大きな災(わざわ)いが襲い

今まで煌々(こうこう)と

道を照らしていたと思われた

しっかりと根を張っていない

ちゃちな移ろう灯りは

悉(ことごと)く消え去り
 ....
小袋を開けて
柿の種を食べる
{ルビ掌=てのひら}にのせ
柿の種に混ざるピーナツを、数える
――この組み合わせは二度と無いだろう

夕刻 ダウン症児の息子の
小さな手をとり
川沿いを歩 ....
ある時
俺は全知全能のおっさんに抜擢された

早速
俺は住所不定消息不明の神を探しだし裁判を決行した
罪状は有りすぎて絞れない

俺が極刑を求刑し、俺が求刑通りの判決を下した

速や ....
幽霊の朝だ

右手をあげて
おはようのあいさつを
それは別れの
あいさつを兼ねている

かなしみが鳥のように
肩にとまっているから
身体は右に傾いている

よろこびが鼠のように
 ....
優しさとか思い遣りとか
愛情とか真心とか
人として不可欠なものが
足りなかったり
最悪欠けていたら

正義や道徳を写す教科書さえ
ビリビリに破いてしまえば
悪魔の囁きだけが耳に吹き込ま ....
かかかか
ころん

すてきな音の色 セイジの着物
蝶のように風のように 羽織って

走ってくる

かかかか
ころん

忘れないよ メモリーイブ
 ....
神走る
跡を追う
ただ痕跡のみ
残す
見えぬものを
聴く言葉、掬う言ノ葉
散らす人

俺は流石に音を上げた
貴女の遠去かるスピードに
流れる石、意志、猪の
猪突猛進
速度増し
 ....
白鳥の舞い踊る岸雪は降り

神走る跡を追い追い御神渡り(おみわたり)

若菜落ち暗渠に響く人の声
そうだね
おめでとうといわれても
ありがとうというべきじゃない
かもしれない

そんなゲームをやってるみたい

真っ白に降り積もる雪が
身体中から
熱を奪って行く
頭のてっぺんから ....
さびしい道化師は
観客のいないサーカス小屋にひとり
空中ブランコや象の玉乗りの夢を見る

もう雇い主なんていやしないが
故郷にかえるまえに思い出にあいにゆく

もう料金箱にはどんな人生も ....
できるだけ神の御意志に添えるよう感覚を研ぎ澄まして



できるだけ私利私欲や雑念を払って



それを探っている



そして、これだと思うものを



打ち込んでい ....
悪に限りはない
善には限りがある

だからどうした

他人の命を犠牲にしても
自分の命は守らなければならない

だから何だよ

他人の痛いのは平気
一年でも二年でもぜんぜん平気
 ....
晴れ上がる宇宙の
戸口に立ち手を振れば

降って来る無限の青!

この新年の時を包み込み

森羅万象、在るものすべてを
その清明な静けさに迎え入れる
あかるいあの夏の日差しが切れ目なく
あればきっと誰も悲しまない

窓から見える灰色の景色にも
洗われる清々しい風が吹くかもしれない

家の周りにてお住まいの神々しい猫の声が
一 ....
のびた爪を夜に切ってくれた
妻である人が切ってくれた

爪が指の先でのびる
切らずにおいたらどこまでのびるかなんて
普段は思わないけれど
思ってしまった

のびた爪であたしの体を触られ ....
元日によろしくお願いする片恋



たとえれば揺れてる独楽が生きること


初風を感じず大海ゆく帆船


初あかね真っ赤な血の香がにじむ夢




門松は大きなお家の玄関 ....
触覚が反応して描きの渦に入ってゆく
5年前の踏み損ねた韻をモノクロに見
恥を晒すが頬はクールにペールオレンジのままに
スキップしながらアンプをぎゅんぎゅん鳴らす

今宵は今宵と信念が悟情 ....
風の招きに集められ
ひとつの夜に出逢う僕等は
互いの盃を交わす

この胸から
静かに踊り出す…心音の行方に
物語の幕はゆっくり上がる

誰にも知られぬ遠い夜よ
{ルビ蹲=う ....
私の中に
永い間眠っている
マグマ

涼しい顔してほんとうは
体内を巡る真紅の血が
いつも渦巻いている

そろそろ目を開く季節だ
あの空、葉脈、
一本の水平線を
( ....
年も死ぬ大晦日。明日には新年が生まれる。
ドイツの哲学者・マルクス・Gによれば、
「世界」は存在しないという。

《平成》などと言ったところで《日本人》
以外には何の意味もない。しかしだ ....
大年に離れて暮らす我が子想う

晦日にも富士は茜に染まる威容

大年のざはめき寄せるワンルーム
熱燗に一年を汲み飲み干すよ



恋萎れアロエの花が咲いてるよ


足踏みし登場待つよ亥の子たち


マフラーの真っ赤に意味を与えるよ




近畿ではちくわぶの意味わか ....
山の上に山を積んで
キャパオーバーが騒ぎだし囁く
あれもこれもと撹拌されマーブルのスピンは止まらない
それでも華の中の華を摘んで
私は 言葉を編んでゆく

仕上がりの予測も出来ずに
その ....
遠巻きにして人だかりができていた
始発電車まではまだ時間がある
上野駅の構内でそれを待っている人たちは皆一様に張りつめた冬の寒気に震えているに違いなかった

まだ入れない改札口周辺の通路になぜ ....
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。


 落下しない
 林檎
 蜜柑
 それから
 檸檬。


安物です、この宇宙は。

{引用=( ....
体臭と口臭
そして
お互いの獣臭さを嗅ぎあう夜は
同じベッドの上で汗垂れながし
軋みあった

小柄で背は低い
美人でも可愛くもなかった
髪の毛は短くて化粧が無理矢理だった
スカートを ....
通称『やり直し神社』って、
大阪にはあるけど
これまであった悪い縁を断ち切る
そんなご利益のある神社、
らしい。

べつにウチはそんな
やり直したい人といっしょにいるわけ ....
憧れが溢れて来るこの夜、 
空間は全くの無音で
誰かの透明な吐息
遠くわたしが聴いている
別れの手紙が届いて

窓ガラスの凍った朝に
きみは家を出る

食器も家具も置いて
チケットを握り締めて

雪の馬車に乗る


ここで変わるのね

未来から声がする
 ....
 季節はたそがれ、満ちてゆく。
 幸福と不幸の狭間に立って漏らすため息。
 願い事を信じる力はあるか。
 心は風に舞い、静かに溶けてゆく。

 古時計のぜんまいを巻いてみるが、過去に戻る ....
羽根さんのおすすめリスト(496)
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不安な演奏- こたきひ ...自由詩419-1-3
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コラージュ2018- 梅昆布茶自由詩12*19-1-2
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或る午後の変容- 服部 剛自由詩418-12-31
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年の瀬の詩です夜- 秋葉竹俳句318-12-31
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叶わぬ恋のパティ- mizunomadoka自由詩1018-12-29
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