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{引用=
おまえは死への憧憬もないまま 籠を抜け出して
まだ春も遠い 凍える大地へと羽ばたいていった
空高く飛翔することも出来ない そのか弱い翼で
導きの手もないまま 朽ち果てる身体は
誰に ....
もういやだと
四角い部屋に立てこもる
キュービックは
「{ルビ一=いち}」を培養するためのシャーレ
多数決って
何?
マイノリティの
さえずりが
連なる
マイナーリーグに
伝わ ....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ
何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ
キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って
あたりがもうすみれ色になっていた
春にちかい風が吹いた
LEDほどのつめたさが鼻を撫でた
きょうの天気がなんであったのか
わからなくな ....
+
花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた
+
花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
五時に会社を出て車で演奏会場に向かう
吹奏音楽団に入った甥のデビュー
トロンボーン奏者として舞台に立つのだ
まだ高校生だし来春からは社会人
でも誰も止める事ができなかったデビュー
ひとめ見た ....
届かない自分は
理想の自分の姿を
うまく描くことができず
うずくまる流星群の夜
見晴らしのよい丘で
花の香りにさそわれて
砂利道を革靴で
そぞろ歩いていたのでした
海が見える公 ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる
ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由
どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
アルバトロスのアは阿呆
アルバトロスのルはルンペン
アルバトロスはとろすぎるので
アルバトロスと呼ばれています
アフロディーテのシルクの羽毛
翼広やかに空を翔けても
二本の足ではろくに ....
涙のそれとは限らないけど
洪水が来ます
方舟の準備は出来ていますか
胸の中にはひとつがいずつ
悲しみと喜びと
なつかしさや可笑し味やら
小鳩たちのことも忘れずに
言葉が担ってくれ ....
足もとのカラスは飛び去らなかった
朝のホテル街をふたりで歩いた
いいのに、でも、ありがとう、
女を駅まで送っていた
ぼくらはたとえ話のなかを生きている
これは、なにか ....
優しさは下心のなせる業
優しさモドキ
そこには愛が無い。
幸せになって貰おうとしない。
だから浮気が絶えないのだ。
赤ちゃんなんて好きでない男。
育てられない男。
妻子を不幸にする男 ....
見果てぬ夢のカーニバル
砂にかいた城郭の呪文
寄せてはかえす波の調べに
なにを重ねてなにを惑う
きみの瞳に恋している訳ではない
きみの瞳に乾杯したい訳でもない
....
空とは 川か
それとも 地面か
他人は知らない けれど
柱に立って
ギターを弾いていく
このギターの 行方を知らない
上である ピックは
存在であることを 未知で
はざまから土
降りおりる銀
曲がるたびに
冬を巻く道
緑の雨と肋骨の森
作りかけのまま棄てられた街
埋め立て地の午後
低い低い音のつらなり
熱を持たない ....
きみがくれた情熱
誰のために使うというの
季節はずれの純情
冬の風に吹かれているよ
何度も誓ってみた
ひとりきりのふりしてた
してみたけれども
いつかまた別れ ....
この町の夜は静かなもので
特に冬の夜は衝動に駆られて
大きな音を立てて改造車で走る
少年少女もいない
その代わり目には見えない何かが
充満していて、それに触れられると
その部分だけ鳥肌が立 ....
{引用=
{ルビ錘=おもり}によって、わたしの外側の水位は上昇し、その先のどこにもふちはなく、溢れることができないままの記憶を、てのひらですくっては、こぼして、すくっては、こぼす、そうやって衰 ....
カウンターでひとり飲んでいると
電車に乗っているような気分になる
電車はどこに向かっているのか
この鉄路を引き裂いているのは
焼鳥の香りと酔客の話しごえ
テレビでは米中首脳会談の様子 ....
バスに乗ってたら
13番目のバス停で
ある男が乗ってきて
いちばん前の
広がる窓の席に座った
明るい緑の
Tシャツと
三本ラインの入った
黒のジャージ
靴下の足は ....
あかぎれた手の甲は膝のうえに重ねたままで
ふぅっと深くため息をついてみる
シャッターを下ろした売店脇の柱に掲げられた時計は11時55分過ぎを指していて
どうやら今夜もフェリーは出航しない ....
小さな黄色いトウシューズ
夜空に投げ込む
舞姫ひとり
気がつけば
見知らぬ砂浜 星と佇む
昇る三日月
波の舟
櫂漕ぐピエロ
どこか微笑 ....
遠いといわれた惑星に至り
それほど悪くはなかったと
ヴェランダでこれまでを振り返っていると
遠くから差していた光が翳っていく
君の強さを
そして/あるいは君の弱さを
それは人目を引いて ....
眠れない夜が明け
笑えない朝が始り
下らない昼が過ぎ
眠れない夜が来る
路傍の石を撫でる市民が月を指差して
あぁもまるいと下らないと哂い
居場所をなくしたように感じる
....
どこかでいっていた
これは歩行ではなく、舞踏
おそらくワルツではなくてポーレチケ
農作業の脇にあるビニールハウスの片隅の
犬に養われている小菊
下り坂の途中で干からびてい ....
彼と会うことは二度とないんだ
夕べ辞めてしまった というよりも
入ったばかりだったな 歩く
どうしようもない自分の人生を照らし合わせて
話したことすらなかったけれど
歩いてきた
適当 ....
緑色を青というのは信号だけだと
白線の前でブレーキをかけ思う
嘘でも慣れてしまえば
覚えてしまって逆らう必要もなく
立ち止まらなければいい
音楽を聴いて風景をながめて
ハンドルと時間だ ....
色々がもうどうでもいいの
哀しみのレバニラ
わたしの選択は間違っていた
わたしの選択が間違っていた
お台所で腐臭に咽び
ごめんなさいを唱えてる
明日の朝餉も残りもの
疲れたま ....
その時
百日紅は花を咲かせて
夏になったことを教えてくれたけれども
夏が終わったかどうかには関心がないらしいので
花を咲かせたままであった
今がその時だと 秋の虫は
ギーギー ギーギー ....
堅実な日々は
けっして実りがあるわけではなく
ひどい仕打ちを受けることもあるでしょう
ex.
微塵の雨の覚悟を持たぬ日の
折り畳み傘も無い晴れの日に
不意のどしゃぶり
....
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