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シーラカンスという名前は
ギリシア語で「中空の背骨」という意味で
原始的なそのつくりは弱々しく
外見のゴツゴツした印象からは想像できない

けれど普通の魚と比べて多いヒレは
しっかりと ....
春雨の降る午後 
私は一人傘を差し 
無数の蕾が開き始める 
桜並木の道を往く 

三っつ目の信号を曲がり 
学校に沿う坂を下ると 
傘を差す 
君の母が立っており 
喪服の私は頭を ....
梅林に跳ねる少年よ
その将来はゝつきりと
おれの眼をなめずる
生きて生きてゆけ

桃苑に笑ふ少女よ
その蕾はおぼろげに
おれの眼をあざむく
死んで死んでゆけ
育つために撒かれた種
飲み干されるため血にまみれたトマト
食べられるため握られたおにぎり
焼かれるために横たわるメロンパン
プチられることなく窒息したプリン

時代に見捨てられ
度々俺の ....
きみが少し元気なときに
庭に植えた白梅に
真珠の粒がころころと
それは春の序章とも言える

きみが好きだった春の 前髪が見えて
それはきみの季節とも言えるが
メディアから塗りつけられる春 ....
帰り道にコンビニで煮物を買う
慣れ切った日常が続く

相変わらずな路上駐車常習車や
やる気が0.7ミリ程度の駅員や
噛み合いが悪いオートロックキーに囲まれて

夕食の味も興味がない
食 ....
窓際 春のはじめの陽に
鉢植えの花が咲いてゆく
緑の葉が孔雀のようだ
朝と昼と夜が流れている

その少し離れた台所の隅に
チューリップの造花がある
流し台のガスコンロの近く
ひそりと赤 ....
スナフキン

買い置きのチョコレートが切れてしまって
買い足しに行かなければいけない
コンビニで立ち読みをしているスナフキンに会う
やあ、いい天気だね
一通り天気の話をすると
彼はまた手 ....
体のパーツを 四角い画用紙に敷き詰めて 新しい駅弁を作っている
髪の毛はスパゲッティ
腕はエビフライ
足は大根やら人参やら 和風の煮物
胴体部分はラザニア
爪や歯は 歯応えのある 沢庵や福神 ....
春の女 桜の古木にもたれて

ぬめる 初々しい 肌 寄り添う

産毛が細く 金色に光っていて
毛穴は深く 呼吸をしていて

絹の触れあい

暖かな風は 透ける布の裾に戯れ
頬の紅が ....
茹でたての素麺をつかって
ひとりSMに興じていたら
突然 お巡りさんがやってきて
僕は逮捕されたのです

罪名は ひとり素麺SM罪
薄暗い取調室のなかで
強面の刑事さんに取り囲まれ
何 ....
しあわせな言葉ったらし共が
今日も社会と隔離された理想郷で
中身の無い幸福を謳っているとき

俺はと言うと九州の西端で
印刷するたびに一行ずつずれていく
請求書のデザインを直していた

 ....
サヨナラバード
冬の月をのりこえて
きみは、きみの場所へ帰る
たくさんたくさん手を振った
またねと云うのが本当はさみしかった

たぶんぼくは忘れるだろう
毎日の雑多におわれて
そして空 ....
海からの放射線を

ぼくらはまるで海だと感じている

そのアリアは音楽の極北だ


無限とは広がる変数のことだ

この星に浮かぶすべての重力

海のうえには空しかなかった

 ....
  ・
 
 痣のある猫がいて
 部屋の中に僕といる

  ・

 ベランダで風に
 煙草を吸っていると
 くるぶしに柔らかい体が触れる

  ・

 敷きっぱなしの布団に座 ....
 窓の外がうるさいのでカーテンを開けると、案の定、犬が降っているのだった。雨粒たちはみな、犬の姿をしていて、降り落ち、地面に当たると、きゃいんきゃいんと啼いて弾け数粒の .... ずっとずっとって、うわごとのように恋繰り返す君と。
ただ繰り返される単調なリズム、僕のうた、届いてる?

確かな約束を即物的なもので補うのは簡単、と僕は言う。
君の指、耳、赤銅の煌めき。
嬉 ....
春は別れの季節です
わたしの家は洞窟です
今日のご飯はどんぐりです
カミツキガメに噛まれて
指の先っぽが紫色になりました

役場へはもう行かないの
役場へはもう行かないの
役場へはもう ....
なだらかな曲線や
いびつな凹凸も
形通りに
そっと撫でてやると


こわばった起伏が
するん と解けて
一本のゆるんだ線になった


とたんに安心して
ぽろぽろ涙をながす
キ ....
カサブランカの放尿を尻目に、水天宮前を絡め取ったアサリが一升
星は海に沈み、ネジ式のカタツムリの交尾
ロートレックを積分した毛の生えた臓物が腐っていく
街宣カーに轢かれたトンボの眼鏡はひからびた ....
ここは私
地面との距離も
クツやズボンのサイズも
タイピングする指も知っている
ここは私

ここは私の部屋
どこにトイレがあって
どこに埃が溜まっているかを知っている
ここが私の世界 ....
 
 
海賊が泣いていた
アスファルトの水たまりを見て
海を思い出していたのだろう

海の歌を歌ってほしいと言うので
何曲か歌った
関係ない歌もいくつかあったけれど
気づかれることは ....
わたしは夜を求める
濃紺の空と赤い星を求める

きみは夜を求める
藍の雲としろい月色を求める

ふたりが求めた夜の中で
風見鶏は廻ってゆく
流れ着く先を知らず
また
愛情、の何かも ....
マイナス、温度。

太陽、光。

月は光をつらぬいて

北の空を白ませて

落下、加速度。

地球の影。

月は光をつらぬいて

北の空を白ませて


ねえねえ、教え ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
骨と脳の間を
細く
傷つけて
線を引いていくような
砂粒を
一粒ずつさらって
ためつ
すがめつ

引かれた線には
流して
血液
のようなものを
ただ、薄く
川筋は浅はかな
 ....
どうやら
夏のまどろみが
この街を
巡回している

{注チンチン電車=長崎の路面電車}
おばあさん同士の
席の駆け引きが
何か切なくなる

降りてみて、
上を見上げたら、そら
 ....
      光がきれいだといいますが
      朝日が夕日がきれいだといいますが
      太陽で人は死ぬんだと思うわ
                            ....
 詩について一生懸命考えていると
 ときおり
 その胸の中に詩はいますか?
 という澄んだ女性の声がしたもんだから
 私は飛び上がってそうですと答えたけれど
 実際詩という姿を見たことも ....
白い服を着た少女
向こう側からやってくる

黒い服を着た少年
反対側からやってくる

少女と少年は出会う
少年は少女を犯す

少女の白い服に
小さな赤い斑点が滲む
 ....
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