すべてのおすすめ
頭がいくつもあるように、想像と解決が繰り返され、
想定していなかった彼が、かつて話したことまで木霊して
意味することを識る
一本で線、
ひとり想いを伝えること
二本で辺、
....
夏のTシャツは、青リンゴの匂いがした
西日の照りつける中、光に透けた脇の下の
肌とコットンのスペース
伝う汗は、覗き見た生活のように
ゆっくり下へと{ルビ降=くだ}っていた
それは空想で、上 ....
タラップが外れて
四基のエンジンの
高音と共に
涙する風切り羽
揚力のうまれるままに
生活の足場を
芥子粒ほどにちいさく
後ろへと
吹き飛ばしてゆく
....
イージス
あらゆる災厄や障害から
まもってあげたい
イージス、その姿はかがみのよう
みなも、かけた
わけを聞かれると
うつむいてしまう
斜め上を向いて
....
街の中になくした
放り投げるようになくした
あなたの
多面体のブロックパズルの面が、
そろわないからと
子供のようにわめいて
そろわないままの多面体は
街中の賑わいに似た
何色もの色に ....
夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってあげる
夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってほしい
しなる稲穂の
カーブのような腕で
白い、手
やわらかく ....
鉱石は女のなかに
いくつもの錠剤と
かすかな焼け野はらの香り
それと、ちいさな紙切れは
緑がかった鉱石を仄かに
ひらめかせては
夜という夜のあとに
必ず差し込まれる朝
その尻尾にぶらさ ....
あのあと
春へ向かった傷あとが
まだ桜色なので
熱をもって
おぼつかない
唇の舐めかたが
やさしいのか
つめたいのか
この生暖かな季節ににた
この体温が強く
開くかもし ....
つながり続けるアールイーから
mon 16:52
「きょうはサイダーとサングリアと いろんなラムネ20錠コースです。明日やすみだからもっと盛大にいきたいところだけど、からだが重くな ....
開かれていない
扉は
開けることができる
予感のうち
大通りを歩き
天秤は傾ぐ
路地か聖性か
重なる街
歩行
ときに白い肉
指の腹
青に砂
....
線路というやつはなんだって
この直線的な箱を
ねじ曲げることなく
流していけるのだろう
緩やかに曲がってくクセして
ぼくは客車のぱさぱさとした手触りの赤い
キルトのようなベッドの上 ....
海岸線に寝ころんで
国の皮膚が破れたところを見ている
ざぶざぶと水が侵入しては
さらさらと砂を溶きほぐして
ありきたりに
去って行ってはまた侵す
起き上がり
波打ち際に立って
まだふれ ....
ときには素直に
夜の空の暗さをみる
ただ光がないだけの話で
じつは日中となにも変わらないように
ぼくの思うことも同じだ
々という文字を子供の頃
不思議に思った
それをつなぐだけで ....
*
凭れたなら
鳥のように
木の欄干は鳴いて
帯のゆるんだゆかたのむねと
あのうみは
つながっているよ ....
いつだって窓は
逆光に黒いコンクリートを四角くくり抜いて
冷たさと
まだ見ぬ町と
まだ起こらない出来事と
未だ語られない言葉と
遠い町の中を走り抜ける音で彩色された
真っ青な空を映してい ....
あらためて
そんなものどうでもいいって
おもいながらも
あえて思うのは
恋愛、のぐあい
恋愛ってそんなことば
はずかしくて
なんともはや
いいづらいけど
いまだ夢見ている ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
・
痣のある猫がいて
部屋の中に僕といる
・
ベランダで風に
煙草を吸っていると
くるぶしに柔らかい体が触れる
・
敷きっぱなしの布団に座 ....
骨と脳の間を
細く
傷つけて
線を引いていくような
砂粒を
一粒ずつさらって
ためつ
すがめつ
引かれた線には
流して
血液
のようなものを
ただ、薄く
川筋は浅はかな
....
はやい
から
きれて
とんでる
けしきが
ちかくの
草むら
なんて
もう
線だ
恐ろしいくらい
長い
線だ
空気が
固い
いま
どれだけ
もう
壁みたいで
い ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと
あと太陽の動きのような一時間半があれば
ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて
そこで何本もの縄を編んではほ ....
バスの窓が煤けて、町を映し続けている 六十キロ
断続して、町の輪郭として、区切られているビルは、断続して
ビルとビルの隙間の半分には、雑誌と暗闇と雨水がともり
上半分には、ただそこに ....
茶色い瞳
見上げて染まっている
春のすこし前の空に
遠く冷たい青色に
それは昔好きな人の住む町で見た車のボンネットの色
強い強い風がかきみだす
雨上がりの翌朝
そ ....