「はい、田村さんは最初シュレッダーで書類を裁断していたんです。
 叫び声がしたので見ると、ネクタイが引き込まれていたんです」
「いいえ、そうじゃありません。すぐにシュレッダーは止めたので、
 そ ....
君は言う
「あいしている」と
彼女に向かって 君は言う

彼女は言う
「あいしている」と
彼に向かって 彼女は言う

彼は言う
「あいしている」と
私に向かって 彼は言う

私 ....
じいさんが
あの世へいってからずっと
8ミリを回すと
青鬼が映る
8ミリを映写し
妻や子供との暗い部屋で
(僕だけが斜め下におり)
青鬼を見る
木や鳥居の影などに
七五三だというのに ....
全ての人に大切な愛だって
手に入らないこともあるじゃない
適当に感動して一日を潰した私
何もないのに無理やり泣いて
声が枯れたら
また日が暮れた


同じように過ぎていく時は
数 ....
私は夏雲のあるこの空に
人差し指を差し込んで
この青空の
その底にある
人肌の群青に触れようとする
そのぬくもりは昔日の
小さなおまえのぬくもりに似て
あわあわと崩れそうにゆれる
いつ ....
「誰しも、初めてから始める」なんて。
諭すように言われた、朧気な記憶

けれど、初めてなんて何ひとつなくて

ぜんぶは、きまりごと。
その決まりごとの中で藻掻くの。

初めてはレールの ....
ずっとまえ ぼくはとてもめがよかった
とおくのとおくのほうまで
ぼくはみえていたよ
そこにはないものまで
ぼくはみえていたよ

おとうさんとおかあさんはとてもめがわるい
ぶあ ....

こんなことできるんだ

腹の底から
あんな絶叫

後の痛みを考えず
打ち付けた拳

流れたマスカラ
振り乱した髪

ペンを投げ
グラスを割り
イスを振り下ろした

 ....
ボクは君を
幸せにしないでしょう

それと
逢いたい気持ちとは



小さなパラソルに
寄り添って歩く

少しだけ
雨が降って
 
 
 
煙草を吸って待っていたのに
人間観察をして待っていたのに
スタバのコーヒー片手に待っていたのに
既に全ての行動に飽きても待っていたのに

テメェアホ面で遅刻すんじゃねェ

とか

ゴ ....
兄はケッコンしてつまらなくなった

私は思う

別段
破天荒な人生などではなく
公務員の次くらいにお堅いお仕事
今ドキの中学生に現代文やバスケットなどを
教えているらし ....
動物が獲物を狙うときというのは
獲物が獲物を捕らえた瞬間なんだって
そこが一番隙が生まれるらしい


コンタクトを必死に探していて
やっと見つけた!と立ち上がろうとしたら

机の端に頭 ....
ふと

背中は正中から割れて
わたしはゆるゆると
中から這い出した

新しい皮膚は
まだ少しだけ熱い

背中には
哀しい羽が生えている
わたしは約束の空へ

短さを張り合うよ ....
{引用=
   AM6:10

   ぼくは、
   まだ
   終わっていない
   昨日から

   もう
   始まっている
   明日を
   眺めている


   ....
スペースシャトルの打ち上げが映っていた
アトムや鉄人28号の時代から ずいぶん経っているのに
いまどきロケット噴射とは なんて野蛮なイメージだろう
ぼくは未来からきた人のように かんがいぶかく
 ....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で

私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で


果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
ある朝
会社までの道を急いでいると
見慣れた制服姿
サルサ銀行のお兄ちゃんだわね
あ、そ、と思って通りすぎようとしたら
突然制服は
深々とお辞儀をして
申し訳ありません、と
わたしに向 ....
僕はいつでも

丸いから

君は僕の襟足を鷲掴み

えいっとばかりに

放り投げる


どんなに空高く飛んでいっても

僕は君の胸元に ふらり舞い戻る


それが僕の愛 ....
バケツにいっぱいの青空がはじけ飛んで
退屈そうに時間が揺らめく
五月の原っぱに日曜日が溢れ出てくる

子供達の笑い声が響く
きっちりと慣性の法則に従いながら
ゴムボールが飛び跳ねる ....
それはすてきな
なつのそらを
かついでかえったのに
いない

なつくさのみどり
たっぷりと
しみこませたのに
いない

さっきとったトマト
しおかけて
きゅーっとうまいのに
 ....
ひとつの恋が終わって
もう二度と連絡が来ないように
メールアドレスを変えてみた

もう二度と見苦しい真似をしないようにという
前進の一歩なのか

はたまた

もう二度と向き合いたくな ....
{引用=どう考えても、俺なんかに運命の人を近づける力があるように思えない。}

運命の赤い糸は、それ以来自信喪失になっちゃって
ずっと姿を隠しているんだとさ。
蒸し暑い夜空の下で
蛍のように光ながら
残った命を、使いきってゆく
嘆くこともせず、微笑みもせず
まるで今日起こる出来事が
朝、目覚めた瞬間からわかっていたかのように
昨日と同じように時を ....
世界で一番好きな者同志が結ばれる。
それが一番幸せなことなのだと思うけど
なかなかそういうのも難しい。

思いがあちこちさまよって
行き場をなくしている。

誰が一番だなんて決められない ....
「帰ろっか」
「ういーーっす」

来るときには僕がこいできましたが
帰りは彼がこぎました
もう日が射していました
僕たちと自転車は塩水にぐっしょりぬれていたものですから
図らずもきらきら ....
香気がどこからかぼくの指にしみこんできた
朝日はいつの間にか木陰を
ありありと作るくらいに大きく育って
父は病んだ体を褥に起こして
指先から瑞々しい桃の果汁を滴らせながら
桃の果肉を噛み砕い ....
愛する人が殺人を犯したとしようよ
恋人でも連れ合いでもいい、不倫相手でもいい
あまりに惨い計画的な殺し方なので少なくとも終身刑
ほとんど死刑は免れないとわかったとき
あんたはどうする?
「ま ....
ひどく目立たない黄色のレンガ道を行くと
夏休みの少し手前に古い送電鉄塔が見える
陽炎虫が大発生した年の真夏のある日
一人の男の子がその鉄塔の下で感電死した
鉄塔からぶら下がっている電線に触れた ....
「もう落ち着きたいのに」
と君が話す
落ちて着くなんて
そんなにいいもんじゃないよ

君が居るその場所から
どこへ落ちて行きたいの?

まだまだ昇って行けるのに
そこより下で辿り着く ....
月のきれいな夜に友達に言った
そんなポンコツスクーターじゃ
どうがんばっても月には行けない
じゃあ見てろ、と友達は言うと
アクセルを一ひねりして
鳥海山をジャンプ台にして
飛んでいってしま ....
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