屋にならずに、見識ばかりを募らせ、それを振りかざしてしまってはアカンアカン
仕事持たずに批評ばかりを繰り返し、上手く誤魔化してしまってはアカンアカン
物を売らずに身体ばかりを持て余し、物に当たるよ ....
買ってから
どれくらい経つだろう
黒色の電気ケトル
購入時は白が欲しかった
でも、在庫がなくて
この、いかつい黒を選んだ
最近は、沈黙することが多い
スイッチを押しても応えない
....
現代日本の専門詩誌における「難解さ」の制度的生成
――ブルデュー的フィールド論、エニックの制度的承認理論、新制度派同型化に基づく分析
序論
現代日本の詩誌・短歌誌はしばしば「難解 ....
窓口で紙の保険証を見せました
この方、マイナンバーカードはと聞かれました
分かりません、独居の方なのでとこたえました
後見人さんはと聞かれました
後見人さんはそこまでなかなか出来ませんとこ ....
今の状況を冷静に考えてみよう。LEDが明るい白壁の部屋。家具はない。窓もない。恐ろしいことにはドアもない。唯一の出入口は床にぽっかり開いた暗い穴だ。穴から半身乗り出している人は、あれは人なのだろうか、 ....
あなた達を救うためにすべてをなげうった。
自分の欲望を、現在を、過去を、未来を。
足りないから、あなた達でさえ捧げた。
縋り付いて泣いていたのは私だった…はず。
冷凍食品は捨てるために温め ....
光の線が
立ち入り禁止の帯になる
わたしの目の前では
走っていく車の音は
いつも郷愁を掻き立てる
永遠へと届きたいこころを
載せて去って行く
ヘッドランプが一瞬窓ガラスを照らす
....
存在を認め合うと
何が起きるか
お互いに顔を見あって
赦しあう
声をかけあう
気にしあう
自分の過去を詮索されず
ただいっしょにいてくれる
そしてわたしのことを考えてくれる
....
バスタ新宿は
ひとの群れでむんとしていた
二酸化炭素が多くなって
何となく甘いような
粘度のある空気
ひとびとは
疲れてみえた
帰るのだ
(いえ、行く)
懐かしくもない
私を拒 ....
窓の半分下を光が洗っている
照らし終わった上半分には
今日の空がもう咲いている
窓の外ではみんなの記憶と記録が
絡み始めてる
僕の今日はまだ名簿にも載っていない
温かいコーヒーをカ ....
愛には対象が必要だ
自己愛でさえ他者がいて成り立つ
ひとりぼっちでは自己を愛せない
自己愛は他者の視線の中にいなければ
成立しないのだ
自己の愛情に他者が愛を返さない場合に
怒りが生じ ....
鳥はひとりぼっちで
仲間の歌を聞いたことがなかったので
遠くへ旅立つことにした
クマさんが近づいてくる
「今日もいい天気だな」
鳥は言った
「旅立つのさ」
クマさんは答えた
「達者 ....
万華鏡を廻すと
次の結晶が像を結ぶように
調子っぱずれのメロディは
次の照点へと向かい始める
狂った時計が夜を告げている
午後9時の騒めきは
書くことばに不協和音を混ぜる
純粋を望む ....
誰そ彼にいとしきひとの名を呼びて
かへらぬ背中憎く愛しく
はかなきはひとのおもひと知りつつも
街の歯車ゆめを明日へ
雑踏の片すみに咲く花一輪 ....
喜びが
楽しいのは
自分のこころがあるからさ
何も心配しないで
無理をしないで
物事の成り行きに任せて
慈悲のこころを持ってすれば
すべての物事がうまくゆきます
あなたの智 ....
彼女の好奇心と
私の虚しさを埋める
壮大な作り話
姫君の瞬き
傅く水晶の城
裏切りと慟哭
見知らぬ仲間は
命分けあう行く末
白いシーツの部屋は
異国の砂漠に変わり
闘い倒れ ....
手をつないで入っていこう
光の輪の中へ
空は待っていてくれる
時の円環が
わたしたちを包んでいる
忘れた夢を
あきらめた夢を思い出して
あなたの価値は無限大なんだ
もし空が見え ....
姉は
母の遺影だけ渡してくれた
お父さんのは?
とは聞けなかった
彼女の中では
一生赦せないひとだったのだろうから
母の情の{ルビ強=こわ}さを受け継いだ姉
酔って暴れる父を
....
冬は
つま先からやってくる
朝の換気のあと
畳を踏みしめると
つま先に
じわっと
寒さが滲む
つっかけを履いて
ゴミ出しに出れば
つま先に
冬を感じる
お布 ....
ことばが灰になる
皮膚を焼くのと同じ匂いで、
私の祝詞は、
毎月、かすかな煙をあげて消失する
――わたしたちは
プーチン大統領に起因する不条理に反対する、
と
白紙の地図を焦がしな ....
色を落とした、黄色、褐色の、紅色の
手紙の断片たちが、道の片隅や、真ん中に
からっ風で湿度をなくして
散らばっている
それを潰して
計算できない枚数に砕ける
どうしてうれしい
かなしくな ....
朝ぼらけ
白々とした空は
憂鬱の風を払い
穏やかである
永遠から見たら今は一瞬?
今から見たら永遠は何?
分からないから分かろうとする
分かったときには分かる
分かったものは分からなく ....
ガラス窓割ればガラスが割れるだけそして輝くトラペゾヘドロン
包丁でぎゅいと肉塊突き刺そうそして輝くトラペゾヘドロン
人間をやめたら見える空がありそして輝くトラペゾヘドロン
冷酷は冷蔵 ....
+
ぼくは今日、致命的なあやまちに気づいたのです。
◯
命がどこにあるのかわからないときに誰かについて考えることの険しさからの言い逃れ、そのために精神的な偏りへの主張が必要なので ....
さみだれ
つゆいり、あけ
ことことぽとり
ふれたかおり
くつくつはらり
わからない
いろづき、あせた
かさねがさね
ちよりもこく
神宮前
今日は結婚記念日
親友の誕生日と一日違い
いつも、どっちか分からなくなる
親友の誕生日を思い出してから
結婚記念日を思い出す
おそらく 夫の方は完全に忘れている
試しに ....
駅にゆく道すがら
子供がしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている泣いているのだとわかった
道ゆく人を見ていると
皆邪魔そうに避けていく
中には蹴飛ばす真似 ....
街の外れの廃校の廊下に気配の何すらもなく
ただ1枚の絵が残されていた
幼さの目一杯の『4年3組』そして名前そして
描かれている 理由のない風を装った
其れは遺言だったから ....
透明な風羽ばたける春の海
吾もまた雑草として春時雨
雲の上でも降っており冬終わる
砂ひかる一人三月の島に立つ
フラココや東海汽船イルカくる
故郷に晴海ふ頭や桜貝
青 ....
とても卑屈に落ちた時
見上げることなど役に立たない
そのことを本当に知っているあなたは
宇宙のどこかにいるのだろうか
そう思って私は空を見上げる荒れるはずだったのが嘘のようなすぐに私は背中 ....
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