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 ふんわりあかるい 丘をもちあげ
 かげにかくりと 谷をおる
 ひらひら帰りみち

 みどりのうらで こえをきく
 蜘蛛のこわさや あしたの雨の
 ひろがりについて

 夕陽がおちる
 ....
 ゆたかな木
 夏の雲みたいにわきおこる

 しずかに立っているようで
 たくさんの声をもつ

 ゆたかな木
 鳥たちの翼を夜からまもり

 どんな風も受けとめ
 星のひかりに運ば ....
 余った腕は力を脱いて 指をかるく握る
 人さし指だけすこし立てて
 みぎ足 引いてひだりはそのまま
 そう ずらした軸を忘れないで
 鏡 ここに置いておくから

 そこで足を組むならもっ ....
 水が 欲しい
 もう 雨が聞こえる

 水を思うと
 ことばの膜は かわきはじめて

 そのまま 波の奥
 さみしさが鰓をおさえつけ
 こころ、と消えて
 択ぶように石をつかんだ
 ....
 ゆれる ぬけがらの重さ
 ひとつひとつ 声に彫られた
 ふるい幹のこまかな傷と

 蝉と烏 青を奪いあう
 にぎやかな今日

 不意につまづく
 日傘をさした子づれの伝道師が
 扉 ....
 田舎のビルでみた 踊り場 シネマ
 月光 スクリーン 古びた壁に
 主人公、現わる とある風
 恋は またたく間に想いを伝え
 うかれ気分を流れに運び去られても
 次の季節に 誘われ飽きな ....
 落ち葉をひろって
 たったそれだけのことで
 一日が眠りつく
 つらい、けれど大切な別離があって
 急にころがる
 あなたの ひとつぶ
 それを どうか嘆かないで

 中心に感じて
 ....
 都会の片隅に、にっこり
 置いとかれたお地蔵さん
 短い夢にからかわれ
 ビルからまたビル渡り
 錆びた引戸の奥で
 さよならぽつり

 きみはやわらかに抱きしめ
 つつみながら
 ....
 ひとりで
 星を見る

 水を湛えた
 ナウマン象の足あとに
 両ひざを抱え
 転がした
 身体を透り抜けながら

 ひとりで見る
 星のひかりよ

 むき出しの
 大理石 ....
  美しいもの


 今 光のなか
 美しくなる夕べ
 風の川に

 鳥も 花もあって
 私もゆっくり
 とけてゆく

 とけた私を見ると
 どうしても 幾つかの
 悪くて  ....
 透けるにほどない
 まあたらしい光

 君は旧い水道橋で 淡く色を重ねた
 針は移す影に 勢いよく溶け出す
 多くは柔くよく凍え
 縫われながら解かれるだろう
 疑いながら けれど喜べ ....
水 あつめるところから暮らす
俯く 嫌 こころ写すから
窓や雲を数える 迷うまで

何かの粒とうがいに使われた
白っぽい水が
くり返し吐き出され
洗面器を満たしてゆく午後

わたしの ....
 なつかしい声に ふり返ると
 まだ冬だった
 困惑したり 暖めあった
 窓辺から
 ありふれた粉雪に
 見えかくれして
 息をきり
 背をのばすと
 秋のひかりは澄む
 夏の水が  ....
傾いたしずくは
笑うと よけい邪魔だった

離れられるから
乾いてすこし 間のびした

これから 古い 手紙を燃やす
もう、冬が 終わるから

束ねた意味を
要約すると 「寂しいよ ....
砂浜に流れ着いた
ガラス瓶は
ひとこと飲まされ
孤独を波に託された

知ってる、ボクも
ひろがる者だから
言づて
届かないと
解って重なる言づて

輪になって
ボクらの孤独の声 ....
 谷を降ると 邑があり
 邑の奥には 娘がおり

 鳥に囲まれ 竿を矯めていた

 旗を嘗めるのは 炎
 少年を 馬に 飼わせていた

 閉じこめられたんじゃない
 自分から 入った ....
黙って眠っていたかったのに
喋らされた
火焔をつめた この水殻に
うまく着火してよ 音をひく
かくん うなづいて

眠りながら
なにか もの欲しそうだったから
感情に群がる ほそ長い舌 ....
 犬といる午後
 肉がざわめく
 灰いろのひろがり

 この部屋で
 許しがあったことはなく
 交わす偽り
 弾ける肉声
 どこからが贖いなのか
 どちらが生なのか
 知る迷いはな ....
 子どもがしあわせだとうれしい
 靴が脱げても 光につつまれて

 色騰る
 苦い息 濁りだね
 風の座は単簡

 あれも愛のせい
 みんな終わってしまったせい

 道はかならず行 ....
苔の声の波
静かでいて濃やかな青
甘い気持ち
森の奥まで
敷きつめ

それから虫たちの唇を寄せる
月が光るのには秘密が

人間時間を過ぎ
円やかなデトリタスになって
落ちるまま
 ....
殻を割って現れたピストル
うぶ声ばきゅんばきゅん
弾は持っていなくても
じっとこちらを見つめ
狙い定める本能

貝にはさまれた文
古紙のにおいを纏う
刷り込み済みの姿は
慕情を昏く縁 ....
細い角があった
磨かれたひろい螺旋
立つ者の額にも尖る

薄い翼があった
連続する空間への
感情の無理解を愧じる

持ちあがった身が
鳥の群れとなり羽ばたく
指をおった乾いた窓が
 ....
 空がおわる

 その日きみと鳥になり
 おわった空をわたる

 海がおわる

 その日きみと貝になり
 おわった海をすう

 嘘がないことば
 或いは
 研ぎすまされた嘘か
 ....
あわく 枯れた 冬にあって
膨らみはじめる 谷間よ
人をあらう 瞳
透りすぎて 朱い

馬を抱える
少年たちが はだかの背中
食め、春を跳ね
耳と耳とが 内緒する

冬は 響きあえ ....
不思議なくらい
なめらかになる

上へ
下へ
游ぐように 及んで

赤へも 青へも
眠るように誘う ご覧
ひかりを畏れない
矮星
今もことばを 発するだろうか
それとも 二度目 ....
赤いゆびに絡まれ
知らないお祭りに行った
ひとつとして確かなものがない
不思議な空間

境内は水いろで甘い
不揃いなお提灯の踏みならす
威勢のよいはっきょい
仔犬の氏子さんに
勧めら ....
腕がぶら下がる
掴まれた体の芯が
逆らって回る
冬が嫌い
南国で
わたし誰の娘でもないから
髪は赤いけど
うまれの何処かも
贈り物
人形でうれしいの
人間でいるよりずっと

瞳 ....
しゃぼん 君の中に
虹をうむ 誰かが透明よ

かおる緑 泡が見つめあう
張りを 失わないで
弾けて 色あざ

君と想う しゃぼん

まき戻さないまま
触れるだけ 割れてしまうなら
 ....
 ゆきが おちてくる

海がひろく
不思議な 音をたてていた

灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない

 ゆ ....
思いでをつくる
まずは目
動物なんだよ こんな時
迫りくる灰色の展開の前で
ふくらんで見えるあんたの目

つぎに声
これがたぶん一番 思いで深いよ
弦はやわらかめ
冬の午後は木の根が ....
朧月夜さんのsoft_machineさんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ちょうちょ- soft_machine自由詩10*23-9-23
ゆたかな木- soft_machine自由詩15*23-9-19
クロッキー- soft_machine自由詩9*23-9-6
水をおもう- soft_machine自由詩3*23-8-8
青い影- soft_machine自由詩523-8-4
風のシネマ- soft_machine自由詩4*23-8-3
なみだ- soft_machine自由詩7*23-7-14
お地蔵さん- soft_machine自由詩823-6-25
星のひかり- soft_machine自由詩323-5-28
美しいもの- soft_machine自由詩323-5-22
ソフィア- soft_machine自由詩323-3-30
燕たち- soft_machine自由詩123-3-19
春の声- soft_machine自由詩223-3-1
あおぞら- soft_machine自由詩123-2-28
言づて- soft_machine自由詩223-2-24
逆瀬の子- soft_machine自由詩223-2-3
冬眠- soft_machine自由詩223-2-2
犬の前で- soft_machine自由詩623-1-29
冬の座- soft_machine自由詩123-1-29
秘密- soft_machine自由詩323-1-26
本能- soft_machine自由詩223-1-26
ある画- soft_machine自由詩323-1-12
檻人- soft_machine自由詩423-1-10
すすき- soft_machine自由詩123-1-2
からだ- soft_machine自由詩522-12-29
知らないお祭り- soft_machine短歌2*22-12-28
にんぎょう- soft_machine自由詩322-12-25
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雪が落ちてくる- soft_machine自由詩9*22-12-18
つみ木あそびブルース- soft_machine自由詩122-12-11

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