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わたり鳥の光のかたむき
水と草とに散ってゆく声
拾う者なく散ってゆく声
あたたかな隙間ある冬のはじまり


器にはまだ水があり
夜の雲を映している
緑を覆う緑の暗がり
 ....
空が傾き
音は木にふりかかり
ずっとずっと遠くまで
誰もいないことを告げてゆく


せばまる風が
音の火となり
無言の道を
甘いにおいに近づける


弱くいとし ....
呼んでいる
暗く 暗く 呼んでいる
ふところに抱えていた絵が
風に飛ばされ いってしまった
その一枚一枚を
呼んでいる


暗がりのなか
緑に染まるきんいろが
欠けた器 ....
己に酔って
緑に心を晒した男が
緑に穿たれ 散ってゆく



雨に打たれ
あとかたもなく
虚ろな道に 消えてゆく



おまえのなかに獣はいない
おまえのなか ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
光の傷の足跡でした
小さくまぶしい姿でした
川はあふれ
流れはくちびるのかたちをして
水と土とを引き寄せるのでした


流れの音は
光の花の緑をしていて
過ぎてきたどこか ....
空と鉄の擦れ合う音が
まるくやわらかな緑にはじけ
蒼く蒼くしたたりおちて
土の下の土を流れる


夜の水を抄いとる手
音のない曲がり角
遠く軋む火に染まる
誰もいない光に ....
嵐の夜
白と黒の町
{ルビ礫=つぶて}のなかの
廃屋をめぐるまわり道


螺旋階段に立つ人々
雨のなかの天使を見下ろしている
瞳から瞳へ落ちてゆく滴
水彩の ....
雨のなかの長い影から
無数の別れの手が振られる
雨のなかの長い鏡が
雨を映して立ちつくし
幽霊のようにかがやいている


川を歩み 立ちどまり
水紋を見つめつづける光が
 ....
     天気雨を見つめる瞳の

     涙はとどく

     空の王座に
ほうほうと
夜を捜す声がする
ほう 一羽飛び
ほう 一羽飛び
またひとつ木は居なくなる
雨のなか
しっかりと手を握る子ら
緑の闇に
飛び去る羽音を見つめている


 ....
    数十枚もの翼を持った
    金色の生きもののことを考えるたびに
    自分の内から眠りが消えてゆく
    そしてそのあとに必ず
    奇妙な痛みがやって ....
    ライラックの関節
    樹脂の花
    石鹸の羽
    咲き誇る



    手も足も
    沼のもの
    たたきつけられる煙


  ....
    左目の下に
    はばたきがある
    つねに つねに
    はばたいている
曇のなかで
ねじれる光
灰に 銀に
尽きることのない色に
池を隠す雪の上
蒼い熱が散ってゆくさま
その繰り返されるうたを聴く



けだものはけだもの
世界を狩る ....
左の視界に切り込んでくる
海は花を手わたしてくる
霧雨と霧雨の合い間の呼吸
羽音から羽音へ飛び越えながら
海は光を手わたしてくる


朝がはじまるその前に
朝よりも強く ....
わたしが歩くと
風下が来る
今日は
羽だけの生きものが流されてきた
ただ生きているだけなので
また
流されていってしまった



羽だけの生きものは
風の柱をまわ ....
曇の蒼から産み落とされる
まるいものたちのなかに月があり
ぬるりと山を流れてゆく


午後の終わりの操車場は
しじゅう何かに追われていて
しじゅう鉄の音をたてている

 ....
自分は座っている
名前を呼ばれて
まわりの人はいなくなる


自分は座っている
まわりの人はいなくなる


自分はいる
いなくなる


自分は
いる
いな ....
濡れたふたつの手が午後をつくる
坂の一本道
空へつづく曲がり角
高みの灰 地の白
遠くひろがるはざまを
雪が埋めてゆく



短い午後の晴れ間に
海を見ている ....
雨の森 羽の音
言葉にこぼれる
声の水音
透きとおった殻のなかで
生まれ出ようと旋るもの



空が融ける
雲の一角
灰の放射が
ひとりのまぶしさが
おそ ....
午後をわたる数羽の鳥が
いくつもの笑みを描いている
空と曇の鈍のさかいめ
まぶしく見つめる目のなかを
笑みはめぐり飛び去ってゆく


曇を映した滴にかがやく
水の壁のよ ....
原の終わりを示す石標
頬を照らす風に押されて
廃屋は花に沈む
空は地の午後へ近づく
忘れられた道から生まれる鴉
砂の上にあふれ出る夜



金銀銅の狐がむさぼる
返 ....
粒になり粉になり消えてゆく
手に触れる花から消えてゆく
からだへ からだへ
浴びせかけられるように降る花
燃えても燃えても降りやまぬ
消えても消えても降りやまぬ


め ....
遅い月に
空は揺れ
鳥は眠り
朝の川を夢みる
冷たい光の下の水
海にもなる
人にもなる



雨の明かりをすぎる鳥
灰の轍をひたす水
幾度めかの浅い冬 ....
突然の雨に驚き
空気が動き
生まれた風は
生まれたときから不機嫌でした


埃っぽい路が
陽や曇を浴び
濡れた光を浮かべ
空を見つめているのでした


蜘蛛でも ....
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが



空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消え ....
夜と同じものが立ちはだかり
窓の外は暗くにじむ
歌うは神の無い月
瑠璃色の雲の一節
苦しみの幾拍かをとどまらせて





すべての低いとどろき
午後の果て ....
空からの鳥
土からの鳥
雲をあらそい
夜に落ちて
わずかな光に溺れる



土のなかの魚たちにも
雨は少しずつ少しずつとどく
稲妻の色に目覚め
音に眠る
その ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる


からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
ルナクさんの木立 悟さんおすすめリスト(139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
降り来る言葉_XX- 木立 悟自由詩505-11-14
きんいろのうた(光と音)- 木立 悟自由詩505-11-8
きんいろのうた(絵と夜明け)- 木立 悟自由詩405-11-5
ノート(緑と雨)- 木立 悟未詩・独白5*05-11-4
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1
けだものと覆われた子- 木立 悟自由詩1305-10-31
蒼と手のひら- 木立 悟自由詩305-10-30
円原視座- 木立 悟自由詩1005-10-26
花と源- 木立 悟自由詩305-10-25
ノート(37Y.9・10)- 木立 悟未詩・独白205-10-24
銀に_緑に- 木立 悟自由詩805-10-23
ノート(31Y・11.23)- 木立 悟未詩・独白505-10-23
ノート(32Y・1.12)- 木立 悟未詩・独白405-10-22
ノート(37Y・8.24)- 木立 悟未詩・独白305-10-21
凍空- 木立 悟自由詩705-10-18
海と言葉- 木立 悟自由詩605-10-17
ノート(風下)- 木立 悟未詩・独白305-10-17
午後の終わり- 木立 悟自由詩305-10-16
ノート(待合室)- 木立 悟未詩・独白305-10-15
輪想(無の地)- 木立 悟自由詩305-10-15
冬の羽- 木立 悟自由詩605-10-14
夜とまたたき- 木立 悟自由詩605-10-13
冬獣行- 木立 悟自由詩605-10-12
海へ至る- 木立 悟自由詩805-10-11
腕ひらき_微笑む- 木立 悟自由詩605-10-10
午後のはじまり- 木立 悟自由詩905-10-9
虚行路- 木立 悟自由詩605-10-8
幽かな日- 木立 悟自由詩405-10-7
外水- 木立 悟自由詩505-10-5
いろ_てまねく_いろ- 木立 悟自由詩905-10-4

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