虚行路
木立 悟
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが
空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消えてゆく空白
空白ではなくなる空白
すべての土に触れ
他の太陽に触れ
血の翼に触れる
現れてはたゆとう強弱に
前髪をひたし
笑みをひたす
冬に 雲に
数に追われる
やわらかい月
言葉の夜の晴れ間に
空を忘れて飛ぶ
空を忘れて飛ぶ
自由詩
虚行路
Copyright
木立 悟
2005-10-08 16:58:49