良い詩、隅々が瑞々しいよ。
よいしすみずみがみずみずしいよ
躱した私は蚊。
かわしたわたしわか
水もなみなみと、皆水面住み。
みずもなみなみとみなみなもずみ
澄 ....
冷凍食品が売れているらしい
物価高騰のなか
一袋五百円以下の価格が
コスパの良さと感じられるという
外食を考えたら
たしかに安いし
冷凍庫に入れてしまえば
いつまでも保存できるし ....
素敵な言い訳を聴かせてほしい
君を嫌いにならずに済むような
この想いが消えないままでいられるような
素敵な言い訳を聴かせてほしい
最高の幸せを与えてくれたのは君だから
その夜 ....
春子
暖かいピンクの空
君の声は
僕を弾ませる
夏子
熱い銀色の空
君の目は
僕の心に刺さる
秋子
何処までに透き通る空
君の声は
....
雨の声は小さくて
耳をそばだてた僕をカラスが笑った
どんな時を過ごしたの
小川に溶け
また上昇し降りる
雨の声は
雨音ではない
雨音は
ごま粒のような擦れ音
雨の死骸のすれきれる匂い ....
僕は僕に解けない問題を出して、
髪の毛を掻き毟って、頭を抱えさせる。
たとえばこんな声がする。
「君は誰?」
「どこから来たの?」
「偽物って何?」
「本物はどこにある?」
「君 ....
奥域の意識の最果て
醸し出す
この私である
のなら 、
意識のわたしの中に
入っていけない
から とても苦しい痛い
苦痛なのです、
何れ
わたしが遺体となるを
見届けながらも ....
夜が優しく唄うから
目蓋を縫うように
眠りが訪れる
金の雫
銀風鈴の涼やかな音
木々の聲
いずれも影を纏って沈んでゆく
不確かさは予定調和を破り
Aの調律を繰り返す
斜め60度の逆上 ....
幼さと若さは違う
いつまでも年相応になれない
それが幼さで
若さは時間だ
相対性理論を読んでも
韓国コスメを使っても
若くはなれない
そんなことに気付くのに
半世紀を使ってしまった
....
窓の外には
まだ黄緑のイチョウ
西日に照らされて キラキラ光る
その光を受け
陰影をまとい輝く
窓辺に並べられた白い陶器たち
ほとんど目が見えなくても
こんな繊細な作品を生み ....
未来があるのは当たり前じゃない
真剣に考えれば考えるほど
良心に従えば従うほど
不条理に踏みにじられる
自由と思っていることは
実は黒塗りの歴史の延長線上にあって
棍棒で殴り殺された者たち ....
賑やかな一日の終わり お別れと共に北風が吹いた
胸がつかえる寒さが 私に寂しさをおびき寄せた
喧騒がじわじわと何よりも羨ましい代物になる
街灯は暴く 私の弱々しい足取りを
ああ これを無く ....
発句 凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る 蛇笏
脇 ひとつ目ルドン隈にあらわる らどみ
3 カロリーを溜め込み冬にそなえたる どらみ
4 八つ目ウナギは♾️(無限)の先 ....
今日、外に出て
あまりにも風が冷たかったので
とうとうオバシャツに手を出した
着込みながらゲンナリ
なんでオバシャツって
何をどうデザインしても
セクシーさの欠片もないのか
保温とセクシ ....
時間の叫びの中にいるせいで
目が眩んでいる。
手足は地面に吸い寄せられ
すべてが重くなっていく。
ぼやけた視界に映るものたちは
重力に耐えきれない為か、
叫びから逃れる為か、
ただ静 ....
午前2時の沈黙は
私を深海へと{ルビ誘=いざな}う
そこにあなたはいない
私はゆっくりと呼吸しながら沈澱する
ひかりも届かぬ真宙の海で
腕も脚も折り畳まれたように
小さく蹲り
このま ....
更年期がつらいのです
だからどうした
なんですが
ああ
枯葉が風に舞う
それを
なぜだか
僕は愛してるといってるように
みえて
遅 ....
上弦の月 、
膨らみ帯びつ
円周描く折まで
見えるもの観入り
住む庵の翳り始め
絶えず内に雨降り頻り
濡れそぼり崩れ続け
地に 砕かれる時
煌々と満月 、
陽の光受け取り
....
明日はどこいこう 夢見たいな夢
動かぬ心 走れぬ足がいて
痺れる指が ものを落として
それでも笑う 自分を笑う
未来はどこよ 明日はどこよ
寝床を動けぬ朝 それは今日 ....
秋になりました
昼がどんどん短くなって
夜がどんどん長くなって
つまりは太陽が
月に追いやられているということなのです
つまりは太陽が秋分の日の決戦で
月に敗れたということを意味し ....
母と姉と出かけると
僕は逐一
足りない子扱いされる
ので
出かけたくない
特異な次元の
超正気で生きる
僕は
足りない子に見える
あぁ、舐めやがって
と、父がいない
女二 ....
新しい住居は
川のほとりだ
川と言っても濁ったドブ川の色をしている
生き物の気配はなく
夏は悪臭を放たないか心配だ
近所のスーパーまで2キロある
コンビニと薬局が側にあるだけましか
....
魂はどこにあったの
飛び出ちゃった僕は
目を瞑った僕を初めて見た
そして気づいてしまった
僕は死んだ
僕にしがみついて
戻ろうとしても
戻る場所がわからない
僕だったはずの体は ....
声の濁り
野葡萄の斑な実りに似て
服毒の
文字の乱れか
へび白く
あらわな
舌の結び目から
糸を引く
忘却へ
産み落とされた
いわれなき申し子の
実らぬ指を
串に刺し
野焼き ....
しろいノートに
さびしさを
書きつけてゆく
ちいさな
ほほ笑みの気配
忘れた喜びに
さようならと またねを
贈る
ささやかな
手のひらの温度
青空へ 千切れる
雲
風に ....
あなたのゆびは、わたしのうなじを
ゆわれていた 脈、が 夙くだち
ついな 帆布の つぶら に、
ふれば 湿り。みれば 灼ける
うすくな ッ ――てゐく。ふちへ
すこカドが やわ かく、すべり ....
心の中の煮立つ赤いマグマ
地獄のように熱い心
燃えたぎる炎は
大爆音とともに 噴火ととも
文字という溶岩を吹き散らす
白い紙には燃えたぎる心が散らされてる
休憩と宿泊の間には今日も火球がふっている/鯖詰缶太郎
https://www.breview.org/keijiban/?id=15700
サバカンさんの詩的言語を、真正面から批評として料理す ....
怒った顔のクマダス
アンガーコントロールを腹から学ぶと
アドレナリンが吹き出すのを
抑えることはできるようになるけど
口から出たあとの言葉を減らすのは
難しいと感じるからマークで表し ....
繰り返す季節とともに変わる「空」
目的を失ったころからの定点観測
どんな人生が良かったのかも忘れてしまい
日々あわない人達のことも忘れていき
自分を確認することだけは忘れずに
長 ....
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