わかっている

やりたいことも

やらねばならないことも

ある

ただ 信じているもの ....
木の幹を釘で突き刺し
木の枝を鉈で落とし
木の幹に穴を開け
木の中に住み着いたぼく

木の心は悲しいのに
木の中のぼくは知らん顔
もうひとつのこころを追い出して
釘を突き刺し切り落とし ....
メダル候補ナンバーワン
犬も食わない夫婦の喧嘩
喧嘩ファイトの
ストリート
ワンツウスリーと
手品師が
白いハンカチ
ふんわりと
粉かけ呪うふりをする

粉かけ飲み込む反魂丹
 ....
棚から落ちて
壊れた箱から
ころがりいでた
あねといもうと
今日は何をして遊ぼうか


ことのほか色を見たいのに
絵の具はどれも薄れてしまった
むらさきになるまでたた ....
はははははははははははははははは!
はははははははははははははははは!


そろそろ日本は駄目らしい
昨日電車の中でオッサンが言ってた
駄目な政治家達がもっと駄目にして
それを駄目だとし ....
人より一回多い修学旅行気分で
床を転げまわる
人より一回多い学園祭気分で
床を転げまわる

僕のSOSはネットを通じて世界中に発信され
日本語を読める者から若干の返事があったりする
流石 ....
世界はひし形に連なって
かけらとふるえをこぼして廻る
こぼれたものはひかりかがやき
水草を愛でるかたちとなって
午後の流れにひたされてゆく


青と青がつながって
空から空 ....
まどろむ海月さんのおすすめリスト(656)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
たとえばそこに- 夕凪ここ ...自由詩9*06-3-19
冬と歩み- 木立 悟自由詩206-3-17
シーラカンス- mina未詩・独白5*06-3-17
見知らぬぼくらへ- 青色銀河 ...自由詩206-3-15
西日の頃には- 霜天自由詩906-3-9
風が吹くとき- LEO自由詩8*06-3-8
キッチン(拡張中)- 霜天自由詩706-3-7
泣いているのかもしれない- 北野つづ ...自由詩7*06-3-7
うたと赤子- 木立 悟自由詩406-3-5
almond.- 紫翠自由詩4*06-3-5
星のゆりかご- 紫翠自由詩4*06-3-5
僕自身の紙飛行機- こめ自由詩406-3-4
鳥と子- 木立 悟自由詩406-3-3
青い春- LEO自由詩9*06-2-28
うるうると- 紫翠自由詩9*06-2-28
シャウト!_(完全版)- ベンジャ ...自由詩7*06-2-28
あなた- 久野本  ...自由詩106-2-27
樹の中に- あおば自由詩4*06-2-26
1+1=37- あおば自由詩3*06-2-26
火曜日(歩行者注意)- 霜天自由詩106-2-26
霧に書いた詩- あおば自由詩6*06-2-25
厳格な夏- あおば自由詩3*06-2-25
夢見る頃を過ぎても- あおば未詩・独白5*06-2-23
わたし- こむ未詩・独白206-2-21
木の家に- あおば自由詩2*06-2-20
アートモンキー- あおば自由詩2*06-2-19
ノート(たからばこ)- 木立 悟未詩・独白506-2-18
笑うおっぱいマン- 虹村 凌自由詩3+*06-2-18
不意に挙げた顔の前には汚い老人が座っていた- 虹村 凌自由詩2*06-2-18
ノート(変わらぬもの)- 木立 悟未詩・独白106-2-17

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