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冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る
裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている
じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
竹やぶ輝くきらきらん
おじいさん竹切り驚嘆
小さき姫現る忽然
大判小判もどんどん
家屋敷豪華絢爛
大事に育てる過分
かぐや姫の美貌 皆賞賛
三人の男持ち込む縁談
姫突きつける難問 ....
ちょうどいい
をさがしてて
ちょうどいい
をこえました
もどるのか
ちょうどいい
もうにどと
ちょうどいい
さがしすぎるから
ちょうどいい
すりぬける
うごかない
....
軽やかな装いの男が
日がな一日長椅子に座っている
うららかに、年老いた象の目回りに皺が刻まれ
陽気に溶ける大袈裟な風船どもを
バービーたちが追いかける
とりわけ足の速いバービーが
長 ....
桜咲く
胸痛くなる
木蓮がそれを告げる
傷つく準備かたくする
君と再会してしまえば
宇宙の碧まで連れてゆかれる
暗闇のような碧まで
堕ちてゆくように舞い上 ....
夜中の2時半頃目が覚めまして
閑散とした部屋の床に
月が煌々と
其の明りを灯しておりました
わたくしは喉の渇きを癒すべく
水道の蛇口を捻り洋碗に水を注ぎます
泡を含みながら溢れ出す水を ....
あらためて
そんなものどうでもいいって
おもいながらも
あえて思うのは
恋愛、のぐあい
恋愛ってそんなことば
はずかしくて
なんともはや
いいづらいけど
いまだ夢見ている ....
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら
階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
一。
バスは坂に入っていた。眼を閉じると、からだが傾き、後ろに引かれる、背中が軽く、座席に押し付けられる、わたしのからだは軽いので、座席はゆっくりと、わたしを押 ....
アンドロイドは、呼吸する
ラマダーンに輪廻を解説する
入道雲が1座、
カオス理論に途方に暮れ、ても
光あれと叫ぶ
光あれ、と叫ぶ
そうし ....
もうおやすみ とつぶやく こえは
あなたに とどいたのでしょうか
まぶたを とじる しゅんかんに
あなたは なみだをうかべていた きがしたのですが
ろくがつむいかの あめはふりつづいていま ....
なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う
わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
....
そっと
腰を下ろし
いつものひとりに戻るとき
うるおいじみた
乾きがあふれ
ぼくは
あわてて
目をとじた
思い出はいつも
胸に痛い
握れるものの少なさが
はっ ....
8月の射手が海から畝へ遡上する
だれもいない猫と風鈴がラジオの号令を聴くのも(もう、)
ニュースキャスターが告げる赤とお決まり
サンダルの熱は浮上 ....
たとえるなら君は大根 私が絶望を書いたら
君は不味さを描く様に 青と脳しか視えていない
ラッパを掲げ ラッパを吹き 口ずさむ
少し ありったけ 少し ありったけ では
意地悪な百問を 感 ....
空っぽ だよね
歌うために
まぶしい緑の
そのはざ間から
降り注ぐ 生きる意味よ
せみの命よ
蜜を吸う
歌うために
その
けたたましい鳴き声の
中にまぎれて
誰か ....
いい日いい夢いい足音
ツバメが巣を作るといい事があるんだってさ
だってさ
だってさ
だってさ
さ
さ
さ
さとう
砂糖は甘い
いい事ことこと
こんぺいとう
中を割ったら
....
内に向かって壊れた胸から
水がわずかに滲み出している
うすい陽の声
穴の数の息
草が逆に波打つ
濡れた色になる
夜の風のなか
渇いた音のなか渇きを疑う
....
地面に結び付けた髪の毛
もう嫌わないで、口を動かす 少女との界わい
少女との辛い
地中に潜り逃げ立ててしまった奥のたらか
三角の丸で肘を曲げて坐る
地面に抛り投げる髪の毛
三角の椅 ....
{引用=
(光を常に浴びて変われ
きみという緑の輝きの)
(そのうすい葉脈のすみずみまで満たせ
それがたとえ何かを)
}
おぼろなる
季節は過ぎて
五月
つつ ....
現状取り急ぎ報告いたします期待はずれでした
それはもう期待はずれでした知らなかった頃に
戻りたいの多くの者が申しております何かの事故で
あって欲しいとも申しております裏側を覗く者もおります
足 ....
彼女の潔白な素肌、
ずっと透明なまま
水面で服の中身となり
日々潤いを保ちつつ
日々最高の状態に更新、
白く淡く蒼く細く
叩くと高く響くだろう
手足は長くしなやかに
大きくわずかに ....
水を得た魚は、いきいきと、そのまま
大きな指につままれて
ひょいと知らない国に
たたされてしまった
ような
そんなふうな
まもってるっていうけど
あたしひとりだよ
....
人体模型は海を見ていた
筋肉の組織も内臓も剥き出しなのに
それは自分の何をも語りはしない
こうしていると
かつては本当の人間だったのかもしれない、と思う
電池の切れた玩具を
大事そうに ....
かぜが
よにん
てをつないで
ふいている
とおくに
ひろびろと
あおぞらが
ひろがる
あのころ
ぼくらは
そんなまいにちを
すごしていた
あなたがかいた
あねもね ....
そんなに複雑だったっけ?
ボクはただ目の前の噴水を眺めていて、向こう側の空が青かったのを嬉しく思った
爽快なジェットとヒコーキ雲が空間を作って
その映像はシーンの一つのようになった
十年前から ....
{引用=時計の針なら 少しのあいだ
止めておいてあげる
だから
世界を愛した子供らよ
駆けて
遊べや}
(一面のひまわり畑
おまえたちは
その中 ....
{引用=ケンタウルスの夜に
ケンタウルスの夜に
星屑を降らせよ
砂糖菓子のように甘くかたまって
壮大な橋をつくれ
研ぎ澄まされた露を舐めて
硝子の角を指先に絡ませて
....
真っ白な雪が降ったとき
僕は子供のように喜んだ
冷たい雪に埋もれながら
僕はそんなふうになりたかった
真っ白な雪と大地の間で
わずかな温もりを感じたかった
四月 (始ま ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
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