{引用=



ふいに落ちてくるのは声
ねむりを破る声

とどまることなく走りつづける
でんしゃのなかを
でんしゃと同じ速度で疾走する男がいて
疾走する男のその努力をもし徒労という ....
「おーい 空くん
 今日はやけに機嫌がいいねえ」
「ほーい 機嫌がいいさ」
「どうだい 見てごらんよ
 君があんまり機嫌がいいから
 ほら 風が歌っているよ」
「ほほう そうさねえ
 風 ....
 光に目を凝らすと
 色彩が失われ
 あらゆるカタチはこわれている
 ひとつの塊にしかみえなくなっている

 蠢くものの姿がみえない
 ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
服を脱げば
汗をぬぐえば
そこには
熱い風でもない湿りでもない


夏が


夏というものが現れる



幼子のころを思い出すなつ
幼子はおとなにあこがれた
おとな ....
 たとえあなたが農夫でも農夫でなくてもあなたが文章家でも文章家でなくてもあなたが小鳥でも熊でも蛇でもあなたが空でもあなたが風でもあなたが土でもあなたを好きわたしはずっとあなたのそばにいるあなたとキスを .... ねこを見てると眠くなる
ねむねむねむねむおねむのまほう
ふわふわの
お腹のお毛毛をなめている
おねむの国に行く前の
おねむの前の身だしなみ

 あたしはそんな風だって、頭をひと振りするだ ....
すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた

フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか

あ ....
たとえば、わたしは、とても広い大地に立っている。
大自然が 与えた ゆたかな大地。
わたしは、太陽を正面に見据えている。
わたしの 後ろには影ができている。

太陽がまぶしいぶん、影 ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
美しい7月

太陽はまた新しく耀いて
波涛を映して瑞々しく
熱した白いアスファルトの上を娘たちは
日一日と灼けて
ときめきに図太くなって行く
楽しい事なら何でも起こる
碧いカレンダーの ....
小さな蛇のミイラも大雨で流されて
ほっとしていた
蟻に狩られた子蛇
もしかしたら毒蛇の子で
しっぽしか食べられなかったのかもしれない
食べた蟻は死んだのかもしれない
助けを呼ぶように身をく ....
 淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る



 凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して



 性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
     若)まろがふたり でそろった!
     いまからね、バチバチッと
     かっこいいとこ見せあうからね
     その間に 逃げるんだよ

     面白そうだからって見ていて ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
かみなり



ひんまがり 醜く よじれてペンダコのように頑なな私が
理想としているのが 渡り鳥の抑揚のように柔らかい けんこうこつだよ
ほしいよ
大理石の有翼女神像すら
空に ....
アリスはそこへ乱暴に投げだされ
黒い瞳に大粒の涙をためた
やがて朽ちてゆく散らされた意味の
灼熱に乾いたサハラカラーの砂漠の丘に
一面、蒼く鮮やかに咲く魔の花の
雑音交じりの夢へといざなう、 ....
{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日


ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日


眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日


静かなく ....
湿った風 追い風 まとわる

体中すいこんだ わたしたち

早足で 砂浜のような 濡れた アスファルト

バスを 待つ余裕も なく

霧雨は 小さく崩れて 銀色 とけあう熱気

あ ....
             考える 考える
             君のことを考える
             君について考える

             油断していた
          ....
 白紙の畑がひろがっている
 一本道をゆく
 と、ポツンと
 巨大なショッピングセンターがある
 集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている

 そんな
 ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
 泣く女

泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で

 哀れな女

シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
とまどったかたつむりたち目の前に信号がまだ青にならない

くちびるの荒れぐあいさえ忘れてる降り叩く雨呼吸の中に

いたむのは見とれすぎた胃ぶくろで蒼ざめるのはあなたの番だ

以上を持ち ....
泣けないボクは考える

(瞳を想う 唇を想う)

言葉に出来ないもどかしさは

(指先を想う 首筋を想う)

何なのだろう

(肩を抱く 胸に触れる)

悲しいのか 苦しいのか ....
こんなに悲しいのに
誰もぼくのこと理解していない
少年は海を前に呟いた
猫は鳴き声をあげた
少年には賛同していると理解したが
そうじゃなかった

猫は雌猫のところへ駆けて行き
じゃれあ ....
あのひとの
ギターをはじく手の速さ
 見ているだけで
 悲しくなる
 ぼくはまだいちご泥棒と眠りたい置き忘れたものばかりの園で


 衝動を積み上げていく指先に梶井のレモンわたしのオレンジ


 気だるさはインクに滲み水底の青い散文髪に絡まる
 ....
ゴールデンウイークはパチンコ三昧にした
お盆をとらない代わりに休みをすべて貰えた
市内のホテルにユキオと合宿をはりそこから毎日パチンコを打ちにいった

ちいさなころ町じゅうのパチンコ屋にお母さ ....
遠い風/海の凪
光の海/遠い風

潮騒を割り溢れ出る光の帯
遠く海を渡るカモメが一羽

君のもとへ早く
焦らずに帰ろう
遠い風/海の凪
もう陽がしずむ
曖昧になる境界

遠い海 ....
殿岡秀秋さんのおすすめリスト(830)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
でんしゃのなかにふる雨は声かもしれない恋かもしれない- 石川敬大自由詩1810-9-1
9月- 未有花自由詩9*10-9-1
ピアノ協奏曲「月光」- 石川敬大自由詩2110-8-28
あおぎみる、なつ- 唐草フウ自由詩8*10-8-28
十一月- 豊島ケイ ...自由詩12*10-8-26
おねむのまほう- salco自由詩17+*10-8-22
けど_でも- 砂木自由詩10+*10-8-19
そうさ_世界は_美しい。- るるりら自由詩13*10-8-10
虫偏の精神を笑わないでください- 石川敬大自由詩1810-8-4
7月、八月- salco自由詩10*10-8-1
狩る_トンボ- 砂木自由詩5*10-7-30
雪月花_- 夏嶋 真 ...短歌29+*10-7-27
うつつと夢の間を縫うバスに乗って- 石川敬大自由詩1910-7-22
まろまろ- 鵜飼千代 ...自由詩10*10-7-16
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
かみなり- るるりら自由詩5+*10-7-11
らりぃ・アリス_★- atsuchan69自由詩18*10-7-6
七曜日_(即興七行詩)- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...30*10-7-5
消えてしまおう- 唐草フウ自由詩6*10-7-3
考える- 鵜飼千代 ...自由詩13*10-7-2
轍は白いミミズ腫れで_ーー作家Tに- 石川敬大自由詩1210-6-30
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27
食傷- salco自由詩22+*10-6-26
うう- 唐草フウ短歌10*10-6-21
泣けるといいのに- 板谷みき ...自由詩4*10-6-16
猫と少年- 冬野 凪自由詩310-6-16
初代- Wasabi 短歌810-6-16
翠雨- 夏嶋 真 ...短歌28+*10-6-15
悲しい音- 吉岡ペペ ...自由詩710-6-15
遠い風- kauz ...自由詩11+*10-6-11

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